第十六幕 ライバルは強大な方が良い?
※ 腐の連鎖が止まらない……
思わず腐な暗黒面を見せてしまった京です。
きっと七度生まれ変わっても腐からは逃れられないでしょう。
そういうものなのです!
現在もマッチポンプ作戦は継続しています。
因みに現在大内とは直接戦火を交えては居ません。石見や安芸・備後の領主たちを巡っての代理戦争、米ソの冷戦みたいなものですね。
という事で尼子が直接相対しているのは毛利なのですがこちらも直接ではなく安芸国の領主たちを調略で味方にしたところで毛利に偶然露見し大内家の命で毛利が鎮圧、其の領地を毛利が恩賞としてもらって勢力拡大をしています。
勿論やりすぎると毛利が狙われる事になりますから調整が必要です、獲物のウサギが居なくなれば猟犬は優秀なほど処分されてしまうからです。
という事で毛利は奮戦しているけど苦戦中であるように見せる必要があります。
その為滅びそうな安芸武田等への肩入れは大事なのです。当主の光和が居なくなったら若狭の武田から養子を送り込まないとね。
出雲の方はかなり整理出来ました。尼子の直轄領を大幅に増やすことで尼子家の支配を盤石な物にし、嘗ての領主たちは禄をもらう家臣に変えて行ってます。
親族衆は経久の弟久幸が束ね役になり、国久と興久達一族を纏めています。
最も彼らの真の主人は私なのですがね。
「皆の者、よろしく頼みますよ」
「イエス! マム!」
うむ、結構な返事である。何故に英語なのかは突っ込まないでおこう。
公方様の遣いが来たようだけど金の無心かな?
☆
尼子詮久
京ちゃんは不思議な人だ。公以外の処では自分の事を{京ちゃん}と呼ぶ事と言われている。
そして今の尼子の真の当主だ。それについては経久を始めだれも異議を唱えない。いや唱えられないのだ。だれがあの覇気に耐えられるというのだろうか?今でも失神する自信がある。後始末が大変なので使わないようにお願いしているけどね。
経久の話では尼子は今過去になく強くなっているという事だ、それを成し遂げたのは勿論京ちゃんだ。
「京はな吉祥天の申し子よ、尼子家は京ある限り滅ぶことはあるまい」
真顔で語る経久のいう事は説得力がある。京ちゃんがある限り非常に安心できるよね。
因みにお義父さんの元就殿と経久とは非常に仲良くしている。
曰くお義父さんは謀の事が良く分かっているそうだ。経久の謀の凄さは傍で見ていて判る、そしてその謀を全て理解できるのがお義父さんの元就殿だ。経久は国久叔父や興久叔父では儂の為すことが判らんのだと良く愚痴っているけど元就殿は全て判ってくれる、味方にすればこれほど頼りになる存在はいないとべた褒めだった。
表だけの当主だけど愚痴は言わない、京ちゃんは私の事を立ててくれるし、良きお方様でもある。
経久が早く子供を作れとせっついているけどこれ以上頑張ると布団の上で討ち死にする気がする。
死なないように京ちゃんが作った栄養どりんくを飲んで頑張ろう。
ただ一つ理解できないことがある、何故に武将同士の戦場交合本を作りたがるのか? 此れだけは理解できない。最近は月山富田城内の侍女たちまで嵌っているようだ。その前に世鬼や鉢屋の女忍びや歩き巫女たちが嵌っていると聞いた時には眩暈がしたものだ。最近は{薄い本}とやらの制作をして広めていると聞く。
大内家の御曹司と陶家の後継者の組み合わせに流れ公方と大内の御屋形とかそれに犬猿の仲の吉見と陶が内藤殿を取り合う三角関係など目を疑うようなものもあるらしい。
声を大にして言いたい。頼むから私と吉川興経の組み合わせなんて作らないでくれ!
☆
京です
公方様からの遣いは大友や河野、一条と連携して大内を攻めよとの御内書であった。
恐らく九州で大内とやり合っている大友の発案だろう。大友からも使者が来ているからね。
大友からすれば後ろで騒いでくれれば戦況が有利になるというのだろうけどこちらに大内の矛先が来ると迷惑だ。まだ尼子も毛利も大内を倒すだけの力は備わっていないからね。
まあこちらとしても都合が良いんですけどね。
公方様には伯耆や美作の領主や守護が騒ぐのでこちらを平らげないと大内に手が出せないと伝え討伐の大義名分をいただくことにします。
そしてここまでの成果を大々的に書き記します。安芸や石見での工作の数々、安芸武田家への支援等です。
そうそう、若狭やできたら甲斐の武田家にも支援をしてもらうように命令出してもらいましょうか。
これくらいのおねだりはしても罰は当たらないよね♪
☆
家須宇 摩啞牟 (いえすう まあうむ)
島根の方言
女性に呼びかける言葉 「わかりました 奥様」 という意味でつかわれる。
英語のYes,ma'am と似ていると話題となるが御湯殿上日記 の1533年の尼子家についての記述に初出典しているので単なる偶然と言われるのが歴史学者の間での定説である。歴史系ファンタジー作品では過去転生物のネタに良く使われている。
いつも読んでいただきありがとうございます。
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※この小説はクロスオーバー作品です
早見様の「ゲーム機片手に天下統一!Player1 〜瀬田に我が武田の旗を立てよ〜」
霧島ナガツキさんの「ゲーム機片手に天下統一!Player2 ~我、長宗我部ニテ立チ上ガラントス~」
天樹院樹理さんの「ゲーム機片手に天下統一!Player3〜諌死なんてしてやらん、天寿を全うしてやる!!〜(仮)」
4番目になる作品です