表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
<R15>15歳未満の方は移動してください。
この作品には 〔残酷描写〕が含まれています。
苦手な方はご注意ください。

日常の中にある非日常

禁じられた肝試し

作者: うぃんてる

R15は保険ではありません。ご注意ください。

過剰な想像力はスイッチを切るか出力を制限なされることを老婆心ながらオススメします。(何事

 私は肝試しというものが嫌いだ。苦手とかそういうレベルはとうに通り越していて、誘われても断固として断るし、友達が向かおうとしているならなるべく引き留めるようにしている。

 もちろん、心霊スポットではなくなんでもない場所を利用したような“安全そうな”場所(例えば廃墟ではないそれ系のアトラクション)なら話は別だけど、でも大抵私みたいな地味な女性陣をも巻き込んでチャラチャラした男たちが連れ出そうとするような場所は十中八九、心霊スポットだ。

 ……正直な話、ただ人数合わせがためにしつこく誘われるのは迷惑この上ない。頑なに拒否しても、やれ怖くないとか、俺たちが守るとか、アホですか、と。見えぬ存在からの悪意に鈍感で、迂闊に踏み荒らしてはいけないテリトリーを傲慢に侵入しては破壊していくあなたたちに何ができるのかしら?……喰われるだけでしょ。


「おい、空子。お前ほんっとうに付き合い悪いな、たかが肝試しじゃないか。そんなんじゃ友達無くすぜ」

「けっこうよ、それくらいで無くなるような関係なんて」

「空子ちゃん、どうしてもだめ?私ひとりはちょっと……」

「むしろ美那。あんたもいくのはやめなさい。ろくな目に遭わないわよ」

「……え。それって」

「おいおい空子、人の女にまで干渉すんなよ」

「だいたいねぇ、心霊スポットに肝試しとか、例えて言えば貴方らの部屋に見知らぬ人らが勝手に土足で踏み込んで好き勝手にぶち壊していくようなものだって理解してる?」

「はっ、誰もいない場所に行くだけだろ。騒いでも誰に迷惑かけるってんだよ」

「達夫、そろそろ出ないと遅くなる。おら、空子、いくぞ」

「だから行かないってば」


 さっきから、というか時間にして2時間くらい前からこんな状態である。頑なに拒む私の態度に大学にきてできた最初の親友・美那も何かを感じてきたのか、「やっぱり行くのやめる」と言い出し始めて美那の自称彼氏(美那は認めていないので学友扱い)をほざく達夫と隣で揉め始めていた。

 私がこういった肝試しの類いを拒むのは今に始まった話ではなく、高校時代までは割りと知られた話だったのだけど、大学生になって地元を離れた今は理由も含めて知っている人はいない。……私は視えはしないけれども肌で気配を感じるくらいには霊感をもっているのだ。

 霊感を持っている人たちには生まれつきだったり、職業的なものだったり、何らかの生死をさ迷うような事故後に〜だったりといろいろ条件はあるみたいで、私の場合は多分、この世に生を受けた時だと思われる。というのもお母さんの話では私は自分のヘソの緒で自分の首を絞めた状態ででてきて、死産寸前の仮死状態だったらしく即座に集中治療室におくられたそうだ。まさに九死に一生をいきなり得てしまった形だ。

 で、達夫とその悪友である女たらしの秀男が私たちを連れていこうとしている場所に対して脳内警報がさっきから鳴りっぱなしなのである。しかも最大レベルで。


「おーい達夫、秀男。そろそろいくぞー」

「あ、先輩」

「こいつらか?お前らの連れて行く女って」

「いや、それがそのう……」

「……ふぅん、そういうこと。美那、もういいから帰るわよ。ほらっ」

「あ、うん。空子ちゃん待ってー」

「「ちょっ!待てよおいっ」」

「うっさい。ヤリサーで有名なとこの人間とつるんでる時点で今後一切お断りよ、もう声掛けないでくれる?」

「空子ちゃん、ヤリサーって?」

「美那は知らなくていいわ」

「そう?うん、わかった」


 そうして私たちはしつこく追いかけてくる二人をなんとか振り切って、二人でお世話になっている下宿に帰宅したのだが。なんとなく気になってあいつらが口にした場所をインターネットで軽く調べてみて――そして後悔した。というか吐いた。


「く、空子ちゃん大丈夫!?」

「あんまり大丈夫じゃ……ない……。美那、悪いけど今夜は部屋から出ないで」

「わかった。あとは?」

「渡した御守り、一晩お腹にあてて」

「お腹……?」

「そう。本職じゃないから気休めだけど……しないよりマシな気がする」

「ん。じゃあ今夜は一緒に寝る?」

「そうしてくれると助かるわ……」


 うすうす美那は私について察して来はじめているのか、あまり疑問を挟まずに私を介抱してくれたあと、指示に従ってくれて一晩を過ごしてくれた。その間私は原因不明の悪寒やら不快感に襲われていたけれど、特に何かがおきることもなく夜が明けてくれたのだった。




***




 翌日は土曜日で大学はお休み。朝から文化系サークル棟の一角にあるTRPGサークルの部室に美那と一緒に顔を出してキャンペーンシナリオを夕方まで楽しんだあとはサークルの先輩たちの奢りで晩御飯を楽しみ、帰宅。日曜日はそれぞれの部屋で月曜日からの準備や家事をこなして一日を過ごして、すっかり金曜日の夕方の事など忘れて就寝してしまった。


「空子ちゃん。空子ちゃん、起きて。大変だよー」

「んー?美那、おはよー……まだ早いよ……」

「テレビ、テレビ見て」

「……ああ、そういうこと」


 美那が私の部屋のテレビを点けると早朝のニュースが流れてきた。予想通り、うちの大学生の行方不明を伝えるものだった。


「空子ちゃんが引き留めてくれなかったらと思うとゾッとするよ……」

「まぁね……あいつらもヤバイけど、目的地も最悪だったし。美那は私が守る」

「霊感、で?」

「さすがに気がついたか」

「うん」


 あいつらが踏み込んだ地域は古くから特殊な儀式を行うとされた閉鎖集落のあった場所で、現在は誰も住んでいない廃墟だけの場所だ。ただの廃墟ならば多少はマシなのだけど、“特殊な儀式”とやらが問題だった。廃墟になったのもその儀式が遠からず影響しているという。それよりも、だ。


「大丈夫かなぁ……」

「美那、それよりも自分のことを考えて」


 ニュースに流されている達夫や秀男、“先輩”の顔写真の他に見知らぬ男が二人と、大学構内で見掛けたことが無いような類いの女の子たちが三人。それらを見て美那が呟いていたので私は、まだ終わってないことを伝える。


「どういう、こと?」

「多分、あいつらはもうダメだと思う」


 ニュースは閉鎖された集落に通じる廃道の途中に車が二台放置されていることを報道ヘリからの映像で伝えている。あいつら、本気で行ってしまったらしい。無知は罪とはよく言うがそれにしたって巻き添えが多すぎる。こうなれば発見は時間の問題かな。


「ダメって……」

「そういうことよ」


 みるみるうちに顔色を青ざめさせへたりこむ美那を尻目に私は、未だに切れていないらしい悪縁を絶つための方策を考えていた。なぜわかるかと言うとニュースで知ったあたりから肌に刺すような感覚で、よくないものが迫ってきているような感じがしているから。

 とはいえ私はプロの方々には全く及ばない素人に毛が生えただけのような存在だから生兵法をするだけ逆に火傷を負うだけ。とりあえず早めにどこかへ身を寄せないといけない。……と考えていたら携帯が鳴った。


「もしもし」

「空子ちゃん、まだ無事だったのね!」

「燐先輩?」

「ニュース“視”たわ。今から迎えに行くからすぐに支度なさい」

「!助かります、親友も一緒に良いですか」

「関係者はそれだけ?」

「はい」

「了解。お兄様が“縁切り堂”の準備をしてるから切れるまで籠りなさい」


 どうやら事態は燐先輩がニュースでわかるくらいに深刻だったらしい。大学の卒業生である燐先輩の実家はこの手の問題解決を生業にしていて、これまでも何度かお世話になっていて、その先輩からの助け船に私たちは一も二もなく飛び乗ることを決めたのだった。


***




 先輩の御実家は広い山林を所有されていてその一角に文化財に指定されそうなくらいの旧家ばりの御屋敷を構えている。その中でもさらに山に近い奥まった場所に建立されている“御堂”は裏手に御祓みそぎ用の小さな滝と泉を備えていて清廉とした雰囲気を漂わせていて私は昔からここが好きだ。


「それじゃ空子ちゃんたちは身を清めてから御堂に来てね」

「はい、先輩」


 真夏とはいえ山の中腹から湧き出る岩清水が元の水は身を切るようにかなり冷たい。普段であれば冷え性な私としてもごめん蒙りたいところではあるが、今はそんな悠長なことなど言ってられるような状況ではなく、日が暮れる夜までには取れる対策をしてしまいところだったのだけど。


「……先輩、それ本気なんです?」

「一応、本気」

「だからって、そんな……」

「うん、さすがにそんな趣味は」

「そう、空子ちゃんたちは命よりも羞恥心をとるってことだね?」


 にっこり笑う燐先輩の手には二人分の細い注連縄。言いたいことは分かるし、亀の甲羅が吉兆で縁起物で魔を封じるに適する事からの魔祓いに転用させようとしているのも何となく想像できる。


「「いくら効果があると言われてもうら若き乙女を亀甲縛りすると言われてすんなり承諾なんかできません!!」」


 期せずして美那と言葉が重なる。そしてにやにやしている燐先輩の背後に音もなくゆらりと現れた燐先輩のお兄さん――蘭さんがそんな燐先輩の脳天に痛そうな音とともに拳骨を落とした。


「バカなことを言ってないでとっとと方陣を張れ」


 かなり痛そうな音は伊達では無かったらしくその場で悶絶している燐先輩から注連縄を奪い取った蘭さんは、「アホ妹がすまんな」と言いつつお堂の中心部に手際よく方陣を敷いていく。今夜はこの中で私たちが身体を休めることになるそうだ。


***




 すべての準備がなんとか夕刻、それも日没ギリギリに間に合い完了した。あとは魔の刻――いわゆる丑三つ時を迎えるだけなのだが。


「空子ちゃん……これからどうなるの?」

「うーん……多分“あいつら”はここまで追ってくると思うのよね。まだ“縁”が切れてない以上は」

「え、でもこの場所は知らないはずじゃあ……」

「生身なら、ね。でも悪霊と化したと思われる今なら」

「……あく、りょ…う…?」


 いわば私たちはあいつらをおびき寄せる“餌”だ。あれだけ私や美那に執着していたなら多分間違いなく来るだろう。……それを燐先輩と蘭さんが討ち果たすのだろう。先ほど燐先輩が清浄なる一張りの和弓と破魔矢らしきものを準備しているのがチラリと視界に入っていた。蘭さんはおそらく御神刀による魔祓まはらい術とかいうやつだと思う。


「ところで美那は、さ。怖いもの、大丈夫?」

「……お化けはちょっと」

「そっか……じゃあ片がつくまで“眠る”?」

「空子ちゃんは起きてるの?」

「うん、まぁ……」


 小さい頃から私はこの手の類いによる恐怖体験に関しては枚挙にいとまがない。ぶっちゃけ、もう慣れた。騒いだり叫んだりするひまがあるなら自分に出来ることをした方が建設的というものだからだ。

 けれどもこの手の業界にあまり関与していない美那のような一般人であれば最悪、極度の恐怖による精神的な錯乱やトラウマなども考えられるので苦手と言うならばいっそのこと終わるまでぐっすりと眠ってもらった方がいいとさえ思う。美那一人くらいなら最悪私ひとりでもカバーはできる……と思うから。


「うーん……空子ちゃんが起きてるなら私も」

「無理はしなくてもいいのよ?それに、最悪トラウマになるかもしれないし……」

「う……で、でも空子ちゃんは私の大切な友達だしっ」

「ありがとうね。私も美那は数少ない私の大切な、大切な友達よ」

「じゃあ!」

「でもね、だからこそ美那には回避できることで苦しんで欲しくはないかな……」

「う……」

「全てが終わったら起こしてあげる。それから顛末も」

「……わかったよ。餅は餅屋って言うし……でも、きっとだよ?」

「うん、きっとだよ」


 無理やり納得したという感じの美那を心を込めて、感情を込めて。そして温もりを伝えるつもりでぎゅうっと、けれども痛くはならない程度に優しく抱き締めると美那も同じように気持ちを、不安に揺れる感情を、そして温もりを私へと返してくれた。


「大丈夫、明日の朝には全部終わって清々しい陽光を浴びれるから」

「うん」

「それに燐先輩や蘭さんは何度も成功している実力者だし」

「うん」

「だから」

「うん」

「……」

「……」

「またあした、ね」

「うん……また、あした、ね」

「おやすみなさい、私の大切な、美那」

「おやすみなさい、私の大切な、空子、ちゃん……」


 用意されていた布団に横たわり瞼を閉じた美那を蘭さんが術を用いて安らかな眠りに誘いおとしていく。最後にお互い視線を合わせて誓いをたてたおかげか、不安そうな様相は消え失せて安定した寝息と規則正しい鼓動が感じられた。――これで、いい。これから起こるであろう出来事は……正直、視ない方がいいのだから。


「麗しき乙女の友情はいつ見ても心地よいものよねぇ……ねぇ空子ちゃん」

「何が言いたいのです、燐先輩」

「まだ越えてはいないんでしょう?」

「当たり前です。むしろ手当たり次第きにいったらつまみ食いしようとする燐先輩と一緒にしないでください!」

「いやだなぁ、手当たり次第なんてしてないよ?」

「うるさいです、この乙女たらし!私の純情を返せ!」

「……そこまでにしておけ、二人とも。感情の乱れは命取りなのは」

「「百も承知よ」」


 分かっている。燐先輩が表面は冷静にしているつもりのその実内面はこれでもかというくらいにガチガチに緊張しまくっている私をほぐそうとした発言だということくらいは。――分かっているのだ、今回の相手には私ごときでは手の打ちようも僅かな太刀打ちさえも……なにも出来ないのだということくらい、わかっていた。頭では。インターネットでその場所を確認して吐いたあの時からずっと。


「よろしくお願いします、燐先輩、蘭先輩」

「任された」

「空子ちゃんはそこで高みの見物してなさいな」


 自分のために床に敷かれた布団の上へ身を正して正座をし、額を布団に擦り付けんばかりに頭を下げて二人に懇願するしかなかったのだ。私の大切な美那のために。私を大切だという美那の想いのために。




 それからは静かに、ただ静かに時が流れていった。昼間はあんなに喧しかった蝉の求愛も今は鎮まり、秋が近づくにつれて奏者が増える小さき演奏会さえも今夜ばかりは異様に思えるくらいに静寂に包まれ途絶えている。時折強くはない風に吹かれてお堂の障子が静かに鳴る以外は本当に静けさに一帯が支配されている。

 あまりの静寂に耳が痛くなる。時間の感覚が狂い始め、僅かな音の響きではあるもののそれらがはるか遠くにあるような錯覚に陥りはじめる。それでもしかし、隠形の術を込めた符にて姿を隠している二人は馴れもあるのだろうがそれぞれがそれぞれの得物に軽く手を添えたまま微動だにせず、ただただひたすらにじっと時が来るのを待っている。……滅するべき相手が来る、その時を。


「「「……!」」」


 そして夜も更けさらに時は過ぎた、魔の刻が訪れしときに空子わたしのような存在でも明らかに異質で異様な気配というものが次第に近付いてくるのが感じられで私は思わず全身に緊張がはしるのを自覚した。そんな私とは違い未だに平静を保っているらしい二人は特に変化することはなく、ただ視線のみを介して意思を疎通しているようでこのようなツテが得られていたことに心底身震いし、そして感謝の念に堪えない。


『…………ォォォ……』

『……ィィィ……ァァァ……』


 その異常、異質、異様な気配は何かを叫ぶようなうなり声のようなものを発しているようで、まだ距離があるのかはっきりとは聞き取ることができていないがその声にはわずかに聞き覚えがあるような、そんな気がしてならなかった。


『……クゥゥゥコォォォォ……』

『……ミィィィィナァァァァ……』


 はっきりと執着がこもっているようにも感じるような叫び声が辺りに響き渡り始める頃にはお堂の状態も明らかに異常をきたし始めていて、別段暴風や地震が起きているわけでもないのに呼び声が発せられるたびに激しく建物全体が揺さぶられているように感じている。この現象が真実なのか虚実なのかは分からないがこれらを引き起こしているエネルギーが実在するのだとすれば彼らの成れの果てらしき気配の主は相当に厄介で、かつ強大だと理解できる。いや、そうとしか考えることができない。……頼もしき味方である先輩方が目の前に控えているというのに私は、私の身体は、精神は蛇に睨まれた哀れな蛙のように寸分一つ動けなくなり、ただただ落ち着きなく唯一動かせる視線が誘い込むが為に開けてあるという鬼門にあたる板戸に、その時を迎えんがためにと吸い込まれ固定していくのを感じているのだ。


『……クゥゥゥコォォォォ……ドォォコォォダァァ……』

『……ミィィィィナァァァァ……オォォォレサァァァマァァァノ……ミィィィィナァァァァ……』


 事前の予測通り気配は二つ。それぞれが理解に苦しむくらいに強大に感じている。やはりこれはあの忌まわしき因習が原因で廃村となり地図から抹消されあらゆる公文書から抹殺されたという限界集落にて執り行われていたとされる儀式のせいだというなのだろうか。それともその儀式で命を落とされた数多の犠牲者の怨念によるものであるのだろうか。


『……クゥゥゥコォォォォ……クゥゥゥコォォォォ……』

『……ミィィィィナァァァァ……ミィィィィナァァァァ……』


 次第にお堂が激しく揺さぶられているように感じ始め頑丈な造りであるにもかかわらずいまにもバラバラに破壊されそうな地響きや地鳴りのような轟音が呼び声とともに、それでいて呼び声を打ち消すような事もなく周囲を満たしていく。そしてとうとう蘭さんから決められていた合図がなされた。


「私はここにいるわ!」


 私たちの存在は二重にも三重にも張り巡らされた注連縄にて張られた方陣にて隠されてはいるが言霊をのせた魂の叫びだけは外へと投げることが出来るというので合図がなされ次第あらかじめ指示された通りに、当然危険もあることも承知の上で私が唯一助力できる行動アクションを実行すれば即座に反応リアクションが返されて……それは、現れたのだった。


『……コォォォコォォォカァァァ……』

『……ミィィィィナァァァァ……』

『……クゥゥゥコォォォォ……』

『……ハァァァヤァァァク、ハジメヨウゼェェェ……?』

『……タノシイ……タノシイ……』

『『……キィィィモ、ダァァァメ、シィィィ!!』』


 執着と怨念と微かな恋慕、それから視るものの気力や生気を根こそぎ奪い去るかのような底無しの悪意に満ち溢れた、その二つは。いや、元々は見知った人間であったはずの存在が。まるでゆらりと闇に支配された空間の揺らぎからごくごく自然に湧き出るかのように出現したその姿は。


「……っ!!」


 両の手、両の足の指では数え切れないくらいの重い体験・場数を踏んだ私であっても思わず恐怖に意識をもっていかれそうなほどの衝撃を与えられ、言葉も思考も失いそして身体の自由すらも抵抗する自由すら与えられる事もなく奪われていた。


『……クゥゥゥコォォォォ……ハジメヨウゼェェェ……キモダメシィィィィ……』

『……ミィィィィナァァァァ……ハヤクサシダセ……キモダメシィィィィ……』

『……クゥゥゥコォォォォ……』

『……ミィィィィナァァァァ……』


 禍々しいまでの気配に壮絶な愉悦を浮かべた、純粋なまでに悦びをその、赤黒く染められたぼろ布と化した原型留めぬ、あの日別れたままの服装らしき装束に身を包み、明らかに人間としては異常なまでに発達した剥き出しになったまるでケダモノのような牙を彷彿させる鋭き歯をガチガチと何度も噛み合わせながら、まるでB級ホラー映画にでてくるような亡者さながらの動きでじりじりと方陣に護られている私たちの方へ近づいてくる。ただ一声発しただけなのにそれだけで的確に居場所が知れてしまうあたり、低級の存在ではないことを恐怖にうち震えながら実感してしまうのだ。


『……サァサ、サシダセオマエノ、キモヲ』

『……サァサ、サシダセ、シタタル、キモヲ』

『……サシダセ……』

『……タメサセロ……』


 真っ直ぐに伸ばされたその損傷激しく赤黒く変色した四本の腕が迷うことなく私と美那の腹部を指し示すかのようにしながら、心底愉しそうな口調で、真っ当な人間には到底真似できないような醜く歪んだ笑みを浮かべて、まるで恐怖に震え怯えている私をいたぶるのが楽しむかのように近付いてきてあと一歩で方陣に踏み入れる。


「……魔に支配されし哀れな魂よ、この清浄なりし御音を受けよ!」

「その悪意に束縛されし哀れな者よ、今その悪縁ここに絶ちきらん!」


 ギリギリまでタイミングを見計らい、悪しき存在と成り果てた二人の意識が私たちの魂に完全に向けられたこの時期を見逃さんとして隠形から祝詞とともに姿を表した。

 燐先輩はあらゆる魔を祓うとされる弓の弦を力強く何度も弾いてはその動きを鈍らさせ、その生じた隙を逃さぬと蘭さんが腰の御神刀に手を添えたまま居合い抜きを想像させるような姿勢のまま接近し、自らの退魔の力を載せて振り抜き二人が纏う闇のようなものを打ち祓う。


『……ウガァァァ……ジャマダテ、スルナァァァ…』

『……ミィィィィナァァァァ、オレノ、ミィィィィナァァァァ……ドコダァァァァ』


 先輩たちの攻撃に目に見えて力を失い逃げ惑いながらも私たちにかなりの執着があるのか、方陣に踏み込みそして方陣に仕掛けられた力場に焼かれてのたうち、けれども逃げ出すような素振りも見せず。


『……クゥゥゥコォォォォ、クゥゥゥコォォォォ……』

『……ミィィィィナァァァァ、ミィィィィナァァァァ……』

『……ナゼダァァァ、ドコダァァァァ』

『……アイタイ、ダケナノニナゼダァァァ』

『……ホレタオンナ、アイタイ、グァァァァ』


 先輩たちに抗うすべは元より持っていないのか、弓張りに弱体化されたあとは燐先輩の放つ破魔矢に射抜かれ、蘭さんに打ち祓われ削られながらも二人の顔らしき部分にある虚ろな濁った瞳は真っ直ぐに私を、私たちを求めているかのように感じている。最初のうちは酷く物騒な言葉だった叫びも闇が薄くなるにつれて哀れさが増し恋慕の情が増したかのように感じ、心を赦してはいけないはずなのに気を抜けばその思いに同情しかねないような気持ちになりそうになってしまう。


『……ァァァ、クウコ……タダ、スキナダケダッタノニ……』

『……ミナ……ミィナ……ドコダ……アイタイ……ヒトメ、サイゴニ……』


 なすすべもなく祓われ続けていく二人の成れの果てはもう逃げ惑うことも抗う素振りもせずに、諦めを漂わせているのか、けれどもそれでも、未だに隠されている私たちを求めている姿になんだかかわいそうになってきてしまった私は、もともとはただ巻き込まれたかもしれないだけの二人につい、本当に僅かに心を動かされてしまい……その結果、私たちに迫ってきている前方とは反対の後方側へと思わず踏み出して方陣より姿を表してしまったというあり得ないミスを冒してしまった。


「ちょっ!?空子ちゃんまだだめよ!!」

「戻れ空子!まだ早い!くそっ」

『……ミィツケ、タァァァァ』

『……クゥゥゥコォォォォ!!』

「ひいっ!?」


 そのミスは十分に致命的になり得るものだった。討滅間近だったとは言えそれらは決してほんの一瞬も油断することは許されない存在。こういった元は人間だったという存在は得てして狡猾であり演技を得意とし、打ち祓われ消滅するその間際まで隙を伺うのが常で一度執着したモノには最期まであの手この手で追い縋るのだ。わかっていたはずなのに。見に染みていたはずなのに、付き合いがそこそこあったが為に迷わされてしまった。


『……サァサ、タノシイ、キモダメシィ!』


 まるで金縛りにあったかのように身体の自由が利かない。身に迫る恐怖に、想像できる間近な未来に思考が真っ白に染まり判断が致命的に鈍る。残されていた闇が迫る腕に集まり不自然なまでにその腕が延ばされて私の腹部、肝のある場所へと延びてくるのをただ呆然と見つめていることだけしかできない。


「空子っっしっかりしろぉっ!!」

「空子ちゃん!!避けてぇぇぇっ!!」

「きゃぁぁぁぁぁ!?」


 人間は死の間際に陥ると走馬灯が走ったり、迫る危険がまるでコマ送りであるかのようにスローモーションで見えたりするというのを聞いたことはあるだろうか。私は今まさにそれを、真っ直ぐに腹に迫る鋭き爪を備えた異形の腕がスローモーションで迫ってきているのを為す術べなく見守っている。

燐先輩や蘭さんの必死な叫びに意識を引き戻されてようやく正常に近い意識と思考力を取り戻した時にはどう動こうとも回避出来ない状況に見えた。……これは、詰んだ。避けられない。位置的に先輩たちの割り込みも期待出来ない。私は無様にただ悲鳴をあげることしか出来ることがなかった……。


「「空子!」ちゃん!」


 先輩たちの絶望的な悲鳴とともに私は腹部に激しい痛みと流れ出る熱さを感じながら後方の壁へと弾き飛ばされ派手な音を立てながら叩き付けられたらしい。背中を中心に全身が動かせないくらいに激しい痛みを感じている。痛みに目を瞑らされたままの状況から次第に脱し、薄目ながら抉られたであろう腹部を見やれば予想外なことに多少の裂傷や擦過傷があり少なくない流血があるものの、外皮が破られることもなく無事だった。

 理由はすぐに判明した。パジャマの下に直接貼っておいた御守りに直撃したようで、御守りが大破する代わりにその力を弾き返したようだったのだ。そのことに心から安堵するとともに御守りを作って渡してくれた燐先輩と、事前に備えておいた過去の自分に深い感謝を覚えながらも引き戻した思考力で現状をすばやく確認する。


『……オノレ、クゥゥゥコォォォォ……』

『……ダガ、モウツギデオワリ……』

『『……サァサ、タノシイ、キモダメシィ、グワハァ!?』』


 相変わらず意識は戻っても苦痛で動くことが不自由な私は絶体絶命の危機から脱していないのが現実で、異形の彼らに血肉を僅かとは言え奪われた事で先輩たちの足を引っ張ってしまったのも事実だ。もう一度、同じ攻撃をされたら今度は防ぐ術はない。あいつらが勢いつくのも無理は無い状態だ。……このまま奪われれば全滅もあり得る……。

 そんな時だった。異形どもが繰り返し唱える文言とともに食い止めようと死力を尽くして削り尽くそうとする先輩たちを嘲笑うかのように愉悦の笑みを浮かべて再び腕を伸ばしてこようとしたその時、思わぬ怒声とともに乱入者が現れたのだ。


「うるさい!あんたたちこんなゴミ相手にいつまで時間かけているのよ!せっかく眠っている美那が起きちゃうじゃない!」

「え」「へ?」「は?」

「何呆けているの?この役立たず。さっさと終わらせなさいよね!」


 突然方陣の内側から白色の目映い光が異形目掛けて放たれ、その勢いに異形どもが弾かれたように吹き飛ばされて鬼門側の壁に私のように叩きつけられて転がっている状況に、吹き飛ばしたと考えられる本人以外の全員が絶句して瞠目し硬直している。特に異形のうち美那に執着していた方のショックが酷いようにも見える。


「えっと、その……美那、ちゃん?」

「違うわよ!あたしは菜美。美那の別人格よ。ともかく!さっさと動く!とっととこの隙に討ち滅ぼせ!」

「「は、はい!!」」

「それから空子!あんたは後でお仕置きだからね!」

「え、ええ……」

「じゃあね!おやすみ!」


 そうして私たちに言いたい放題いい放ち、先輩たちが白光の影響か一段と弱体した異形どもを弾かれたように我に返った勢いでぼっこぼこに滅していくのを眺めてもう興味はないとばかりに視線を私に移した美那ちゃんの別人格を名乗る菜美という子は私に宣告をくだしたかと思うと、呆気にとられたままの私を放置して再びお布団に戻り、すぐに寝息をたて始めたのだった……。




***




 異形を完膚なきまでに討ち果たし一片の欠片もなく消滅させ、繋がっていた悪縁が確実に絶ちきられたと確認できたのちに私は燐先輩から厳しいお説教を受けながら腹部に受けた怪我の手当てを受けていた。


「空子ちゃんは一応、一介の民間人だからこのくらいで勘弁してあげるけど、ああいう手合いに情けは禁物なのは鉄則でしょ?」

「……ごめんなさい」

「大学の元同級生で策略とは言え告白されて動揺するとか、まだまだ修行がたりないからね?」

「面目ないです、はい」

「じゃあお説教はこれで終わり。夜明けまであまりないけど、取り敢えずもう寝なさい」

「はい、そうします……」


 普段ならお説教のあとにペナルティ修行の発表があるのだけど、今回は菜美のお仕置きに場を譲る、ということなのだろうか。こ、こわいなぁ。ともあれ先輩たちはこのあと後始末があるとかで私が美那ちゃんのとなりに敷いてあるお布団に入るのを確認したあと、蘭さんのあとを追って作業に向かったようだ。


「……もしかして美那ちゃんにあまり親しい友人がいなかったのって」

「…………うるさい、黙れ空子。とっと寝ろ」

「ひぃっ!?え、あ、うそ……寝たんじゃ……」

「美那にとってお前は一番大事な存在なんだ、見届けるまで寝れるわけねーだろ」

「あ、う、ごめん……」

「おう。あとは任せるからな。もう寝ろ」

「は、はいっ」


 今度こそ菜美が気配を潜ませ、美那ちゃんに戻ったようなのを確認できてわたしは小さく息を吐いたのだった。





***




 それから数日後、問題の廃村跡地から行方不明になっていた全員の遺体が発見され回収されたというテレビから流されているニュースを私たちは下宿の私の部屋で身を寄せ合いながら画面を眺めていた。回収された遺体は遺族に見せられないほどに損傷していたらしい。特に女の子たちはより惨たらしい殺され方をされていたらしいという情報をその筋にツテがある燐先輩から教えてもらっていた。一歩間違っていたら私もそうなっていただけに思わず身震いする。


「ねぇ空子ちゃん。……お葬式、行くの?」

「行かないわ」

「……そっか」

「うん、もう縁はないからね」


 苦労して絶ちきった縁は私たちと彼らの間にあったはずの交遊情報すらも見事に絶ちきられていて、美那にあれほどしつこく言い寄っていた秀夫はわりと学内では有名だったというのに、今ではそんな事実は無かったことにされていた。理屈はわからないし、正直、こんな凄惨な事件のあとだけにかかわり合いが絶たれている現状は非常にありがたかったから私たちは気にしないことにした。


「それで、空子ちゃん。顛末、教えてくれる?」

「いいけど……ヘタしたら夢にでるかもよ?」

「空子ちゃんが添い寝してくれるから大丈夫」

「添い寝確定の前提かい。……ま、いいけど」




 彼らが安易な気持ちで迂闊にも足を踏み入れた場所はその昔に日本全国から誘拐された年若い生娘たちの犠牲によって成り立った、忌まわしい儀式が常態化していた秘境の集落が存在していたとされている。その集落へは目立たない、車も乗り入れることすら不可能なトンネルを潜ることでしか到達出来ないという隠れ里というに相応しい場所だった。

 一応、戦前に作られたとされる地図にはかろうじてそこに集落らしきものがあることが示されていたが、戦後の地図からは消えていて本当の隠れ里になってしまっていたらしい。

 この集落にはかなり古くから、おそらくは江戸時代よりも昔から続く業深き因習、“肝試し”というものが存在していた。何かの問題、または神へのお伺い、成人の儀などでの余興。色々な説が並び立つが詳細は現在のところおそらくは公安などによって抹消されたがために解明が不可能だけれども、何かのタイミングで開催されたその“儀式”により罪無き乙女たちが命を落としたという事実は公然の秘密であり、業界では有名な話にもなっている。


「美那ちゃんはさ、“肝試し”って言われたら何を想像する?」

「うーん……怖い場所に行ってみんなで度胸を示すことだよね?」

「そうだね、普通は」


 そう、普通は肝試しと言えばそれは主に男の子たちの度胸試しのことでだいたいあっているはずだ。しかしあの、今では土地ごと盛大に呪われてしまった隠れ里でことあるごとに執り行われたとされる“肝試し”は根本から異なっている。初めてその意味を、事実を、狂気を知った時は胃の中身を全て戻し、さらに暫くは食べることすら拒絶してしまった。また、渦巻く怨み、恐怖、怒り、呪いを一瞬とはいえ垣間視た時はあまりの惨状に気が狂いそうになり、燐先輩たちに救われるまで絶望の淵に沈みきっていたくらいだった。


「……試す、って言葉の意味、わかるだけ言ってみて?」

「うん?えーと、力量をはかる、効果を確認する、物事を始める前に調査する、それから……あ、あと試食とか試着とか」

「そうだね、うんだいたいそんな感じだよね」


 つまりは、そう。犠牲になった彼女たちは生きたまま“それ”を取り出され、死の恐怖と堪えがたき痛みに苦しむその目の前で……“試された”のだというのだ。そうして試した側のその後における経過によって“儀式”の成否を占い、決めたのだという。


「………………」

「美那ちゃん、吐くならトイレでね?」


 顔面を蒼白どころか真っ白にさせた美那ちゃんに私はトイレに行くことを勧めれば、悲痛な表情に涙を浮かべながら駆け込んでいく美那ちゃんを見送って私もあらかじめ顛末を話す前に用意しておいたエチケット袋を手に取りいつでも対応出来るようには準備しておく。大分なれてきたとはいえ今でも時々夢に視るくらいには最悪の事件だ。


「美那ちゃん、大丈夫ー?」

「当分お肉いらない……」

「そうなると思ったよ。それでまだ話を聞く?」

「ごめんなさい、もう無理……」

「うん。その方がいいよ。じゃあ後で一緒に野菜鍋の買い出し行こう」

「うん……でも、今は少し休んでくるね」


 あまりのショックに耐えきれなかった美那ちゃんが私のベッドに横たわり、夏場の薄いタオルケットを頭から被って時折身体を震わせているのを見て、やっぱりあのとき美那ちゃんを眠らせたのは正解だったと心から安堵する。赤の他人でこれだけ苦しむのだ、これで当日に元は同級生だった学友に襲われたと知ったらしばらく立ち直れないどころか、最悪は気がふれてしまっていたかもしれないからだ。

 さて、この隠れ里は現在徹底的に公的文書の類いから抹消措置が執られている。ハードカバーな書籍は勿論、航空写真やインターネットにおける些細な情報に至るまでありとあらゆる記録が消されている。写真のような画像記録に至っては改竄されてそこにはなにもないかのようにされているからもう異常なまでの執念だろう。通じていたトンネルは今回の事件により捜査終了後直ちに破壊されることが確定していて、それまでの間は付近に警察はおろか公安、それから山を越えるような輩がいるとも限らないと航空隊まで編成されたと風の噂に聞いた。


「……触らぬ神に祟りなし、か……」


 こういった国家規模の隠蔽工作にはこれ以上関わっても百害ばかりで一利無しが明白だから、私ももう忘れることにする。燐先輩の絡みで国家公安の退魔部門からもデメリットばかりが羅列された箝口令という名前の警告が届いたばかりだし、ね……。くわばらくわばら。

……現在お仕事が絶賛修羅場なデスマーチ進行なうえ、特発性過眠症の重度な睡眠発作を抑えるべく過剰に服薬したら全く眠れなくなったという徹夜なハイテンション。


そんな状況で浮かんだ言葉の意味から得た発想により本作は創られました。




つまり何が言いたいかというとですね?




……おうち帰りたい、お布団で眠りたい、お休みまだですか?そうですか。


……そんな次のお休みまで残り8日な現在10日目の猫でした……。


※メイン長編連載作品『GeisterKontinent精霊大陸での日常』もよろしければどうぞ。読んでくれたら涙流して喜びます。

現在執筆再開しました。少しストックしてから投稿再開します。(2017/09/02)

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
[良い点] 最後まで読ませれる筆力。 [気になる点] 個人的な感じ方なんでしょうけど、最後の一言だけでも飲まれた二人の言葉だったら、本当だったら一握りの救いにはなったのかなぁ。 「スゥゥウキィィダ…
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ