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「うおおおおぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉ‼」
俺は、あらん限りの全力で自転車をこいだ。
信号で停車しているボックスカーはすぐそこにまで迫っている。とりあえず、ナンバーをチェックして警察に――――。
と、そこで俺は、つい先ほどスマホのバッテリーがゼロとなったことを思い出す。…………どうすべきか……とりあえず、追うしかないだろう。
しかし、信号が青となり発進した車は、どんどんと遠ざかって行く。自転車で追いつけるはずがない。
考えろ考えろ考えろ考えろ考えろ考えろ考えろ考えろ考えろ考えろ‼
どうしよう! このままでは、あの子絶対ヤバイ。あいつらに何されることか。あんなことや、こんなことされて……え、なにそれヤバッ……逆に興奮す――っとぉ! 危ない危ない。今は、それを防がなくてはならないのだ。
煩悩に塗れた思考回路を何とか修正し、必死に打開策を考える。
その時、良い案がうかんだ。だが、その案はミスすればあの子を助けるどころか車そのものを見失う。しかし、かと言ってこのままではナチュラルに見失う。まぁ、やらずに見失うよりは、やって見失う方がマシか……。
思うが早いか、俺は国道沿いの小道へ入った。
わずかな電灯の光と自転車の明かりを頼りに、俺はペダルを強く踏む。夜なので、いつもよりも速度が出ている気がする。頼むから間に合ってほしい! と言うか、ミスらないでほしい‼
そう願いつつ、俺は歯を食いしばる。
俺の作戦はこうだ。
一言で言えば先回り。
この国道をしばらく進めば、交差点に出る。直線及び左折にて人の多い市街地に出る。しかし、右折すれば人の少ない沿岸部に出る。
俺が奴らなら当然市街地を避け、沿岸部であーんなこと、こーんなことやっちまう。
だから俺は、この小道を使って沿岸部に先回りして車を止めようという算段だ。たぶんボコられるだろうけど、隙を作るには十分なはず……。大丈夫。女の子一人逃がすくらいはできるさ。……とは言っても、そもそもこのあてが外れて奴らが市街地に出たら終わりだな……。まぁ、その時はその時か!
眼下で高速回転する車輪が地に擦れ、音を立てる。俺は、乱れた呼吸を無視して走る。
そして、ついに沿岸部の通りが見えた。
「っし!」
内心でガッツポーズを取ろうとした時、その通りに光が差す。車が通過しようとしている。この時間の通行量を考えれば、走っているのは奴らの車で違いない。田舎というのはこういう時便利! でも、そうならば尚更早く飛び出さなければ先回りできない。
俺は、さらに脚部に力を込める。
間に合えぇぇぇぇ‼
内心で叫ぶと同時に、俺は大通りに飛び出した。
道路に飛び出した俺は、自転車を投げ出して車道のど真ん中に仁王立ちすると、迫り来るボックスカーを見た。
間違いなく先ほどの車両! ビンゴだ!
ドライバーの男が驚愕し目を剥くのがわかる。ざまぁミロだ! 俺はしてやったり! と笑みを浮かべた。
しかし、
強烈なクラクションとブレーキ音。急なことで減速しきれない車が俺に迫る。
あ……やばっ――――――――――――――。
次の瞬間、とてつもない衝撃が全身を駆け巡る。
一瞬にして真っ赤に染まる視界。
鈍い感触と、体の内側で臓器がグルグルと動き回るような変な感覚。
俺は気がつけば宙を舞っていた。視界の隅でボックスカーが電柱に激突するのが見える。……あの子は無事だろうか?
俺は、呑気にも他人の心配をしつつ堤防を越える。それでも失速することなく飛翔する俺の体は、そのまま海へと吸い込まれるようにして着水した。
水膜にたたきつけられる感覚に全身が軋む。詰まりかけた呼吸が奥から押し出されるような激痛が走った。
だが、直に地面に落下するよりは、幾分ましな痛みなのだろう。しかし痛い。いや、痛いで表現できるような痛みではない。
肺が潰れるような感覚におちいり、腹部が熱い。四肢が千切れそうだ。……もしかすると、すでに千切れているかもしれない。真っ赤な視界が、ジワリとぼやけ始める。息をしたいのに、水中故に大気を吸い込むことが出来ない。
――さすがに、死んじまうかな? ――
口から血にまみれた気泡を吐き、俺は力を抜く。
まぁ、悔いは無いね。だって、かわいい子を助けたんだ。……これでもし、少女も死んでたりしたら、俺妖怪になるかゴーストになって、アイコン十五個集めるわ。絶対。
無理やりにもふざけたことを考え、意識を保とうとする。でも、……さすがにこれ以上は…………。
紅一色に染まっていく世界。俺は自らを飲み込む海流に身を任せ、沈んでゆく我が身に半ば諦めを覚えつつ、ゆっくりと目を閉じた。
その時だ。
大きな着水音。
うっすらと目を開けた俺の腕を誰かが掴み、強く引く。ものすごい力で一気に水上に引き上げられる感覚。
陸上に引き上げられた俺は、そっと地に寝かされた。
反射的に大気を吸い込んだ俺は、全身を上下させ必死に呼吸する。
あらかた呼吸が落ち着くと同時に再びの激痛が全身を襲い、俺はうめき声をあげた。
すると、誰かの声がした。
「……残念ですが、もうあなたは長く持ちそうにありません。何か言い残すことは……ありますか?」
まるで鈴の音のような透き通った可愛らしい声。女性だろうか? でも、その口調はとても悲しげに聞こえた。……なるほど。やはり死んじまうのか……くそっ。
俺は、自らを助けた誰かに聞く。
「あの……子…………は?」
かすれ、声にもならないような音で問う俺に、その人物が息を呑むのがわかる。
「っ! ……無事です! ……あなたもしかして、私を助けるために?」
あぁ。なるほど。あんたさっきの美少女さんですか。……ははは。無事なら良かったぁ。まぁでも、これで悔い無しだぜ。俺は立派に美少女を救えたんだ。……俺超絶かっこいいぜ。
と、そこで頭の中がじわじわと冷えていくような感覚に襲われる。そして、俺は直感で悟る。――――ここまでなのだと。
「……無事で、なにより……だ」
なんとか言い切った時、全身の感覚が消える。くそぅ。
わずかに残る意識が暗い世界へと沈んでゆく。
「仕方……ありません! ごっ……ごめんなさい!」
遠くであの子の声がした。……ったく。あやまんなよ。最後の最後で後味悪いっての。
というか。――今何してたんだっけ? ……あれ? 俺……。
その疑問を最後に、俺の意識は完全に途絶えた。
×××××××××××××
どれほどの時が経っただろうか。
驚いたね。目、覚めたよ。生きてたよ俺。
目を見開いた俺は、驚きを通り越して逆に落ち着いてしまった。
俺は横になったまま、視線を周囲に泳がせる。
見慣れない天井に、明らかに病院とは異なる乙女チックな小部屋。
窓から差し込む光に目を細め、俺はゆっくりと起き上がった。
その時、
『あぁ。待ってくださいよ。まだ寝ててください。さすがにもう少しかかります』
は?
突然の声に俺は、部屋を見回す。しかし、どこにも人の姿は見当たらない。どこかにスピーカーでもあるのだろうか? よくわからないが、とりあえず言われるままにベッドに横になる。
そこで気がつく。体に痛みが無いことに――――――――――――――。
「マジで?」
つい声に出してしまう。そして、更なる発見。……声変わってないか?
妙である。体を見たところ傷はない。おまけに肌が白い。あと、女みたいに細い。
俺は不安になって、謎の声に問いかける。
「えーとぉ。誰さんかわかんないけど……これ、どうなってるの?」
すると、しばしの間後。
『そうですねぇ……、かわいらしい男の子になってます』
「へぇ……、かわいらしい男の子ねぇ――って、待て。かわいらしいってなんだよ」
『となりに鏡があります。見てみればわかりますよ。ふふっ☆』
少し楽しげな口調になる相手に、俺は怪訝な表情で机に置いてある鏡を手に取った。
そして、横になったままそっと鏡をのぞき込む。
だれ?
鏡に写る自らの顔を見て、俺はしばし硬直する。
そこに写っていたのは、美少女…………では無く、美少年であった。
青みがかった少し長めの黒髪に、黄色まじりな大きな瞳、肌は雪のように白く、全体的に細いラインで構成された顔つき。一瞬、少女かと思うほどの美しさである。
「で……誰?」
『あなたです』
「断じて違う」
『あなたなんです』
「…………マジで?」
『マジです』
「いやいや、なくね? おかしくね?」
『ありえますよ。だって私、人間じゃないですから。それにあなたも、もう人間ではありませんし……』
突然に突拍子もないことを言う誰かに、俺はため息をつく。
「いやぁ~な。百歩譲って、俺が美少女……じゃなくて美少年になったことは認める。でもよ。人間じゃないってなんだよ。人間じゃないって。そもそもあんた誰だ? どこから見てんの?」
俺はそういって首を捻り、部屋を見回した。
動物。特に猫のぬいぐるみが多い。更には、カーテンにも猫、カーペットにも猫と、さらに俺の横たわる布団の柄も猫。……この部屋の住人は、猫好きとみた。
『えーっとですね。とりあえず鏡を見てください』
と、先ほどの問いの答えが返ってくる。
俺は、言われるままに鏡を見た。
『では、チェンジします』
「え?今なん――――――――――――――――――――――――――――」
直後、俺の体が光りに包まれる。そして、数秒の間がある。
「いいですよー」
『……今のなんだよ。って――――――――――――――――――――――』
呟きつつ、鏡を見た俺は絶句する。
そこに写っていたのは、俺が助けようとしていたあの少女だった。
「今の変身を見てもらったら分かると思うんですけど、私たちは二人で一人になりました」
『んなっ⁉』
そこで俺は、自らの声が口から発せられていないことに気づく。
「あぁ。今は私が表に出てますので、主導権は私にあります。体もホラ。女になってるでしょ? でも、大丈夫です。あなたが表の時は、ちゃんと男になりますから」
そう言って彼女は、自らの胸をたゆんと揺らしてみせる。……むむ。思ったより大きい。つーか、それより……。
『俺、どうなっちまったんだ?』
俺の呻くような呟きに、少女は申し訳無さそうな顔になる。そして、布団の上で正座すると、その場で土下座した。
「すみませんでしたあああああああああぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ! 死にかけてたあなたの命を延命するため、私の独断で私の魂とあなたの魂を融合させました。………………えっと、ホラ。私人間じゃないんで、こういうこともチャチャッとできちゃうんですよ~えへへ」
そう言って、謝ってるのか、ふざけてるのかよくわからない態度をとる彼女に、俺はツッコミを入れる。
『いやまて。そんな淡々とおかしいこと言われて、ハイって言えるかよ』
そこで一度、ため息をついた俺は、続ける。
『……でもまぁ。詳しいこと云々の前に、とりあえず今のは信じるよ。見た感じ本当みたいだしな。まだ、全部飲み込めたわけじゃねーが、とりあえず、俺はこれからどうすればいい?』
すると、少女は土下座をやめて首をかしげる。
「うーん。とりあえず、私のお仕事に一生お付き合いしていただくことになりますね。本当に申し訳ないですけど」
『仕事?』
「えぇ。まぁ、それは後ほど説明します。ですから、とりあえず自己紹介しましょう! これから、ずっと一緒なんですから」
ずっと一緒……。美少女の口から自然にもれたその一言に、ついごくりと唾をのむ。えーっと、なんというか、これはこれで良かったかも……なんてな。
と、一瞬の邪念を振り払い、俺は自己紹介を始めた。
『じゃぁ。俺からな? ……俺は、明日宮輝羅。十七歳。別にこれといった特技があるわけじゃないけど、ラノベとか漫画読んだりするのが好きだ。ひとまずよろしく』
これでいいのか? とか思いつつも、とりあえず言いきった俺は、「よろしくです!」と元気よく応える彼女の自己紹介を待つ。
「それじゃ、私いきますね? ちょっと待って下さいよ~?」
彼女はそう言ってベッドの上にぺたんと座ると、そのポニーテールをとめていた水色のシュシュを外した。ふわりと美しい黒髪がおろされた直後、その髪が青みを帯びた銀髪に変化する。そして、その頭部にピョコリと二つの猫耳が現れた。
彼女の姿に息を呑む俺をよそに、少女は楽しそうに話し始めた。
「えっとですねぇ! 私「十二配夢」と呼ばれる世界から来ました。「猫神」のリリですっ! 日本名は、大和りり。十二支の獣神様達のおつかいをしてます。好きなモノは、ふわふわしたモノと猫! 嫌いなものは、意地悪。あとぉ~スリーサイズは……やっぱり内緒でぇ。あとあと! この耳は本物ですっ! こんなところですかね? 詳しいことは、おいおい話していくということで! よろしくです‼」
最後に満面の笑みを送ってくるリリに、俺は思わず吐血しそうになる。なんちゅうかわいさ……すごい破壊力だ。お持ち帰りしてぇよ。……アレ? お持ち帰りしてるんだっけか? ん? お持ち帰りされてんのかな? まぁいいや。かわいいし。というか、スリーサイズ知りたかったんですけど……。
「なんか変なこと考えてません?」
『きっ、気のせいだ』
「ふーん?」
訝しむような目で鏡を見てるあたりも、いちいちかわいい。つーか、本当は聞こえてんじゃね? だとしたら、変な妄想とかできねーじゃん!
「そうですよ~? エッチな事考えてたら、すぐ分かるんですよぅ?」
『聞こえてんじゃねーか‼』
「一応、神様ですからっ!」
そういって、彼女はエッヘンと胸をはる。あの……いろいろ目のやり場に困るので、やめてください。
『神様ねぇ』
まぁ、少なくとも人間でないのは分かったが、性格的に妖精さんじゃなくて? なんか神様っぽくないんだよなぁ。
すると、そんなことを考える俺に、リリはプクーっと頬をふくらませる。
「神様っぽくないとは失礼なっ! わ・た・し・は、誰がなんと言おうと神様ですぅー! 崇めたっていいんですよ? むしろ崇めなさい!」
『ははぁー! 猫神さまー! これは、お魚をご献上しなくてはー!(棒)』
「ホントですか⁉」
『ちょろっ』
「ムキー! 騙しましたね‼」
そう言って猫神は、布団の上で四肢を投げ出しジタバタと暴れだす。……むむ、こういうのもなかなかかわいいな。とかなんとか考えデレデレしてる間も、猫さんは悔しがり続ける。どんだけ魚欲しかったんだよ……。
『あぁ! もう! わかったわかった! あんたが神ってのは信じるし、魚も買ってやるから、静かにしろ!』
乱暴にそう言うと、彼女はピタリと動きを止めた。
「……本当ですか?」
『あぁ。約束する』
「やった! って、今度は嘘じゃないですよね?」
『あぁ。嘘じゃねぇ』
俺がなかば諦めたように答えると、リリは嬉しそうに耳をピョコッと動かした。
「崇めてもいいんですよ?」
そう言って、上目遣い気味に鏡を見る彼女に俺は苦笑いする。
『ははは。それは、ヤダ』
そんな俺に、猫さんは少し考えると、不意に自らのスカートの裾をつまむ。そして、彼女はそれをゆっくりと持ち上げてみせる。
すると、白い太ももがあらわになり、つい視線が釘付けにされてしまう。見えるか見えないかのギリギリのところで手を止めたリリは、甘えたような声を出す。
「崇めてくれるなら…………ちょっとサービスしても…………いいよ?」
『マジで⁉』
「ちょろっ」
『ぐああああああああああああああああああああああああああああああ‼』
まさか同じ下りで返されるとは……こいつ結構やりやがる。
スカートをおろし、してやったりと笑みを見せるリリを、俺はぐぬぬ……と悔しげに睨んだ。
その時、
「……おやっ? 思ったよりはやく現れましたね。輝羅さん。お仕事の時間です! 少々お付き合いください!」
何かを感じ取った様子のリリは、そう言ってピョンと飛びおりる。リリは、そのままトテテテと姿見の前まで駆けていくと、その正面でシャツの裾に手をやった。……が、そこで手を止めた彼女は恥ずかしそうな顔になると、モゴモゴとつぶやいた。
「……着替えるので、目閉じててください」
『え? 目?』
「はっはやくぅっ!」
『はい』
言われるままに目をとじる。むむ。どうやら意識が表に出ていなくても、内側は内側で目を閉じられるようである。そもそも意識に目があるかどうかは、謎なわけだが……。
スルスルと衣服の擦れる音が耳に響く。ヤバイ。超見たい。これは、年頃のオイラにはちょっぴり刺激が強いいいいいい!
なんとか自制心を保たせること、数分。
「いいですよ」
リリの声ともに目を開けた俺は、疑問を口にする。
『なんか……ボーイッシュだな』
ロールアップ式の黒いカーゴパンツに猫の絵のプリントされたシャツ。その上には緑の薄いパーカー。頭には同じく猫の絵が入ったちょっと大きめの帽子を被っている。
リリは、さも当たり前のように言った。
「いえいえ。ボーイッシュではなくメンズものです。いつでも輝羅さんと入れ替わりできるように、あえて男ものの衣服を買いそろえました。別にちょっと魔法使えば意識の入れ替えと一緒に服のチェンジもできますが、魔力の節約を考えてこうしました」
『……そうか。ならよ。今も魔法使えば良かったんじゃないか? 今一瞬の魔力消費なんざ大したことないんじゃね?』
その言葉に猫さんは、はてと首をかしげた。
「え? 今のはサービスですよ? 興奮しませんでした?」
『ぐあああああああああああああああ! 見ときゃ良かったああああああ!』
絶叫し悔しがる俺をよそに、リリは耳を隠すとポニーテールを結う。髪色も黒に変化させ、準備を整えた。彼女の鼻歌交じりな態度が可愛くて、逆に悔しくなって来る。
「それでは、出かけましょうか?」
そう言ってリリは、スキップするような勢いでトトンとハイカットの靴をはく。そして、ベランダに出た彼女は、なんの躊躇いもなく手すりに登る。
『えっ? ちょっとまて。まさか――――――――――――――――――』
「いきますよーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーっ‼」
見たところここは、二十階はあろうマンションの一室。この高さはヤバい! マジでヤバい! 神様だから大丈夫と信じてるけど、やっぱり怖いっ! お願いだから別ルートをおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおお!
と、内心絶叫する俺の声も虚しく、猫神さまは大空にむけて手すりからダイブした。
『いやじゃあああああああああああああああああああああああああああああ!』