無邪気な季節
立っているだけで夏に養分を
吸いとられる
夏が他の季節より眩しいのは
そのせい
夏は地面から湯気をだして
生き物の艶と精気を吸いとる
たまに戻される潤いは
過ぎるばかりで
あたりを飲み込んでしまう
恥じらいもなく
さらけ出して
熱を与え続けて夏は
実は儚いものだと知っていて
必死に存在を示そうと燃える
夜も終わらない
いつまでも、と
大地ごと抱きしめる
秋に手を捕まれるまで
夏は燃えようと
この世の精気を吸い上げてまた
夏のやり方で返していく
無邪気にノンシャランと