もしも、ゲームのようにステータスがある世界だったら。
というわけで、貰ったばかりのギルドカードを持ち、起動させる言葉をいう。
「ステータス、オープン」
ギルドカードは輝き、本人にしか認識できない文字が映し出される。
本名、年齢、など個人情報はもちろんのこと、体力や魔力といったものまで数値化されて映し出された。
★基本情報★
名前 沖石 醇奈
性別 女
年齢 23
出身 日本(地球からの来訪者)
種族 地球人類
利き目 左目
利き手 右手
得意魔法 微生物
得意武器 微生物
★ステータス★
体力 86
(再生能力は高いけれど、基礎の体力は低い。期待するだけ無駄です)
力 22
(もやしっこです。練習用木刀でさえ、満足に振るえないでしょう)
魔力 45
(一般人並みにもってはいる)
器用 89
(微生物研究は器用さが命! もはや職人技)
知力 76
(院生なので、それなりの頭脳です。しかし、知識には偏りがみられるので注意が必要です)
精神 52
(長時間単調作業に耐えられる程度の精神)
防御 144
(叩かれれば痛いし、斬られれば血も出ますが、それらが死因になることはないでしょう)
魔法防御 144
(燃えるもするし、凍りもしますが、それが致命傷になることはないでしょう)
★特技・技能
「偏執的集中力」(興味のあることに没頭する時の集中力がすごい)
「最悪の寝相」(睡眠時に反撃するぞ!)
「写生技術」(顕微鏡写生の技術)
「道具作成」(観察する時、ほしい道具を自分で作れる程度)
「飲食・排泄不要」
「状態異常耐性(致死無効)」(猛毒を受けても、命は落としません)
「口語限定言語理解」(文字は読めません、自力で頑張りましょう)
「再生能力」(プラナリアもびっくり)
「水精霊召還」
★固有能力
「顕微鏡の眼」(電子顕微鏡いらず)
★称号
「三度の飯より微生物」(何事においても微生物を優先する者)
「自分の能力は把握したか?」
キセノン尋ねる。
「概ね、予想通りと言うか何と言うか」
神からチートをもらったので、ステータスやらスキルがおかしなことになっていることは分かっていた。
「どうした?」
苦笑いしているのに気がついたのだろう、キセノンが話かけてきた。
「いや、『最悪の寝相』っていうスキルがあって……睡眠時に反撃するらしいのだけれど。僕、寝相悪くないと思うのになぁ?」
「……寝相というか、なんというか。妙なスキルを持っているんだな(しかし、あの程度の威力では、役に立つことはあるまい)」
実は、身をもって体験したことがあるキセノンは言葉を濁す。アレは反撃系のスキルによるものだったのかと、そんなスキルが存在したことに驚いていた。
「どうして、自分のスキルとかがこのカードに浮かぶんだろう」
「一説には、神の力が働いていると言われているな。神はすべてを知っているからな」
「神の力か……」
だから、どうみてもこの世界にあるとは思えない単語や、やけに口語的な説明文が現れたのだろう。
「隠しておきたい事柄は隠したいと念じれば、文字が薄くなる。そうすれば、他人が見るにはギルドで特別な処置をしない限り、確認できなくなるぞ」
「わかった、消しておく」
僕は出身や種族だけは消すことにする。あとは、ばれると面倒そうな耐性系のスキルを消しておく。
「よし。では、さっそく仕事を探しに行くか」
そして掲示板のある部屋へ、向かうのだった。