煙が交わる時
タバコの町から一山超えた休憩所へ入るパオ
車から降りて来た方向を見詰める銀髪。
黒煙まだ上がってる消火も中途半端の様だ
散発的な遠雷の様な爆発音も聞こえる。
ハスキーは地面の匂いを嗅いでから
宙空の匂いを嗅ぐ。
「……あの時の、近付いてるかも」
「……関係ない」
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山道を疾走するZ2
いつもより飛ばすその為
雑嚢の縁にしがみつくカカポ
「昨日のゴルゴ絶対ヤバいって!
あとちょっと飛ばし過ぎ!怖いっ!」
赤髪はスピードを緩めずに楽しそうに
「だから会ってみたいんじゃん」
ニヤリと笑う
瞳の奥に、昨日の路地裏の残像がちらつく
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中立エリアの道の駅に給油の為入るパオ。
(どっちのタバコOK)
銀髪はパオを降りて
給油口にノズルを差し込み給油を開始する。
給油中、助手席で丸まっていたハスキーが
顔を上げて耳をピクピクさせる。
すると少し遅れて銀髪が来た方向から
けたたましいエンジン音が聞こえ始める。
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雑嚢からカカポが
「ゴルゴの行き先、あてはあるの?」
「勿論、勘!」
「あ、あ〜。
そうなんだ……でもちょっと休憩しよ!
オレ、タバコ吸いたい!」
赤髪は流れる標識をチラリと見る。
1.5km先 道の駅
「おk!あたしもオシッコしたい」
「あのさ!
一応レディなんだからお花摘みとか言えよ!」
「そう言ったらなんて答える?」
「嘘つけ何ぶりっ子してるんだよ!キモい!」
「だからよ!」
赤髪とカカポは大笑いする。
道の駅に入るとガソリンスタンドがまず見えた
給油中のトラックに丸っこいフォルムの車両。
カカポは独り言で
「あ、なんか居る」と呟き通り過ぎる。
バイクを駐輪場に止めると赤髪とカカポは店内に入る
カカポに財布を投げ渡すと
「あたしはお花摘み行って来るから
ホットコーヒーお願い」
「おk、いっぱい出して来てね!」
「蹴るよ」
「ごめん」
「ホットコーヒー2、あと灰皿ちょうだい」
「はいよ、で、どっちの?」
「なにが?」
「紙用か電子用か」
「あ〜あの町の影響ここまであるの?
どっちでもいいじゃん」
「……灰皿いらないの?」
「紙用お願いします」
外が見えるカウンター席に持って行き
わかばを咥えるカカポ
オイルマッチを擦ると
入れ過ぎたオイルのせいで大きな火がつく
ちょっとびっくりしたが
わかばに火をつけ一息……
「ただいま」
「おかえり、コーヒーとサイフ」
「ありがと」
赤髪もひと息付く
ガラス越しに給油を終えたパオが駐車して
銀髪のロングヘアーにトレンチコートの女性
シルバーグレーの毛並みのハスキーが降りる
店の入り口に向かって来る。
赤髪はコーヒーを飲みながら
「……あれかも」とホルスターに手を当てて
銃の存在を無意識に確認する。
銀髪が店に入る前、ピタリと止まる。
赤髪はグイッと残りのコーヒーを流し込み
「行くかっ」
「やめようぜ!」
席から立ち上がろうとすると
「居たぞ!あいつ等だ!!」
店の奥からの声、銃を手に近付く
タバコの町の紙派だがよく見ると
電子派も行動を共にしている。
赤髪は躊躇なく発砲する!
ーーーー
銀髪は店内の発砲音にパオに戻ろうと
していたが同数台の車が道の駅に突入して来る。
銀髪は小さく舌打ちすると
モーゼル拳銃を抜き出し流れる様にストックを装着してしゃがみ、1呼吸置いて発砲。
先頭を走っていた
白いハイエースの前輪に命中
横倒しになり後続車を止める。
「あれ、紙派と電子派一緒に行動してない?
匂いでだけど」
「……今回の争いの外的要因の捕獲、処分
多分それが彼らの目的」
「俺達関係なくない?」
「彼らには関係ある」
横転した車と
足止めされた後続車からわらわらと出てきた。
「出て来なけれ撃たないのに……」
手や足、武器を狙って無力化を狙う銀髪。
「手持ちの弾がヤバいかも」
「オレ取って来ようか?」
射撃して引っ込む
控桿の開いたモーゼル
クリップに纏められた弾薬を差し込み
弾薬を押し込み控桿を閉じる。
動作が無駄なく流れる 。
「それなら一緒に行って車で離脱する」
「了解、でもいざとなったら言って
貸しが有るんだから最悪突っ込むよ」
「バカ!2度と言うな!」
「覚悟の話し。
このぐらいなら切り抜けれるでしょ?」
「当たり前よ」
しかし、お互い硬直状態ジリ貧状態。
車に走るか?到着までの危険と
車の性能差を考えると分が悪い……けど
「車まで走るよ」
「走るの好き」
「1、2の……」
その時!
横転した車の側面から赤い残光を残す様に
赤いツインテールを靡かせて突入するのが見えた!?
激しい連射音に数発の射撃音。
……しばらくの沈黙。
横転した車の陰から手を振る……
そのままゆっくりと出て来る赤髪ツインテール
遅れてカカポも付いて来る。
赤髪はニヤッと
「昨日の"綺麗なやつ"でしょ?」
「……"雑なやつ"か」
「……」
「……」
「ちょっと寄っていかない?」
「必要ない」
銀髪はすたすたと車へ向かう
ハスキーも赤髪をチラリと見てから
無言で付いて行く。
「感じ悪ぅ!!」
憤慨するカカポ。
パオが道の駅を出て行くのを見送り
ゆっくりとZ2に乗る赤髪
そしてここに来る時と比べゆっくりと走りだす。
「いいじゃん、ああいうの……」
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ゆっくりと走るパオ
銀髪はバックミラーを見て少し動きを止め
「……関係ない」
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後日、道の駅
売店店主
「えっ?灰皿?どっちの……」
「ま、いいか」
灰皿を差し出す。




