なんかきっと、壮大な乙女ゲームな気がしてますが、まずは兄を懐柔します③
「リアム、今日はおチビちゃんがいるのか?」タメ口で話しかけてる、彼が兄の遊び相手兼、未来の従者です。二つ年上のジョシュアは、いつも兄を気にかけて、弟のように世話を焼いているようです。私たちもお披露目パーティーの準備を始める前に顔合わせは済んでますから、私への態度も柔らかい大人の印象です。まあ5歳ですが。
いえ、ホントに屋敷を自由に私が行き来するようになった頃から今日まで、何度か遭遇する機会はあったのですが、兄の見ていないところでは撫でてくれたり、優しい言葉をかけてくれたりしましたし、打算というより、大人が子どもを可愛がる様子でして。それに、お兄様と一緒の時にすれ違い、スルッと兄が通り抜ける時なんかにもちゃんと、こちらに優しい顔つきで目配せをくれたりと私を1人の人として見ていて、印象がとてもいいんですよ。本当に、こちらを気遣う様子があるので大人な5歳なんだなって、そんな男の子ですよ。
「し、仕方ないだろ、ボクと遊びたいって、こいつが。」
「コイツって、自分の妹の名前も言えないのか?」
呆れたようにジョシュアが言うので私も便乗します。「ディーは、ディーだもん。。。」
「う、で、でも、ジュシュだって、おチビって言って名前を呼んでないぞ?!」
「いや、お前が呼んでないのに、俺が呼ぶのはおこがましいだろ?一応、お前の従者だぞ?」
5歳でここまで考えてるって、従者も英才教育ですかね、貴族ってこわっ!むしろ、ゼロからの赤子でなくてよかったって、こんなとこで思うなんて、私の性格も悪いな。リアムがキチンと子どもでよかったよ。
「そ、それなら、ボクも、チビってよぶ!」
「うわ、お前いい性格してるなー、ここは、それならディーって呼ぶよって言ってやるとこだろー?」はぁ、とため息とともに正論パンチをするジョシュア、大人な切り返し。将来正義に溢れるイケメンになりそうですね。
「そ、それでも、ボクはまだ認めてないから、呼ばない!!」ふんって、いやいや、そんなそっぽ向かれたら1歳に満たない子どもの切り返し、わからんですが、泣き脅ししか浮かばないな。
「ふぇ、おにいしゃま、ディーきりゃい?あしょんでくれにゃいにょ??」乳幼児の涙腺ってユルユルなんですかね、すんごい泣き技うまくなってるんですけど、わたし生前でもこんな泣いたことないですが。
うわーんって、泣いてみたら
「わ、わかった、ディー、ボクと遊ぼう?!」
「ほんと??」ぐすっと上目遣いで最後の一押し。
「あ、あぁ、遊ぶ、今からお前がやりたいことなんでもしてやる!」
「まてゃ、お前っていった。。。」
「っっっっっディーが、したいことして、たくさん、遊ぼう!!」
「おー、リアムが大人になったな、立派、立派」カラカラと囃し立てるジョシュア、またお兄さまの機嫌が悪くなるようなこと言わんでくださいよ。。。
「ディーね、このご本をおにいしゃまによんでほしいにょ」
「ディーは、こんなのもまだ読めないのか?」驚いたようなまんまるお目目で見られても、一般的な幼女は読めませんて。
「そうだぞ、お前も1歳児の時なんて、なんにもできてないじゃないか、母上や奥様に読んでもらってたろ??」
「そ、そんな小さな頃なんて覚えてないに決まってるだろ?!」
「それなら、尚更、ディアナ様にも優しくしてあげてもいいじゃないか?お前もそうしてもらったんだろ?」
うっ、と言葉に詰まるリアムに、大人の余裕で諭す5歳児。意外にシュールです。。。
「にいしゃま、ディーのために読んでくれりゅの、うれしい。」
「あ、え、んんんんんんーー。。。こ、これから、ディーが読みたい本はボクがなんでも読んでやる!そのかわり!!お父様とお母様は、僕のお父様とお母様でもあるんだから、独り占めはするなよ?!」
え、乳児に手厳しいお兄様ですね、横でジョシュアがやれやれって首を振ってるじゃないですか。
でもやった、思ったより早く陥落させられてますよね、これ。ちゃんと可愛い妹として目に入れてもらえるようになってるんです。今後はもっと甘えて妹要素で味方にしておかなければ。。。!!(まだ見ぬフラグのために)




