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知ったからには、私も考えたいこの世界のこと。

「リリィ()()()(わたくし)、貴女と一緒に、もっとちゃんと、この国のこと、いえ、この世界のこと、学びたいと思うのだけど、どうかしら??」

「ぅえ?!リリィ‘ちゃん’!??ディ、ディアナ様、それは、いけません!!ディアナ様の品性が問われます!!」ワタワタと、リリィちゃんが、私を嗜めていますが、私はもう、リリィちゃんに遠慮なんかしません。市民、貴族、関係ないです。だって私がリリィちゃんを、大切なあの子に投影するように、リリィちゃんが私を、親友の面影をみるように、2人はとても似ていたから。遠慮なんて、していられません。私もあの子を探します。いつかどこかで会えるなんて、ロマンチックでお花畑みたいな頭をしているだけじゃずっと会えない。自ら動かないと会うことなんて一生できないから。

きっと、私の大切なあの子は、この世界にいる。

実は、何だか確信めいた予感があるんです。懐かしいあの空気の漂う瞬間が、生まれてきた時から感じることがあったから。何処かにいる、予感がするから。会いたい、もう一度ちゃんと話して、あの時のこと、私の気持ちを伝えたい。それから全部、今までを始めたいから、、、


「…ねぇ、リリィちゃん。リリィちゃんが、(わたくし)に大切な人のこと、教えてくれたから、私も貴女に、大切な人のこと、お話ししたいんですが、よろしいかしら??」

「え?ディアナ様の、大切な人??それは、一体どの様な方でしょうか??」首を傾げて私を見るリリィちゃん。不思議そうな顔をしているけど、その目にはちょっぴり好奇心が見えるから。私は私の秘密を、大好きなリリィちゃんにお話しします。

「少し、長くなるかもしれませんが、聞いていただけますか??」

「それは、私が聞いてもよろしい内容なんでしょうか??」ちょっと不安そうなお顔をしていますが、これは、私の自分勝手。私がしたいように、していいからと、お父様は以前言っていた。だから、私はリリィちゃんに、お話ししたい。そう、ルルを見つめる。

「……お嬢様。確かに貴女様のことは、貴女様が伝えたいと思う方に伝えても許されております。ですが、それは貴女様をお守りできる環境にある場合でございます。この様な往来で談笑をなさいますのは、いただけません。」ルルが少し難しそうなお顔をして私を嗜めます。だけど、私のこの気持ちは、もう止めたくないのです。だから、私はルルに‘お願い’をします。

「ルル、私は貴女たちに、私のこと、話したいの。だから、なんとかして欲しいわ。」

「………。お嬢様、私の扱い方をよくご存知でございますね。。。仕方ありません、少々お待ちください。」少しのため息と諦念の表情とともに、ルルは準備に入ってくれました。

「なんだか、申し訳ないのですが、本当に、私が聞いてもいいお話しなんでしょうか??」少し戸惑うリリィちゃんも、キョロキョロとして困り顔が可愛いです。なんて、ちょっと緊張する気持ちを紛らわせつつ、何から話そうかと考えています。



ルルが、お店を抑えてくれました。少し馬車で行ったところ、といいますか、商人街の一等地にある個室のあるお店。リリィちゃんは、恐縮してますが、話が話なので、こちらで強制的に話して欲しいと、ルルがシルヴァン家としてのお願いをリリィちゃんにしました。なんだか申し訳ないですが、やっぱり内容的にはこうなるんですよね。残念ながら、、、


「えっと、まず最初になんですけど、この(わたくし)のいつも着けているネックレス、実は魔道具なんですが、どんな物かお分かりになりますか??」

「??いえ、どの様なものかわかりませんが、大変高価そうだということはわかります。」フルフルと首を横にするリリィちゃん。チャラっと、ネックレスの指輪を外します。

「え?ディアナ様、眼の色がとても、真っ黒??」リリィちゃんの顔がとても驚いた様子になりました。けれど、メインの話はこれではないので。「私、前世の記憶があるんです。ご存知かしら?前世持ちは、眼の色が黒に近いこと。濃い色だと尚のこと、記憶が鮮明にあること。」捲し立てる様に、リリィちゃんに確認します。「え、えぇ。貴族の方に多くいらっしゃると聞いておりますが、私たち市民の中でも、眼の色が黒に近い者はいます。そういった者は、前世の知識で大成する、変わり者が多いですから。」そう言って、驚いたまま彼女は私を見てくれています。

「私、ずっと会いたい人がいるんです。その人が、貴女に似ているんです。」「私にですか?…その人は、どんな方で、今どちらにいらっしゃるんでしょう?」

「前世で、大切だった人です。とても明るくて、元気があって、愛嬌がある。周りを照らしてくれて、笑顔が眩しい優しい子。それでいて芯がしっかりしているから、ブレない強さがある女の子。私は前世で会えなくなったあの子にもう一度、会ってお話ししたいんです。。。」少し昔を思い出して、寂寥を感じてしまいますが、今はリリィちゃんに、私の気持ちを伝えなくては。

「前世で……。その方は、ディアナ様の大切な方だったんですね。だけど()()()大切な方だったというならば、今はもう、会うことが難しいような方、になってしまわれているということでしょうか?……私にお話をするのなら、私に似ているというのなら、私が、その方ではないかと、ディアナ様はお考えなんでしょうか??ただ、ディアナ様が仰る方は聞いているととても素晴らしい方の様で、比べるのも烏滸がましいかもしれませんが……」そう、謙遜する彼女に私は首を振って。「いいえ、確かに貴女に似ているんだけれど、私、リリィちゃんが彼女とは思えなくて。ホントにとても、似ているの。その優しさとか、周りに気配りできるところとか、物怖じしないところだって。けれど、貴女は彼女ではないとわかるんです。どうしてかはわからないんだけど、私の中に、どうしてもあの子に会いたいという気持ちがあって、その気持ちが、貴女とあの子は違うって言ってて。。。たまに感じる懐かしくて優しい空気が流れてくることが、この世界に生まれてからずっとあるの。だから、あの子がこの世界にいる気もしてる。私の近くにいてくれている。そんな気がしているんだけど、どこにいるかわからない。そんなだから私、きっとこの気持ちは私が作り出した妄想だって、ありもしない幻想だって思ってた。だけど私は、リリィちゃんが、私に教えてくれたデイジーさんをひたむきに探す様子に、私はあの子を探してみたくなって。きっと1人で探すには限界があって辛いから、貴女に同盟、組んでほしいって思って、、、そのお誘いを貴女にしたかったの。」

「同盟、ですか??」「ええ、同盟。私、きっと全然この国のこと、いえ、この世界を知らないわ。だから、今まで目を逸らしていたことに目を向けようと思うの。それがきっと、あの子を見つける手がかりだったのよ。だけど私、心細いから。貴女に一緒に、探してほしくて。この世界を学ぶことを。デイジーさんに似た私と、あの子に似た貴女。烏滸がましいかもしれないけど、きっと私たち似たもの同士だったんだわ。だから私、貴女に惹かれたの。貴女は私にも似ていたから、私は貴女が気になった。ねえ、貴女も、同じ理由で私によくしてくれたんじゃないかしら?」そう言ってリリィちゃんの目を見つめます。

「……。きっと、気づいてないところで、私もそうだったんでしょう。きっと、私たちは、身分は違っていても、同じことを思って生きていたんでしょう。だから、惹かれてしまった、慰めあってしまったんでしょう。それならば、私もディアナ様の提案に乗りましょう。一緒に、この国を知り、この世界を理解して、私たちの大切を探し出しましょう??」そうやって、リリィちゃんは、私を見つめ返してくれました。

「ディアナ様、一つだけ聞いてもいいですか??」

「何かしら?」「貴女の大切な方の名前。私、知りたいです。私の大切な人の名前、貴女様は存じ上げていると思います。なので、私も、教えていただけませんか??」「……。ええ、いいわ。教えるわ。」チラッとルルをみて。「ねぇ、ルルこれは、お父様やお母様、もちろん、お兄様たちにも内緒よ。絶対に、私たち3人だけの秘密よ。」下を向いて側にちゃんと控えていたルル。忠実な従者として侍る彼女に対して、あまりにも嫌な命令口調なのに。彼女、「お嬢様の望むままに。。。」そういって、少し優しくこちらを見返しながら彼女が言ってくれたから。「リリィちゃん、リリィちゃんも、他言無用のお話しにしてね?」「えぇ、他の誰にも言いません。」だから私は、久しぶりに、あの子の名前を声に出して、2人に伝えた。

「あの子の名前は、日向朝陽(ひゅうがあさひ)。私の、大切な仕事場の後輩だったの。とても、名前みたいに、明るくて元気な子だった。」

「ヒュウガアサヒ?どう言った意味になるんでしょうか??」「ああ、ごめんなさい。わからないわよね。名前の意味。日向のようで、朝日のように明るい元気な女の子よ。」そう、あの子を久方ぶりにちゃんと思い出して。ちゃんと、人に伝えられた。ああ、よかった。私の中にまだあの子がちゃんといた。あの子は、私の妄想の産物なんてことはない、そう、思い出すことができた、、、

「とても、私のようとは思えませんが、ディアナ様の中で私の評価が、とても高いことだけは良くわかりました。」そう言いながら、ちょっと頬を染める彼女が可愛かった。だけどきっとそれは、久しぶりにちゃんと、リリィちゃんを、リリィちゃんとして、見ることが出来たからなんだろうと思う。これから、リリィちゃんと私は、世界を知るために学んでいく。

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