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とある転生者の慟哭

どうして?貴女は、もういない。

なぜ?私は、貴女を、求めていたのに。貴女は、私を必要となんかしていなかった?

いえ、そんなはずない。貴女が私を見る時、私も貴女を見ていたから。気づいてた。本当は。

貴女が、私を求めていたことに。だけど、気づかないフリをした。全ての間違いの始まりだった。

だって、だって、こんなことになんか、なるなんて思ってない。

どうして?


どうして、貴女は死んでしまったの??私を残して、逝ってしまった、、、



わかっていた、貴女のことを。貴女を求めたのは、私だったから。だけど貴女は、私を強く欲してなんていなかった。ただ私を見ていただけだった。私に声を掛けるなんて、してくれなかった。いつも、始まりは私からだった。それでも、貴女は事あるごとに私が欲しい言葉をくれた。だから、何度も期待した。次こそは、貴女が強く私を求めてくれると、そう期待していたのに。貴女は、いつも一歩引いて、私を遠くから見ていた。どうして?私はこんなに求めているのに。貴女は求めてくれないの??そんなこと、許さない。許せない。

わかっていた。カマをかけても、自分から動かなければ、何も動かないことなんて。だけど私はズルいから、貴女の言葉を、貴女の声で、貴女のその、腕の中で聞きたくて。私からは駆け引きばかり仕掛けてた。


だけどそんなことが、苦しくて、終わりにしたくて、私はまた、最後に大きなカマをかけてしまった。

その頃、私に声を掛ける同僚がいたから。彼をダシに使った。付き合わないか、私貴方を見たことなんてなかったのに、何を勘違いしたのかしらって思ったけど。丁度いい、貴女を困らせるのに使えるなんて考えて。盗られてほしくない、そう貴女が言ってくれることを期待していたのに……

貴女は、「おめでとう。」そう、私に弱々しく微笑んだから、私には、ただ後悔しか残らなかった。そんなカマ、かけるんじゃなかった。しなければ、良かった。




けれど、外れた車輪は、回り続けるしかなくて。私たち、その日を境に、本当にただの職場の同僚にまで落ちてしまった…もう戻らない、一緒に過ごした時間。プライベートにも、口を出すことが出来なくて。貴女の時間(とき)がわからなくなって。

戻せない歯車に絶望が押し寄せる。けれど、私の蒔いた種は芽吹く他なくて、とうとう、指輪を渡された。

違う、貴方の指輪が欲しかったんじゃない、なんて言えることは出来ない。私がしでかした過ちは、私が償わなければいけないから。




披露宴は、豪華にした。最後だから、貴女に会える最後の私が幸せな顔をしている、そう、思って欲しくて。私は貴女にも声を掛けた。「幸せになって。」そう言って、出席をしてくれた。ああ、貴女の言葉にこんな傷つく日がくるとは思っていなかった。苦しい、苦しい、どうしようもなく、悲しい。。。


自分のしでかしたことが、こんなに、自分を苦しめるなんて。もう、この場を去ってしまいたい。そう思ったけれど、私は奮い立たせた気持ちで、貴女に最後の微笑みを渡して。「これからは、彼に幸せにしてもらいます。」そう返した。




これからは、親しい同僚でしかいられない貴女(ひと)だから、苦しくても、今までどおり話さなくちゃ。ううん、むしろ、これからも貴女と一緒に働くことはできる、そう思い込もうとしていたのに。

どうして、私の披露宴の帰り道になんかに、死んでしまうの??本当は、私を最後まで苦しめるためについた嘘なんかじゃないか、なんて疑って。だけど、本当に、事故だったって、知ったから、疑った自分が恥ずかしくて、悔しくて、、、最期に貴女を信じられなかったことが、申し訳なくて、謝りたいとどれほど願ったか。どれほど、ちゃんと話してさえいれば、なんて後悔したか。

けれど彼は、傷心する私をずっと気遣ってくれた、優しい人。だから、こんな気持ちで想うことは酷いことだと言い聞かせて、彼を見ることに努めた。



そんな私は、優しい彼に見送られて天寿を全うできたから、貴方を最期は愛せていたから、許して欲しいと、心で思っていたのに。彼、「知っていたよ。それでも、僕は、君が必要だったから、君を、手に入れるために、ズルをした、、、」そう、彼は懺悔した。貴女に牽制を仕掛けていた、彼の強かさに驚いたけど、私は笑ってしまった。「私たち、似たもの同士ね。2人とも、あの人に、カマをかけて、翻弄してた。」最期に、笑った顔ができたけれど、次があれば絶対に、愛しい彼女を、本音で愛すると、誓って。彼には「次は私絶対に、彼女の元で、彼女に本音でぶつかるから。貴方のことには目もくれないから。」って伝えていた。「あぁ、もちろん、僕は満足できたから、君の邪魔はしないよ。」そう彼は、その深い皺を更に深めて優しそうに笑っていた。







目を瞑って、ああこれで、全てが終わる、全てを、終わらせられる、あの人の元に、逝くことができる、なんて、少しでも、思っていたのに、、、、、、!!!

なぜ!どうして!!転生なんてしてしまうの!絶望したわ!だって私、彼女にまだ逢えないのよ!!彼女がいない異世界になんて転生する必要があるの?!私の過ちはそんなに業が深いのか!??逢わせて!!!次は、絶対に間違わないから、あの人に、愛しい、()()あの人に逢わせて!!そう生まれたその時から、苦しみに暮れていた。

家族も皆んな、私がどうしてこんなに泣いているのか、理解はしてくれなかったけれど、慈しんでくれた。それは、この世界の利点かもしれない。転生者が、黒い目を持つことは、周知の事実だから、過去に囚われる転生者。そう、周りが憐んでくれた。過去は変えられなくとも、受け入れることは出来るから、根気よく、私に声を掛けて慈しんで。そう、お節介な周りの家族に支えられて。だから、少しは前を向いて、この生を全うできたら、次は彼女に逢えるのだろう、そう切り替えたのに。



けれど貴女が、()()にいた。私が気づかないはずはない。貴女が、そこにいて私を見てくれた。気づいてくれた、嬉しかった。私を見て微笑んでくれた。私を、()()()()()()。ああ、これから私と一緒にまた過ごしてくれる、そう喜んだけれど。貴女は私に気づかない。気付けない。だって、仕方ない、私は、貴女にとって、トラウマでしかないのだから。私に気づくことなんてない。そう、わかっている。だけど、私は貴女に気づいた。

だから、私は全てを掛けて貴女を守るから、私が今度は幸せにするから。絶対、次は間違えない。貴女を、見捨てたりなんてしない。貴女を、愛しているから。だから、どうか、その瞳に、私を映して。私に、気付いて、、、!!!!

私からは、貴女に触れられない、貴女から気づいてもらえないなら、私は貴女の隣にいることすら叶わない、苦しい、悔しい。何故こうも、私はジレンマに晒される??私の業はこうも深いのだというのだろうか……




ああ、辛い、辛い、悔しい!!!私に貴女へ、触れる許可を、ください………!!!!

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