もっとキチンと話していれば変わっていたかもしれません
闇雲に席を外してきたけれど、日頃のいる場所を知らない私。リリィさんの普段の居場所を考えたこともなくて。どこにいるのか、見当もつかない。こんな自分がもっと嫌で、どうしていいかもわからない。。。
何故私は何も見ない様にしてしまったのか、、、
こんなに、彼女と話してみたいと思っていたのに、興味があるのは、彼女自身ではなかったのではないかと突きつけられたみたいで、苦しい。
わかってた、私が見ていたのは彼女のその向こうにいる、あの子の幻想。また会いたいと、願って夢見た、あの子の幻影。
知っていた、彼女があの子でなんてないことは。それでも、私は彼女の先に、あの子を見てしまったから。
どうしても、クルクル変わるその表情が、あの子を思い出させるから。日向みたいな眩しい笑顔が、その仕草の温かさが、どうしてもあの子に似ていて。彼女に会うその度、思い出させて、、、
周りの人間には流されない芯があって、真っ直ぐな彼女。そんな彼女に、私を知ってほしくて。私に気付いてほしくて、、、彼女に、固執をしてしまった。彼女の現状を考えないで、彼女なら受け止めてくれる、あの子に似た彼女なら、許してくれる。そう、勝手に思い込んで、その先のあの子を求めた。
だけど全ては間違っていた。そんなことは、理解していたけれど、心が、そう、私の心が見ないように拒絶した。
許されるなんて思ってなんかいないけど、どうしても、今の気持ちを伝えたい。
出来ることなら、初めからやり直せたら。そんな、卑怯な気持ちを抱えて彼女を探している。そんな私なんかに、彼女の居場所は見つけられない。わかっている、私にはもうどうしようもないことだって…
それでも会って話したいから、私は探しているんだ。彼女のいそうなテラスにだって来てみたのに、ここにはいなくて。どうしようもない、焦燥が私を襲う…
「……お嬢様。」
「っ!…なあに?」ハッとした。グルグル考えながら探していたのに、いつもの様に、ルルが、側にいてくれていた。こんなことも、忘れていたなんて、、、
「お嬢様は、この後、どうされたいですか??」
「……キチンと、リリィさんと会って、今までのこと、ちゃんとお話したいわ。だけど、彼女の居場所が見つけられなくて、、、どうしたらいいか、わからないの…」ふっ、とルルの顔が和らいで。
「今、お嬢様とご一緒している私は、貴女様の忠実な従者を自負しているのですが、私では、お嬢様の願いを叶えられませんか?」
「だけど、これは私の責任で、私の撒いた種だわ。だから、ルルに迷惑はかけられないわ、、、」そう、ルルを拒んだのに、この子はいつも、私を第一に考えてくれていて。
「いいえ、お嬢様の撒いた種で、その責任をとるというならば、私もご一緒しなければなりません。なぜなら私は、貴女様の忠実な従者なのですから。」ニコリと、私を心配させないように笑うルル。私は、グルグルする頭の中で、やはりどうしようもないな、なんて考えて。こんなに私を見てくれている人がいるのに、勝手にただの1人に固執して、周りをかき乱して。それなのに、人の優しさにつけ込むしか、無力な私にはできなくて、甘えてしまう。
「…………。…っルルに教えて欲しい。リリィさんが、どちらにいるか、わかるかしら??」
「……少し、お待ちいただけますか?」いつもするように、ルルに【お願い】をして。そして、私の望む未来を叶えるためのお手伝いをお願いして、ルルを頼ったの。
「お待たせいたしました、お嬢様。あちらに向かいましょう。」どこかへ向かったかと思ったルルが、数刻もしないうちに戻ってきて、私の願いを叶えてくれた。本当に、いつも感謝しかできない。
「本当に、いつもありがとう。私の我が儘を聞いてくれて、願いを叶えてくれて。」そうルルに、口にしたけれど、、、
「お嬢様、私は貴女の従者です。貴女の望むことが私の願い。ですので、私にお礼をしてはなりません。それに、私も1人ではなかったので。。。」少し、嫌そうに顔を顰める様な仕草をしていたけれど、直ぐにそれは消えて、私に優しく微笑んでくれたルル。優しいこの子に、自分の情けなさに申し訳ない気持ちになった。「お嬢様、今度ジョシュアに会った時に声を掛けてあげてください。きっと喜びますので。」「え、ええ、わかったわ。」そう、返したけれど、ここでジョシュアが出てくることもわからなかったし、最近はジョシュアはお兄様が学園だと王都の別宅で色んな仕事の手伝いをしていると聞いている。だから、どうしてここで彼の名前が出るのかしら?
ルルに連れられたこの場所は、学園の奥に位置する庭園があるところで。あまり人も訪れない様なところだったと記憶している。ここに、彼女がいるのかしら?そう、疑問に思ったけれど、ルルは間違わないと知っているから、間違いなくいるのでしょう。そこにいる彼女に、早く言葉を伝えたくて。。。




