衝撃的です、そんな事実まであるなんて①
放課後、テラス席に私たちの話すスペースをルルに確保してもらって、お願いしていた軽食とお茶が準備されていました。午前中ではありますが、当日にお願いしていたにも関わらず、ルルはいつもながらに、有能な従者ですね。テキパキと準備をしてくれて、本当に頼れる子です。いつも助けてくれるので大変感謝しています。なのでルルには優しく微笑んで、目線で訴えておきました。【ありがとう】という気持ち付きで。ルルは私の感謝に何だか遠慮してか少し目が泳いでいましたが、まぁ、照れ屋なので仕方ないですね。本当に良い子だと思います。ふぅ。
「でぃ、ディアナ様…??このお席、いつも高い爵位の方々が集まって利用している場所ではないですか??私なんかが利用してもよろしいんでしょうか…?」なんて、全身でソワソワと体現するリリィちゃん。反応がなんだか、初めて高級レストランに恋人と行って、周りを見渡し落ち着きのなくなっている彼女みたいです。いえ、私もそんな経験はないんですけど、何だかそんな反応にみえたところです。
「リリィさん、大変残念なことに私が公爵位の令嬢であるうちは、こちらの席を利用しなければならない仕来たりがあるんです。ですのでご一緒するリリィさんも必然的にこちらの場所で私と過ごすことになるの。気が張ってしまうでしょうが、なんとかご容赦くださいな。」
「そ、そんな!ディアナ様にはいつも良くしていただいてるのに、謝罪なんて、必要ありません!!こちらこそ、余計なことをお聞きしてごめんなさい!!」いつものように、テーブルに向かいガバリと頭を下げるリリィちゃん。いつも通り、すごく愛らしい反応です。可愛いすぎて、表情に出ないか心配ですね。ルルが不審者を見るように顔をしかめてますよ。怪しいものではないんです、ごめんなさい、ルル。。。
だけど少しは現実逃避をしても許されると思います。
リリィちゃんと利用するこのテラス席は、使いたければ誰でも利用でき、交流を生徒間で図れるよう、簡易的にお茶会をするのによく使われています。
ですが、これにはちょっとした‘しきたり’と言いますか、使用方法に暗黙のルールがあったりします。まぁ、本来は誰でもといいますが、貴族のための学園なので、その学園側も特に口を出せない状態だったりするだけなんですけど。仮に学園側が、嗜めでもなんてしたら、全ての貴族の親世代が攻めてきちゃうでしょうね。なんて理不尽、、、
まずテラス席なんですが、併設カフェがあるにも関わらず、この席を設けているのは名目上、どうしても併設のカフェだけだと、放課後に交流をしたい大勢の貴族の子息たちが収容しきれないという事情を加味している、というのがあります。ですがそれだけでなく、どちらかと言えば、その爵位が持つ力を誇示したい貴族たちのその子息の、将来の練習用といいますか、小さな勢力攻勢の実践場所、その対応を学ぶ場所として機能させる目的に設置されているものでもあります。
要は、腹の探り合いの練習に生徒間が交流する場所ですね。まぁ、直接大っぴらにそんな目的なんて言ったら、それこそ内戦勃発ですからね。オブラートに包まれていますよ。ですので学園側は開かれた場所としてこの席を設置したとあり、テラス席は誰でも利用できる場所と謳ってはいますが、この誰でもとは、利用する貴族の爵位によって、そのテラス席の確保できる場所も決まってしまうんです。
そして私は出来るだけ目立ちたくない勢には間違いないんですが、カフェではなく使う場所がこのテラス席だと、私は公爵位の子息になってしまうので、特等席。そう、1番良い景色の見える東屋のあるテラス席を利用することになっちゃいます。小心者にはキツイので、日頃はこのテラス席を利用しないようにしてカフェで寛ぐか、お兄様たちとお話をするのにジュリアン様が利用する時の添え物か、でしか使っていないんです。
だけどリリィちゃんに折角テラス席を、と誘われたので、私、張り切ってルルにお願いしましたよ、えぇ、お願いっっっと、手を組んで目を見て頼みました。なんとか、目立たず、上手く隠れる席を、と。結果はこの様。ルルも流石に眉をハの字にして「お嬢様、貴女様は公爵令嬢です。そんな半端な場所は利用できません。キチンとその爵位にあった行動でお示しください。」と説教くらって終わりました。残念です。ただの怒られ損で、こんな目立つ席に案内されちゃいました。リリィちゃんの気持ち、全力で本当は肯定してますよ、心の中で。
助けて。どうやって目立たず話せるの…
少し、表現を変えました。




