ある転生者の憧憬
「あの子に会える」
そんな予感を胸に抱いて、貴女に会いたくて。ずっと、ずっと、ずっとずっと、待っていた。
そのために何だってした。貴女が、幸せになるために、そんな時間を送ってほしくて。何だって変えた。
だって、貴女の人生は、私の希望だったから。絶対に、貴女を傷つけたりする全てを、排除したかった。本当に、会えるその瞬間に夢を見て。そしてとうとう、貴女が連れてきた風は柔らかで、私を包み込んだ。
あぁ、生きていてよかった、出会えたその奇跡。もう、この時間が全てにおいて愛おしい。
だけど、知ってしまった。あの子は、生まれ変わっている。何故?どうして??
この瞬間のために準備した全て、なくなってしまうの?そんなこと、許さないし、許せない。
あの子のその表情は私の特権。だけど、それは私だけのものではない。それで、良いはずだった。何も、問題はないはずだった。
私の行いは全て自己満足だったから。その恩恵を欠片でも見られれば満足だった。
仕方ない、それでもあの子は1人の人間。あの子は美しく、優しく育っている。ああ、よかった。生まれ変わることが、間違いでもなかった。あの子の本質は、そんなことでは揺らがなかった。安堵した。
ああ、そう。そうだった。そうなるように、手を出した。私が采配をもたらした。それは、必然として、世に放たれた。それは、偶然であったのかもしれない。けれども必然に覆されて、誰も彼もに波紋を広げた。
これから進む道を、私はどこまで見届けるのか。見届けることが、できるのか。それは、神のみぞ知ること。
ああ、本当に、もっと、もっと、貴女に全てを与えてしまいたい。貴女を守る盾にだって、なってしまいたい。愛しい貴女に、全てを与えて。憧れを、この憧憬を、この身全てで伝えたい。




