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7 団長視点―1

 俺の名前はエルネスト·ラモサ。

 魔物討伐の功績によって騎士爵を賜った。

その後第3騎士団団長に任命される際、他の騎士団長との兼ね合いから伯爵位に陞爵した。



 王宮での会議が終わり、騎士団棟に向かう途中目映い光が泉の方で放たれていた。

 何がおきているのか、慌ててその光の方に向かう。


 泉の周りにはすでに大勢の人が集まっている。光の中から現れたのは見たことも無い服を着た4人。


 泉から現れたと言うことはあの中に精霊の愛し子がいるのか…愛し子で無くても精霊の加護を与えられているかもしれない。


 あの泉は水の精霊、ウンディーネを祀ってある。


 その昔、大地が干上がり作物が育たず国が危機に陥った事があったそうだ。その時ウンディーネと愛し子が現れ、王国中に雨を降らせ豊かな水源が確保出来たと言われている。

 この国は精霊信仰が盛んだったが最近では精霊が見える人間もほとんど居なくなり、精霊を信じる人間も少なくなってきている。

 森を開拓し街をつくり自然が減る。精霊を敬う気持ちを無くしてしまったのだから精霊が見えなくなって当然か。


 俺もまあ、信じていない部類だな。


 精霊の加護があれば、どの精霊に加護を与えられているかにもよるだろうが、土壌を豊かにしたり、水を浄化したり、解毒なんかもできると言われている。


 そんな泉から現れた4人だ。この国ではここ何年か農地は不作続きだ。王族が放っておく訳がない。


 たとえ愛し子ではなくても加護が与えられていれば、愛し子より力は弱いだろうが何かしら国の為に力を使わせる事ができるのだから。



 第1王子は4人の中で気に入った子がいたようだ。その子が愛し子であってほしい願望がバレバレだ。愛し子なら第二妃として側に置いておくこともできるだろう。


 ミキという少女は自分は誰からも好かれるから精霊からも好かれるって自信たっぷりに自分が愛し子だと言い切ったぞ。


 スゲーな。


 だけど、そのあとはどーなんだ?

 髪の短い男の子のような子を貶めるような事ばかり言っている。それが真実なのかは知らないが俺は聞いててあまり気持ち良くはねーな。


 自分達は早々に王宮と言う居場所を確保したが、第1王子が4人一緒にとおっしゃったにも関わらず拒否したしな。


 3人は姫の扱いで王宮に向かうのに、存在すら無視するように行ってしまった。

 見知らぬ土地でいくら嫌いでも1人で置いて行ってしまうって酷くないか?


 周りの見物人も王子が3人を連れて行くと、皆そそくさとこの場から離れていく。

 さすがにこんな所に1人で残しておく訳にはいかないだろう。


 泉から現れた1人だ。陛下に指示を仰ごう。


 離れようとしている騎士を捕まえ陛下に言付けを頼む。


 さすがに第1王子とは違い陛下ならそのまま放り出したりはしないはずだ。


 最低でも職を与えるなり、何ヵ月か生活できるくらいの金を渡すくらいはしてほしいものだ。



 残された少女は目を隠しているから感情は読めないが、ウンディーネの像を見上げてボーっとしているようだ。


 置いていかれたのも気付いてないんじゃないか?


 とりあえず、騎士団に連れて行き部屋で待っていてもらおう。




急いで陛下の元に向かわなくては。








団長視点続きます。

お読みいただきありがとうございます。

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