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ハリガネベイスボウラーズファイブ!  作者: 椎家 友妻
第七話 決戦!劉庵寺!後半戦
88/100

11 相思相愛のウインク

するとそれをくみ取った様子の碇は、

頷く代わりにウインクをする。

これは碇の、

『僕と昌也君は相思相愛で通じ合っているから、

どんなサインでも分かりあえるよ♡』

という意志表示なのやけど、そこまで碇と通じ合いたくない俺は、

ウインクしたあいつの目ん玉をえぐり取ったろうかと、

何度思ったか数えきれない。

それはともかく、さっきと同じワンボールツーストライクというカウントから、

第五球目を碇が投げた!

俺の要求通り、ボール半個分ボールゾーン寄りのストレート!

この辺の繊細なコントロールは、こいつの物凄い剛速球以上に価値のある能力や。

そしてそれが俺のミットにズゴォン!

と物凄い音を立てて突き刺さった!

 「ボォール!」

 判定はボール。

勢いでストライクを取ってくれてもええような微妙なコースやったけど、

この辺りは今日の主審のおっちゃんはキッチリ判定するみたいや。

そして珍念はこれをしっかり見極めて見逃した。

流石に劉庵寺のトップバッターを務めるだけあって、

相当の選球眼の良さを持っている。

前の三打席で凡退しているとはいえ、

そう簡単には打ち取らせてはくれへんようや。

それなら次に要求するのは低目のカーブ。

この二球で碇の剛速球が目と体に染みついているやろうから、

カーブで完全にタイミングを外せるやろう。

碇もそのサインにウインクをし(普通に頷け!)、

第六球目のカーブを、投げた!

 俺の予想通り、珍念はストレートのタイミングでバットを始動させた!

が、カーブと分かり、左足を踏み込んでからバットを咄嗟に止めた!

そして上半身を完全に崩されながもタメ(・・)を作り、

バットの先をボールの上っ面に当てた!

 コツン。

 何ちゅうバットコントロールや!

完全にタイミングを外して体勢を崩したのに、

それでもバットをボールに当ておった!

けど、その打球はボテボテのサードゴロ!

が、ボテボテ過ぎてサードの山下先輩が追い付かない!

その間に俊足の珍念はあっという間に一塁ベースを駆け抜け、

サードへの内安打となった!

 完全に打ち取ったものの、結果的にサードへの内安打になってしもうた。

これはこの回を無得点で切り抜けるのは、相当骨が折れそうやで。



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