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ハリガネベイスボウラーズファイブ!  作者: 椎家 友妻
第七話 決戦!劉庵寺!後半戦
87/100

10 勝負の九回

そして八回表。

ここでも碇は劉庵寺の打者を何と三者三振に仕留め、

打者一巡を全て三振に切って取るという圧巻のピッチングを見せた。

しかしその裏の張高の攻撃も難出家念の前に三者凡退に抑えられ、

(この回で難出家念がピッカリ投法を使う事はなかった)

勝負は九回の攻防を残すのみとなった。

スコアは三対三の同点。

九回表の劉庵寺の最後の攻撃。

ここで右の打席に現れたのは、一番バッターのサード(ちん)(ねん)

チーム一の出塁率と俊足を誇る珍念やけど、

この試合では三打席いずれも凡退(そのうちの二打席は三振)で、

いい所を全く出せていない。

でもそれだけに、この打席では何とかしたろうと心の中で闘志を燃やしているやろう。

ノーアウトでこのバッターを塁に出すとホンマに厄介や。

ここは何としてでも抑えるで。

 それは碇も重々分かっているようで、コーナーを丁寧に突くピッチングで、

珍念をワンボールツーストライクと、あっという間に追い込んだ。

次に要求するのは外ギリギリボールになるかならないかのストレート。

さっきの打席でもこれで三振に仕留めているので、

これで打ち取れたらヨシ。

ファールにされるかボールになれば、次はカーブでタイミングを外す。

 そんな中碇は小柄な体格で大きく振りかぶり、

独特のゆったりしたフォームから、

空気の壁を何枚も突き破るようなストレートを投げ込んだ!

が、同じ球ではやられないとばかりに、

さっきよりもバットを短く持った珍念は、

コンパクトなスイングでそのストレートをファールにした。

何とかギリギリ当てたという感じやけど、見逃せば恐らくストライクやった。

それを見極めて咄嗟にファールで逃げたのやろうか?

とりあえず、ここはもう一球同じ球を続けてみるか。

できればもうボール半個分ボールゾーンに外すイメージで。

なので俺はストレートのサインを出し、

気持ちミットをボールゾーンに動かして、その意図を碇に伝えた。


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