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ハリガネベイスボウラーズファイブ!  作者: 椎家 友妻
第七話 決戦!劉庵寺!後半戦
79/100

2 今回はチャンスメイク

さて、それは今はさて置き、七回裏の張高の攻撃が始まった。

先頭バッターは、八番!キャッチャー!俺!

試合の大きな山場のラッキーセブン。

相手投手の難出家念も、球数が百球を越えてしんどい所やろう。

ここで勝ち越しの口火をなる一発を打って、何とかチャンスを作るで!

 「昌也君!かっとばせ!」

 背後から伊予美の声援が響き、それを背中で受け止めた俺は、

 「うぉおっしゃぁああああっ!」

 と雄叫びを上げ、ねじ切れるかというくらい、

バットのグリップを両手で強く握り締めた。

伊予美が応援してくれると、腹の底からいくらでも力が湧いて来る。

この声援に応える為に、俺は千田先輩や伝念、

そして碇にも負けへん一発をかっ飛ばしたるで!

 「お願いしやっす!」

 気合全開で右の打席に入る俺。

そしてバットを構え、マウンド上の難出家念を睨みつける。

難出家念は七回まで一人で投げ続けているにも関わらず、

疲れた素振りも見せず、至って落ち着いているように見えた。

流石は奈良の名門劉庵寺のエースという所やろうが、

そうやって落ち着いていられるのもここまでや。

 そんな中難出家念が投球モーションに入る。

この試合で最初に対戦するバッターの俺に、どう攻めてくるか。

まず第一球は、外角低めへのストレート。

俺はそれにバットを出し、一塁線へのファールとなった。

碇ほどのスピードはないものの、手元での伸びはなかなかある。

それに前半にベンチで見ていたより、球のキレが増しているように感じる。

このピッチャーは回が進むごとに、

尻上がりに調子を上げてくるタイプなのかもしれん。

そんな中次に投げ込んで来たのは外へのスライダー。

これは外れてボール。

打ち気にはやって引っかけてくれたら儲けモンという誘い球やろう。

さて、俺が劉庵寺のキャッチャーなら、決め球には縦割れのカーブを選択する。

その為にどこかで一球高めにストレートを投げさせて、

バッターの目線を上げさせる。

そしてその後に低目にカーブを落として空振りか内野ゴロに仕留める。

同点で迎えた七回で、相手も先頭バッターは絶対に塁に出したくはないやろうから、

気を抜いた一球は期待でけへん。

なので俺の得意な高めのストレートに的をしぼってそれを叩く!

そして次の第三球目、難出家念が投げたのは高めのストレートやった。

見逃せばボールという高さやったけど、俺はその球を思いっきり振り抜いた!

 カッキィン!

 小気味のいい打球音が響き渡り、

俺の放った打球はショートの頭を越えて左中間を抜けた!

俺は一塁を回り、余裕を持って二塁に到達・・・・・・と思いきや、

センターの()()(ねん)が素早く打球に追い付き、

それを中継に入ったショートの()()(ねん)に送球。

そこから間髪入れずにセカンドベースカバーの(もう)観念(かんねん)に送る!

俺は全速力で二塁ベース目指して走り、必死にヘッドスライディング!

それとほぼ同時に毛観念がボールを受けて俺の腕にタッチ!

判定は⁉

 「セェーフッ!」

 あっぶなぁっ⁉

左中間を割って悠々のツーベースヒットかと思いきや、

目を見張る中継プレイで危うくアウトになる所やったで。

流石は守備の堅い劉庵寺。

そう簡単にはチャンスを作らせてくれへん。

そやけど、これでノーアウトランナー二塁のチャンスを作ったで。

ここで一気に畳みかけて、試合を決めるんや!



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