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4 強い!張高野球部!
そして勝負球となるであろう第五球目。
岩佐先輩の投げたボールはまたもやインコース。
それを毛観念はバットの根元で打ち上げ、
ショートのキャプテンが難なくキャッチ。
平凡なショートフライで三者凡退に切って取る事ができた。
「よっしゃぁっ!」
「岩佐ナイスピッチ!」
そう言いながら千田先輩やキャプテンが、
岩佐先輩の頭をバシバシ叩きながらベンチに戻って来る。
岩佐先輩も「痛ぇよ!やめろ!」
と言いながらも、顔はちょっと嬉しそうや。
あの劉庵寺を相手に立ちあがりを三者凡退に抑える事ができて、
大きな手ごたえを感じているのやろう。
そんな岩佐先輩達をベンチ前で遠川監督が出迎え、凛とした表情で口を開いた。
「よし!いい立ち上がりだ!
この勢いで次は相手にどでかい先制パンチをくらわせてやれ!
いいかお前達、これだけは肝に銘じておけよ」
遠川監督のその言葉に、張高ナインが息を飲んで次の言葉に耳を澄ます。
そんな中遠川監督は、俺達の心の臓を拳でブチ抜くような声を張り上げた。
「お前達は、強い!」
「いょっしゃぁあああっ!」
その言葉に俺達のボルテージは、一気に爆発した!




