7 ここで伊予美登場
一体今度は誰やねん?
と思っていると、そこに現れたのは、今度こそ伊予美やった。
やっとこさ来てくれた。
俺のホンマのホンマに好きな人。
心の底から愛する人。
伊予美は風呂上がりの浴衣姿で、
ふんわりとシャンプーのいい香りを漂わせている。
これやこれ!
俺はこれを待っとったんや!
・・・・・・でも、このタイミングで伊予美が現れたのは、
もはや悲劇と言っても過言ではなかった。
何故なら今俺は、碇と宗太に自分の浴衣をはだけさせられ、
そのまま布団に押し倒され、そこを伊予美に見られてしまったのやから。
そして伊予美はそんな俺を、
まるで虫が湧いた七味唐辛子を見るような目で睨みながらこう言った。
「昌也君って、やっぱり男同士でそう(・・)いう(・・)事をするのが好きな人やったんやね。
ウチに結婚を申し込んだのも、そういう趣味をカモフラージュする為やったんや」
「ちゃうちゃうちゃう!ちゃうねん!
これは、ちゃうねん!碇と宗太が強引に俺を押し倒して・・・・・」
「男の子に強引に押し倒されるプレイが、昌也君は好きなんやね」
「だからそうやないねん!」
俺がいくら必死に訴えても、伊予美は聞き入れてくれる様子がない。
そんな中碇と宗太は自分たちも浴衣を脱いで上半身をはだけさせ、
俺に抱きついて来た!
ぐぉおおっ!
裸体で絡み合う男三人!
アカンアカンアカン!
これはどう考えてもアカンやろ!
しかもそれを伊予美に見られてるなんてもっとアカン!
俺は助けを求めるべく、必死に伊予美に右手を伸ばした!
が、伊予美はそんな俺に無情に背を向け、至極冷たい口調でこう言い放つ。
「サヨウナラ、昌也君。
ウチ、複数の男の子に強引に押し倒されるプレイが好きな人とは、
一緒に居られへんわ。
だから今回の結婚は、無かった事にさせてもらうね」
「そ、そんな!これは大きな誤解やねん!
俺が好きなのは、伊予美ちゃんただ一人なんやから!」
俺は右手を伸ばしながら必死のパッチで訴えたが、
伊予美はそんな俺の言葉に耳を貸す様子もなく、
そのまま背を向けて遠ざかっていく。
あぁーっ!
せっかく伊予美と結婚する事ができたのに、
何でこんな事になってしもうたんやぁああああっ!
そんな中、碇と宗太が目をつむり、唇を尖らせて俺に迫って来る。
「ぎゃああああああっ!ヤメロお前ら!
それ以上俺に近づくなぁああああっ!」
俺は気が狂ったようにそう叫んだが、
碇と宗太は構わず俺に唇を近づけて来る!
そして二人の唇が俺の顔に触れようとしたその瞬間。
「ぎょゎあああああっ!」
という声とともに、俺は(・)目を(・)覚ました(・・・・)。
つまりさっきまでのアレは、夢やったのや。
もうそろそろ、この始まり方ヤメてもらわれへんかなぁ・・・・・・。
そう思いながらげんなりしていると、窓の外から、
「昌也くーん!迎えに来たよーっ!」
という、碇の元気のいい声が聞こえて来た。
まあ、伊予美と結婚できたのが夢でちょっとガッカリしたけど、
張高野球部のマネージャーになってくれたし、
ホンマの闘いはこれからや。
よぉしやるでぇっ!