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ハリガネベイスボウラーズファイブ!  作者: 椎家 友妻
第五話 決戦!劉庵寺!前半戦
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2 劉庵寺はお坊さんの学校

まず右の打席に入ったバッターは、劉庵寺のサード、(ちん)(ねん)

劉庵寺高校は、その名の通り劉庵寺というお寺が運営する仏教系の高校で、

野球部員も全員丸刈りではなく、お坊さんのように()剃り(・・)にしている。

なのでバッターボックスに入った珍念も、頭をピカピカに丸剃りにしており、

その上からヘルメットをかぶっている。

その光り加減がヘルメットをかぶっていてもいなくてもあんまり変わらないので、

俺は思わず隣に立つ遠川監督に、冗談めかして言った。

 「あれ、パッと見た感じ、ヘルメットなのかサンバイザーなのか、

よく分からないですね」

すると遠川監督は至って真剣な口調で

 「確かにそうだが、彼らはあの丸剃りの頭も、相当に鍛えているそうだ」

 と答え、その後をマネージャーの伊予美が引き継いだ。

 「劉庵寺の選手は、いつもこの山中で野球の練習だけでなく、

お坊さんとしての修行もしていて、その中には脳天で屋根(やね)(がわら)を壊したり、

巨大な氷の塊を砕いたり、

イノシシを頭突きだけで倒したりする修行もあるらしいねん。

だから彼らはヘルメットが無い状態で投球が頭に直撃したとしても、

軽いピンポン玉が当たったくらいにしか感じへんらしいよ?」

 「マジで⁉それはもうお坊さんの修行の領域を超えてるんとちゃうの⁉」

 確かに俺らも野球の練習の領域を越えた特訓をやって来たのやけど、

あいつらはもしかしてそれ以上の事をやってるんとちゃうやろうか?

と、内心うろたえていると、もう一人のマネージャーである鹿島さんがこう続けた。

 「ちなみに彼らがそれだけ頭を鍛え上げるのには、もうひとつの理由があるんやで」

 「もうひとつの理由って、何です?」

 俺は尋ねたが、鹿島さんは不敵に笑い、

 「それはじきに分かるよ」

 と言って、この場で教えてはくれへんかった。



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