表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
ハリガネベイスボウラーズファイブ!  作者: 椎家 友妻
第三話 ウキウキデートと、黒スーツの男達
45/100

10 碇が絡むと本当に話がややこしくなる説

「そうだよ、あの二人は恋人同士なんだ。

何故なら小暮双菜ちゃんは、実は女の子だからね!」

 「なっ⁉小暮は女⁉で、伊予美ちゃんと恋人同士?え?」

 碇の言葉に目を白黒させる宗太。

小暮が実は女という事実だけでも驚きやのに、

その上で伊予美と恋人同士と言われ、

ダブルでパニックになっているのやろう。

繰り返し言うけど、碇は、ホモや。

そしてこいつは恋愛感情は同性同士でないと成立しないと思っていて、

男は男同士、そして女は女同士でないと恋に落ちないと本気で考えている。

だから伊予美と小暮が仲がいいのはお互いに恋愛感情を抱いているからであり、

いずれは俺もホモに目覚めて碇と結ばれると、

こいつは思っているのやろうけど、どっちもそんな訳はないので、

俺は碇のドタマにゲンコツを一発お見舞いして宗太に弁解した。

 「落ち着け宗太。碇が言うた事は半分ホンマで半分間違いや。

つまり恋人同士と言うのは間違いで、小暮が女と言うのはホンマ。

女同士やから、伊予美ちゃんとあれだけ仲がええんや」

 「そ、そう、なのか?小暮は、女・・・・・・。

た、確かに言われてみれば、体つきがやたら細いもんな。

それに、あれだけ目の前で伊予美ちゃんとベタベタしているのに、

お前が全く動じない所を見ると、やっぱり、小暮は女って事なのか」

 「そういう事や。だからそうカリカリすんな」

 俺の言葉にようやく納得した様子の宗太。

そしてさっきとは違う目つきで小暮の背中を眺めながら、シミジミと呟いた。

 「あいつ、すげぇな」

 「ああ、そうやな」

 宗太の言葉に、俺もシミジミと頷く。

ちなみに宗太は、極度のナルシストな上に性格も死ぬほど悪いので、

他人をほめたり、尊敬の念を抱いたりする事はまずない。

そやけど小暮はこの野球の世界で、女でありながら男と同じ土俵で勝負し、

かつ抜きん出た存在感を発揮している。

それは並大抵の努力では成し得ない事や。

それを一瞬で理解したからこそ、宗太は思わずそう呟いたのやろう。

 と、そんな事を言い合っていると、

宗太の視線に気づいたらしい小暮が歩くスピードをゆるめ、

宗太をギロリと睨みつけて言った。



評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ