4 宗太も参加
という、やけに懐かしいような、そうでないような掛け声が響き、
それと同時に部屋の襖が開け放たれ、そこにまた一人の人物が現れた。
今度こそ伊予美か⁉
と、思ったけどそうではなく、そこに現れたのは、俺の幼なじみにして、
張金高校最大の宿敵やった大京山高校のエースピッチャー。
更には伊予美を賭けた恋敵でもあった荒藤宗太やった。
しかも宗太も碇と同じく浴衣姿で、
風呂上がりなのかしてシャンプーのいい香りをさせ、
頬はほのかに赤らんでいる。
だから男からいいシャンプーの香りが漂ってても何にも嬉しくないねん!
むしろイラッとするんじゃ!
その憤りの気持ちを込め、俺は宗太に向かって怒鳴る。
「何でお前までここに居んねん⁉
俺は伊予美ちゃんと二人っきりでここに来たっちゅうのに!」
それに対して宗太は、ズカズカ部屋に上がり込んで来ながら声を荒げる。
「大阪大会での決勝戦の前に言っただろう⁉
この試合で勝った方が、伊予美ちゃんと結婚できると。
そして俺はその勝負に破れ、お前と結婚する事になったんだろうが!」
「なんっっっっっっっっっっっでやねん⁉
今の話をどう解釈すれば、俺とお前が結婚する流れになるんじゃい⁉」
「俺が伊予美ちゃんと結婚できない以上、お前と結婚するしかないだろうが!」
「頭湧いとんのかお前は⁉伊予美ちゃんにフラれたからっておかしな事を言うな!」
するとそれを聞いた碇が
「そうだよ!」と叫び、宗太に向かってこう続けた。




