2 鹿島さん、本気出す
いきなり話を振られた鹿島さんは、
「へ?あ、あたし?あたしも行って、いいの?」
と、自分を指差して目を丸くする。
その鹿島さんに、キャプテンは一層語気を強めて言った。
「当たり前やろ!お前はデータ担当のマネージャーやないか!
明日俺が直接ライバル校の偵察に行くっちゅうのに、
一緒に来んでどないすんねん⁉
それともお前も明日はゆっくり休みたいんか?
もしくはどっかに遊びに行きたいんか⁉」
すると鹿島さんはもげるかと思うくらいブンブン首を横に振り、力を込めて言った。
「いや!あたし、ヤマちゃんとライバル校の偵察に行く!
お弁当も作るからね!」
「お?おぉ、まぁ、弁当はどっちゃでもええけどやな、
とにかくそれなら明日は七時に張金駅に集合やからな?
遅れたら容赦なく置いていくぞ?」
「わかった!あたし、集合時間の二時間前には駅に行くわ!」
「い、いや、そこまで早くは来んでええぞ?」
鹿島さんの物凄い気迫に、いつの間にか圧倒されているキャプテン。
鹿島さん、ライバル校の偵察とはいえ、
ゾッコン片想い中のキャプテンと二人でお出かけできる事になって、
物凄く嬉しいんやろうな。
これをキッカケに、更に二人の距離が縮まる事を祈ってます。




