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ハリガネベイスボウラーズファイブ!  作者: 椎家 友妻
第二話 宗太の苦悩と、親父の壁
26/100

5 色々あった河川敷で

宗太の後を追ってやって来たのは、

市営グランドに行く途中に通りかかる河川敷やった。

ここは以前、碇が張高野球部に入る前、一人で自主練習をしていた場所。

そしてあいつが中学時代、

東京の学校でバッテリーを組んでいた()()高広(たかひろ)君と、

色々あった場所でもある。

(実は葉瀬君も碇と同じ種類の人間で・・・・・・

まあ、その辺の詳しい事情は第一巻を読んでください)

近くの大きな橋のコンクリートの橋脚(きょうきゃく)に目をやると、

碇がいつも一人でキャッチボールをする際にぶつけていたボールの跡が、

くっきりと残っていた。

それが何なのか知る由もない宗太はその橋脚の前に背を向けて立ち、

俺に向かって言った。

 「よし、じゃあお前はミットをはめてそこにしゃがめ」

 「あ?いきなり何やねん?

まさか今からお前のピッチング練習に付き合えって言うんやないやろうな?

俺はもうユニフォームを脱いで制服に着替えてるんやぞ?」

 そう訴える俺に構わず、

宗太は持っていた鞄からグローブを取り出して左手にはめ、

右手にはボールを持ち、投球の構えに入る。

こうなると宗太は問答無用でホンマにボールを投げてきよるので、

俺は怒りに顔をゆがめながらも、鞄からミットを取り出して左手にはめ、

大体ピッチャーマウンドからホームベースくらいの距離を取ってしゃがみ、

ミットを構えた。

こいつは昔からそうなんや。

自分の気の向くままに行動して、それに俺を巻き込み、

どんだけ迷惑をかけようが、一向に気にせぇへん。

勝手気ままなワガママ野郎。

それがこの男、荒藤宗太なのや。

まあそれでも、ピッチャーとしての才能と実力は、

碇に勝っても劣らへんので、俺も不本意ながらも、

それに付き合うのやけども。

さてそんな中、何球かウォーミングアップがてらに軽くボールを投げた後、

宗太はグッと鋭い目つきになって言った。



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