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4 マイペース大王
「まあ、こんな所でこんな言い争いをしてもしゃあないやろ。
で、何やねんな?また伊予美ちゃんに会いに来たんか?
お前もマメなやっちゃなぁ」
すると宗太も一旦落ち着いた様子で、頭をかきながらいった。
「ちげぇよ。今日はお前の方に用があって来たんだ」
「ああ?まさかまだ俺に大京山に来いって言うんか?
行かへんっちゅうに。
俺は張金高校で伊予美ちゃんを、マネージャーとして甲子園に連れて行くんや。
だから大京山には行かへん!絶対に!」
「その話ならもういい。それより今からちょっと付き合え」
「ああん?俺は今練習終わりで腹が減ってしゃあないんや。
お前に付き合うてる暇はない!」
俺はキッパリハッキリとそう言うたが、
宗太はそんな俺の言葉など全く耳に入っていない様子で、
もう踵を返してスタスタと歩き出している。
俺はよっぽど宗太を無視して家の中に入ろうかと思うたけど、
この後しつこく家に押しかけられても困るので、
「だぁああっ!もぉうっ!」
と叫び、宗太の後を追ったのやった。




