1 小暮にごっつい嫌われている?
「はぁ~・・・・・・」
放課後の練習を終え、家の前までたどり着いた俺は、
深くて重いため息をついた。
練習がキツかったのもあるけど、小暮の気持ちを知ってしもうた事が、
俺の気持ちをズシンと重くさせていた。
小暮のヤツ、あの時の事をそんなに怒ってたんやなぁ。
しかもまさかあそこまで嫌われているとは知らんかった。
まあよくよく考えてみると、
小暮は俺に対していっつもぶっきら棒で愛想がないし、
何か常に怒ってる気がするし、たまに顔を赤くする時もあるけど、
あれはきっと俺にムカついてああなってるんやろうな。
思えば矢沙暮高校と試合をした時も、
小暮にみぞ(・・)おち(・・)をドツかれた事があったしな(第一巻参照)。
きっと小暮は理屈抜きで、俺の事が嫌いなのやろう。
俺は全然そんな事ないし、
むしろ最近はちょっと打ち解けてきたと思うてたんやけど、
向こうはそうは思うてなかったんやなぁ・・・・・・。
とりあえず、あの時の事を改めて謝った方がええんやろうか?
でも、今更何やねんとか思われそうやし、
ますます気を悪くさせるかも知れんしなぁ。
う~む・・・・・・。
と、門の前で立ち止まり、考え込んでいた、その時やった。




