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ハリガネベイスボウラーズファイブ!  作者: 椎家 友妻
第一話 浮かれる昌也と、怪しき下積
13/100

6 二人の事は温かく見守る方向で

「あ、あたしは、小白井さんほどこの部の事を深く思っている訳やないで?

た、ただ、ヤマちゃん(鹿島さんはキャプテンの事をそう呼ぶ)が、

どぉ~してもって土下座して頼むから、

しゃあなしにマネージャーを引き受けただけ!」

 今日も栗色の髪をポニーテールにしている鹿島さんがそう言うと、

それを聞いたキャプテンがムッとした様子でこう返す。

 「誰が土下座なんかするか!俺が頼んだらお前はあっさり引き受けたんやないか!」

 全くその通りなんやけど(第四巻参照)、

それに対して鹿島さんも、ムッとした様子で言い返す。

 「そ、そんな事ないわ!ヤマちゃんがどうしても言うからやろ!」

 「お前もホンマはここでマネージャーをしたかったんやろ⁉」

 「そ、そんな事は、あるような、ないような・・・・・・

と、とにかく!マネージャーになったんやからええやろ⁉

何か文句ある⁉」

 「まぁまぁ、二人とも落ち着いて」

 いつものようにヒートアップするキャプテンと鹿島さんの間に、

いつものように向井先輩が仲裁に入る。

ちなみに鹿島さんはキャプテンに対してツンケンしてるけど、

実はデレデレのメロメロで、

キャプテンの為にこの部のマネージャーになってくれたと言って完全に間違いない。

それは他の部員も監督も分かっているんやけど、

肝心のキャプテンはその事に全く気づいてなくて、

しかも鹿島さんも自分がキャプテンに片想いしている事は、

誰にもバレてないと思っている。

だから俺達はこの二人の事にはあえて何も言わず、

温かく見守っているのやった。

キャプテンは決して女の子に興味がないという訳ではないけど、

とにかく野球一直線という熱いお人なので、

鹿島さんの思いには全くこれっぽっちも気づかへんのやろう。

頑張ってくださいね、鹿島さん。

とまあこんな感じで、

うまい事張高野球部のメンバーを一通り紹介する事はできたけれども、

小暮のせいで、小暮のせいで、

(大事な所なので二回言うときます)

伊予美ちゃんにプロポーズするチャンスを逃してしもうたやないかい!

せっかくここしかないというビッグチャンスやったのに!

という恨みを込めながら小暮の事を睨みつけると、

そんな俺の気持ちを察したのかどうかは知らないが、

小暮のやつは口笛を拭きながら練習の片づけを始めたのやった。


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