第7話 入門試験
投稿が遅れてしまってすいません。
時間とネタが一向に出来ず何日も日数が経ってしまいました。
「俺の師匠になってくれませんか?」
俺の言葉に老人は悩むそぶりを見せた。
「少年。取り敢えず今日は休むとええ。
色々あって意識が朦朧としておるのじゃろ。明日になっても、その気持ちが変わらないなら、考えてやろう」
俺は確かにボロボロになっており、意識は朦朧としていた。
しかし、自分が手も足も出なかった魔人をボロボロにしたこの老人を師匠にしたいと言う気持ちは、明日になっても変わらないと確信していた。
「わかりました。今日は眠らせてもらいます」
しかし俺は老人に悪い印象持たせないよう、老人の言うことを聞いて、寝袋の中に入り込んだ。
空を見上げると、満点の星空がそこには広がっていた。
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side老人
わしは、少年が眠ったのを確認してから、森の中に入って行った。
「ザルトゥス、少しよろしいじゃろか?」
「なんだ?ウラヌス」
「まずは報告じゃが、無事少年と出会うことが出来たぞ」
「それは良かった。しかし、お前がその程度の報告でわざわざ俺に連絡してこんだろ?」
「ほっほっほ。見透かされてしまいましたか。実は、その少年が、ワシの弟子になりたいと言っておってのぉ。
どうすりゃあいいんじゃろか」
「お前の自由にすりゃあ良いぜ?
俺としては、結局ついて行く以上、時間使って修行をつけてやれば、その坊主も強くなるんじゃねぇのか?」
「ほっほっほ。了解じゃよ。なら、1度テストをして今の実力を見てから、どうするか決めるとしようかのぉ」
「了解した。テストも修行もほどほどにしてやらんと、その坊主がくたばる可能性があるから気をつけろよ?
お前、割と厳しいし」
「その辺は出来るだけ考えて行動する予定じゃよ。こんな夜に連絡失礼したのぉ」
「あぁ。お前の活躍期待してるぞ。吉報を待っている。ではな」
そう言って、わし……ウラヌスは、リーダーであるザルトゥスと会話を交わして、少年が寝てるテントに向かった。
わしがテントについた時には、朝日が顔を出し始めていた。
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side ヴァース
「おはようございます」
「あぁ。おはよう。少年。」
俺と老人はそうやって、挨拶を交わしてから、他愛もない会話をして朝食を取った。
「さて、少年。ワシの弟子になりたいという気持ちは変わっておらんかのぉ?」
「ハイ!変わっておりません」
「ふむ……そうか。なら、今からお主をワシの弟子に迎えるための試験をしよう。
ルールは簡単じゃよ。お主がこのワシに1発攻撃を入れることができたら合格じゃ。
ワシは剣術も魔術も使わんが、お主は剣術魔術含めてなんでもアリじゃぞ」
俺は老人から告げられた発言に軽く頷くと、老人から少しだけ距離を取った。
「待ちきれないようじゃのぉ。
ワシも純粋な目と戦うのは久々だから楽しみじゃよ。
では、始めようか。先手は譲ってあげよう」
ウラヌスはそう告げ、少しだけ構えをとった。
「では、参ります」
俺はそう言って、老人との間合いを詰めた。
俺は火の魔法を使って、老人の視界を奪って、老人の後ろに回り込んだ。
「うぉぉぉ」
俺は大声を上げて、後ろから剣を振り上げた。
しかし、老人はそれに反応し、剣の先でそれを受け止めた。
「少年。二つ師匠弟子関係無く、1人の剣士として、忠告してあげよう。攻撃をするときに、大声を上げるのは良い手では無いぞ。例外は含むがな。
それに、魔法で相手の視界を奪ったところで、強い生物って言うのは、大体聴力や嗅覚も使用して、相手との距離を測っているからな。」
俺は老人のその言葉に軽く頷いて、一旦老人と距離をとった。
……隙が見えねぇ……俺の剣はどうやったらあの人に届くんだ……
「少年。次はワシから行かせてもらおうかの」
老人はそう言って、高速で俺の頭の上まで飛び上がった。
そして、そのまま持っている剣を振り下ろした。
ギンッ
しかし、俺は、老人の攻撃を感覚で、それを受け止めた。
「ほっほ。これを受け止めるとはやりよるのぉ少年。
では、次はどうじゃ?」
老人は、俺に受け止められた剣に、さらに力を加えて、俺を押しつぶそうとしてきた。
俺は、押し潰されそうになっている中、火魔法を老人に向けて撃った。
「危ないのぉ。まさか、力勝負を持ちかけたのに、魔法で帰ってくるとは思わんかったな。」
老人は撃たれた火魔法に対して、力を加えてた剣を振り上げて、その攻撃を止めた。
「力勝負をして勝てる気がしませんからね。
俺がその攻撃を止めるには、あなたが剣で弾くと言う選択肢を取る方法以外ありませんでしたから。 」
「ふむよく考えておるな。
さて、試験を再開しようか」
「では、次は僕から行かせてもらいます。
中級火属性魔法『炎剣』」
俺は剣を持っていた手とは逆の手に、新たに真紅色の剣を作り出した。
「かかってきたまえ少年」
俺の真紅色の剣は、老人に向かって一直線で飛んだ。
さらに、俺はその剣を投げてから、ウラヌスの後ろ側に回り込んだ。
しかし、老人は、飛んできた剣を当たり前のように弾いて、後ろから飛んできた斬撃を剣先で逸らした。
老人は、一瞬で距離を詰めて俺に対して、鞘を振り下ろした。
攻撃した直後で、反応できていなかった俺は鞘を頭にくらった。
「ぐっ」
「少年。本気を出すのじゃ。ワシを殺す勢いで無いとワシの弟子になると言う願望も、村のみんなの為に、クロウと名乗ったあの烏の魔人を殺すという願いも叶えることはできんぞ」
老人は俺を軽く挑発してきた。
俺は老人の挑発に乗ることもなく、その言葉に軽く頷いた。
「行きます。
上級火属性魔法『火炎獅子』」
「ほう。面白い攻撃じゃな」
……あの技にもう一個技を隠してみた。
老人が切った時に爆発するような仕組みを作ってみたがどうだろうか。
あたりは熱風に包まれ、草原に赤い獅子の咆哮が響いた。赤い獅子はそのまま老人に向かって走った。
は剣を鞘から抜く、抜刀で火炎獅子を切った。
その時ウラヌスを爆発が襲った。
爆発の中から、陽気に笑う声が聞こえてきた。
「ほっほ。本当にワシに一撃を入れるとは思わなかったのぉ。なかなか考えられた攻撃じゃった。
この試験合格じゃよ」
「本当ですか!?」
「うむ。ワシは嘘はあんまり得意では無いのじゃよ。
それに今嘘をつくことになんの意味も無いからのぉ。
まぁ、剣士としてなら、相手を騙す為には使えるかもしれんが、今は試合ではなく試験じゃからな。」
「良かった……」
ヴァースはウラヌスの言葉を聞いて、草原に寝転がった。
「これから、よろしくお願いします。師匠」
「宜しく頼むぞ。我が弟子よ」
「一応名前だけ教えてもらっていいですか?師匠」
「ん?あぁ言っておらぬかったか。ワシはウラヌスと言うんじゃ。そういえばお主の名前も聞いてなかったのぉ」
「僕はヴァースと言います」
「うむ。ヴァースか。これから頑張ろうぞヴァース」
こうして、老人……ウラヌスと少年……ヴァースは師弟関係になった。
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