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春樹が教室の扉を潜り初めて目にしたのは鬼

ではなく幼なじみの西条雫の姿だった


「春樹!!どこ行ってたのよ!!」

「し、雫、あ、慌てるな!!話せばわかる!!」

「やかましいっ!!1限サボったあんたに弁解の余地なし!!」


雫は春樹に詰め寄り、怒りの鉄拳を振りかぶる

春樹は目をぎゅっと閉じ覚悟を決めると


「まぁまぁ、雫、そんな怒ると心臓に悪いよ」

「誰が高血圧じゃっ!!」


雫の後ろから出てきたのは黒髪を後ろに縛った女の子、赤木紗弥だ


「紗弥止めないで!!」

「まぁまぁ、七瀬君も反省してるみたいだし、ね?」

「む~」

「さっ、次の授業の準備しよ!!」


そういうと赤木さんは雫の背中を押しながら自分達の席のほうに歩いて行った。

赤木さんは雫に見えないように俺に軽くウィンクしてきた


た、助かった~

赤木さん、ありがとう!!


自分の安全を噛みしめながら俺も自分の席に向かった。


☆☆☆


俺の席は最後尾窓側とまさに神席である。

授業中は窓を開け風を感じたり、暖かな日差しを浴び日光浴をしたり、窓の外を見て風景を楽しんだりとまさに神席だ

しかも今の授業中社会、数学や国語のように当てられたりなどせずに適当に教師が黒板への板書をノートに書くだけの楽な授業だ。

つまり何が言いたいのかと言うと、これほど読書に適した授業はないのだ!!

俺は机の下でスマホを操作し小説を読み漁る。


七‥‥瀬‥‥七瀬‥‥


しばらく小説に集中しているとどこからか雑音が俺の耳に入ってきた


七瀬‥‥七瀬‥‥


うるさいな

今いいとこなんだよ


俺が雑音をフルシカトしながら小説を読んでいると


「おい七瀬!!聞いているのか!!」

「いったー!!なんだっ!?デジャブ!?」


頭部に激しい痛みが走った

痛みのほうに視線を向けると俺の目の前に腕を組んだスキンヘッドのおっさんが立っていた。

俺はその光る頭を見てうっかりと


「ま、眩しっ!!」

「‥‥‥‥」


おっさんこと社会科教師で尚且つ我がクラスの担任である永山先生は俺のリアクションに笑顔を深めた。


うけた!!


俺が勝利を確信していると


「七瀬よぉ?」


永山先生は俺に笑顔で話しかけてくる


「なんですか?」

「うん、とりあえず前に来てくれるかな?」

「え?あ、はい」


俺は永山先生と教壇に向かう

そして教壇に着くと永山先生はクラスのみんなに話しかけた


「皆さん、今はなんの時間でしょうか?はい、笹木さん」

「は、はい、社会科の時間です」

「そのとおり!!さて、七瀬君?君はクラスメイトが社会科の授業を受けている際に何をしていたのかな?」


永山先生は何を言っているんだ?

俺は永山先生の話の意図がわからずに事実を口にした


「?読書をしていました」

「‥‥‥‥‥」

「「「‥‥‥‥」」」


俺の答えに永山先生だけでなくクラスメイトまでも黙り混んだ。


静かになったなぁ~

戻って本読んでもいいかな?


俺がそんなことを思っているなか沈黙を破ったの永山先生だった


「七瀬」

「はい?」

「お前「このバカ春樹!!」「ぐはっ!!」」


永山先生が何かを言い始める前に俺への暴言と同時に腹部へ激痛が走った

俺はそのまま吹っ飛ばされ床に沈んだ。


☆☆☆


結局あのあと雫が倒れている俺を容赦なく殴る蹴るなどの暴力の嵐でぼろかすにした。永山先生が止めに入るまで‥‥


先生!!もっと早く止めてよ!!

永山先生は少し笑顔だったのはきっと俺のみ間違いだよな?


俺はあまりにぼろぼろだったので3限と4限の授業をボイコットした

雫から逃げるのがほんと大変だった‥‥


そして現在やすみ時間に突入した。

俺は朝と同じく体育館倉庫裏に身を隠す

誰から?そりゃ(おに)からに決まってるだろ!!

4限が終わった瞬間ダッシュで教室に入り、ダッシュで弁当をかっさらって避難したのだ。


はぁ~

疲れた‥‥‥


そして今は弁当を食べ終わり、読書に勤しむ


5限もサボろうかな‥‥


俺がそんな事を考えていると体育館裏に一組の男女がやって来た

男のほうは知らないが女のほうには見覚えがある。

たしか一年の新海真実(しんかいまなみ)だったか?

彼女が入学した際にものすごい美人がいると話題になった

本にしか興味のない俺が知っているくらいに


男子と新海さん向かいあう形で向き合い

男子のほうが意を決したような声で新海さんに語りかける。


「新海さん!!君のことが好きなんだ!!俺と付き合ってください!!」


おおっ!!

これはまさに定番的な青春!!

全く、翼くんも彼を見習って早くヒロインにこくれよなぁ~

‥‥‥いや、待った!!まだにやにやしたいからまだするな!!

ずっとへたれてろ!!


俺が大好きな作品のキャラについて考えていると新海さんも口を開いた


「ごめんなさい」


そこで俺の意識も二人に戻った


ありゃりゃ

玉砕かぁ~

どんまい!!


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