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ある日突然あれが取れた日

作者: るーな

下らなくてすいません。

それは唐突に起こった。


今や殆ど見ることがなくなった和式便所。我が家も当然ながら洋式だった。母曰く「掃除するのが面倒」なので立ってではなく座って用を足す。


座ったままでは外に出てしまうので上から押さえなければならない。

何をって? 


なにかをだ。


その日は休日だった。国民的に長期休みが多いそんなウィークだ。


寝間着のズボンをおろし、便座に座る。母に怒られないように上から少し押さえる。

ポロッとそいつはとれた。長年……といっても高校生の自分にとっては十年とそこらなのだけど付き添ってきた。


使うのは用を足すのと……うん色々。実戦はないとだけ言っておこう。


そんな相棒が取れてしまった。

まるでシールでも剥がすかのように。


「は? 」


なんかちょっと毛を引っ張られたみたいな痛さでとれてしまった。

慌てて便座を覗くもすでに棒の存在はない、水に流したわけでもないのに。


夢かもしれないと思いつつ下腹部にある尿意に負け用を足す。


「あっ」


振るものがないので拭かないといけないのか。

そう思いながら慣れない手つきで股を拭く。


「痛い」


どうなっているのだろうか、やけにリアルだしデリケートすぎるだろう。

トイレットペーパーでちょんちょん押すように拭くことにした。

直接見たことはないけど女の子のが付いているらしい。


拭き終わりズボンを上げようとするとパンツに目をやると違和感を覚える。


「パンツが女物になってる」


パンツではなくパンティーに変わっていた。意味が解らない。

いやむしろ体つきもどこかおかしい。脚もすべすべになっているし、シックスパックだったお腹もプニプニしている。


「へその位置がなんかおかしい」


普段あった場所にへそがない。鍛えた筋肉もない。バスケ部でバキバキに鍛えていたとゆうのに。


女物のパンツを履くのに躊躇いながらもなんとか履いて外に出る、股間節に違和感を覚つつ。

肩からずり落ちてくるTシャツをかけなおすと胸、肩、背中にも違和感がある。


なんだか状況が読めないままリビングへ。

すると母がいた。


「お母さん俺、女になった」

「……あら、おめでとう……かしら? 」


ん? 女になったことに対して何もないのか?

そんな事を考えているとさらに衝撃的なことを言われた。


「様子がおかしいけどちゃんと避妊はしたの? 」

「ななななに言ってんだよ! そんな意味じゃねーし」

「あら? わざわざ感想を言いに来たと思ったわ」

「違うし、普通に女の子になったって意味だし」


全く飛んでもないことを言う、どこの母親だ。


「あら? 今日が初日? じゃあ薬飲んどかないと」

「もういい! 」


話が通じない。何日目とか何の話だよ!


部屋に戻ろうとすると窓の外、我が家の庭に父親の姿があった。


「お父さんならわかってくれるかも」


我が家の父は厳格な性格をしている。母は少し抜けているところがあるけど箸の持ち方から色々厳しく教えられてきた。


「お父さん、俺女の子になった」

「……」


実の父親が息子に向ける目じゃないぞそれ。まるで幽霊でも見たみたいなくらいびっくりしているじゃねーか。


「おとうさん? うわっ」


急に泣き出した。気持ち悪い。


「一年ぶりに話しかけてきてくれてお父さん嬉しいよ」


なにその設定、怖いんだけど。めっちゃ反抗期じゃん。


「何か辛いことがあったのか? お父さん相談に乗るぞ? 」


よくわからないけど相談に乗ってくれるらしい。


「だから、俺女の子になったんだって」

「……うん」

「おかしくない? 」

「……熱があるのかもしれん。それに……その生理の話は……ママに言いなさい」


使えんくそ親父目、それになんだか話しているとイライラしてきた。


「もういい、お父さん役に立たない! 」


後ろから「まってくれ、お父さんを嫌いにならないでくれ」と聞こえるが無視しよう。

厳格な父親はどこに行ったのだろうか甚だ疑問だ。


二回にある自分の部屋に戻り二度寝しようと思ったけど部屋の入り口で考える。


「お姉ちゃんがいた! 」


そう、今日は祝日。時間も早いしまだ寝ているかもしれない。


「お姉ちゃん、はいるよ」


この奇妙な体験を誰かに割って欲しい。返事を待たずに中に入ると。


「お姉ちゃん、なんで朝から男連れ込んでんの!? 」


知らない男と笑顔で話している我が姉……姉?


「んだよ、勝手に開けんなって何時も言ってるだろ」

「あ、かわいー。もしかして妹? 」


何だこの違和感は。部屋か……? 


「いつ模様替えしたの? 」


部屋の感じがいつもと違う。姉の部屋はもっとラブリーだったのに殺風景になっている。まるで自分の部屋を見ているような……姉? に視線を向ける。


「初めまして妹ちゃん。彼女です」


何言ってんだこの女? 


「お姉ちゃん? 」

「大丈夫か? お前に姉はいない、いるのは兄、俺だろ? 」


そう言って知らない男が俺に近づいてきて頭に手を置く。どことなく自分に似ているか?

そして姉に似ている女はただ似ているだけか? 


「いや、もうこの際どうでもいい。兄上、俺女の子になった! 」


もう姉でも兄でもなんでもいい。


「うん、お前元々女だけど? 」

「いやいやどう見ても男だったでしょ! さっきトイレ行ったらチ○コとれたんだって! 」

「女の子が朝っぱらからチ○コなんて言葉遣うんじゃねーよ! 」

「朝っぱらから女連れ込んでるやつに言われたくない! 」

「確かに」


おい、そこの姉似の女、口挟むんじゃねー。


「とりあえず洗面所で鏡見てこい」

「ブラの紐見えてるから気を付けてね」


自称兄? の言葉を聞き洗面所へ向かう。

途中で胸を確認すると胸があった。どうしたらいいのだろう。それにしっかりブラジャーもつけていた。

全く意味が解らん。


鏡を見るとそこには姉に似た少女の姿があった。いつの間にか長くなった黒髪。ちょっと気の強そうな大きな目に長いまつ毛。誰もが美少女と言うくらい可愛い人が映っていた。


鏡に向かって手を伸ばすと鏡の少女も同じように伸ばす。その表情はどこか不安そうな表情が浮かんでいる。

頬に手を伸ばすと鏡の中の少女も自分の頬に手を伸ばす。


「ガチなやつや」


俺はそこで意識を失った。

倒れた音に気が付いた家族が集まり介抱したところ、40度の高熱があったそうだ。

その日の俺の奇行は高熱によるものと思われたそうだ。


俺からしたら男だったハズなのに、家族からしたら元から女の子なのに変なことを言っている感じだそうだ。

長期休みが明けたら不安である。



いつかまた生えてくるかな?


次回、学校編始まる!








嘘です、すいません。

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