表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
44/64

鬼ぼんじゅーる編2

 ぼんじゅーる!どうもお久しぶりです。

 みんなのアイドル(自称)のモフフだよ!!僕に会えて嬉しい?嬉しいよね。嬉しいって言ってくれたら嬉しいな。


 お久しぶりと言ってもりっちゃんとの再会からもう二日が経ちました。結構時間は経っていないね。

 帰ってきたのが土曜日だったから月曜日の今日からりっちゃんは学校だ。

 僕からしたらおよそ一ヶ月ぶりの登校。勉強についていけるかな。いけないだろうな。努力と根性でがんばらなくちゃね。そもそももともとついていけてないところもあったから問題ない。

 学校と言えば、そういえば学校に住んでいる鼠の妖怪であるチーは元気だろうか。

 旧鼠の情報を聞いてすぐに道に迷っているチーを置き去りにして僕は神社に向かったから。最悪猫に食べられて…。うん、大丈夫、チーは運が強い子だと信じている。


 そんな心配ごとを思い出しながら僕はりっちゃんの部屋の勉強机の隣にある棚の上で丸くなっていた。勉強机よりも少し高い位置なので、りっちゃんが机で勉強しているところがよく見える。

 今はもうすぐ六月になる五月下旬の朝。

 小鳥たちも起きたばかりでチュンチュン、ピーピーと元気に奏でる中、朝日にミルクティー色の髪の毛を照らされりっちゃんは朝から勉強をしていた。今日は英語の小テストがあるらしい。さすが真面目なりっちゃんはしっかりと準備を欠かさない。

 僕は前にりっちゃんに『勉強がんばってりっちゃんは偉いね』と言うとりっちゃんは『はじめに勉強を疎かにすると後々面倒だと兄さんから教わっているからな』と答えた。

 この場合の“兄さん”とは次男の雪門ゆきかどではなく長男のことらしい。確か前に雪門ゆきかどが長男のことを春門はるかど兄さんと言っていたっけ。

 …春門はるかどか。三に雪に春。もしかしたら生まれた日の季節に関係ある名前にしているのかな。

 りっちゃんの誕生日は三月らしいし。

 だからあと十ヶ月くらい経たないとりっちゃんの誕生日を祝えない。僕に約一年分の誕生日をお祝いしてもらえないなんてりっちゃん残念だね。

 春門はるかどとお父さんは僕があの世に帰省している間に一度都会から帰ってきたらしい。仕事が忙しいからすぐに帰ったみたいだけど。

 会いたかったような会いたくなかったような。

 ちょっと会うの怖いね。二人とも悪霊払いとして強そうだし。僕が撫でられに行ったら『ふはははは、かかったな悪霊め!』とかいって滅されたら大変。

 そうしたらきっとりっちゃんが助けてくれるって信じているよ。なんたってりっちゃんと僕は赤い糸より強いなにかで結ばれた戦友であり心の友だからね。

 今りっちゃんは英語の教科書に熱い視線を送っているけど、まあそれくらいの浮気は心の広い僕は許してあげる。


 しばらくして終わったのかりっちゃんは固くなった体を解すようにして伸ばすと座りながら目線より少し高い位置にいる僕を視たので、僕はやっと僕を視てくれたりっちゃんに尻尾を振った。


「りっちゃんお疲れ様」

「ああ。ずっと見ていたのか」

「うん」

「つまらなくないのか?」

「ううん。楽しいよ。僕もせっかくだから一緒にりっちゃんの教科書ぼけーと見てたもの」


 まあ考えごとをしながらだったけど。

 僕にはテストはないからそこまで必死にがんばる必要もないし。…でもテスト受けてみたいな。チーに会えたら巻き込んで後で考えてみよ。

 僕の言葉にりっちゃんはちらりと視線を教科書の表紙に移した。教科書には英語Ⅰと書かれている。


「見たい教科書があるなら言えば貸してやるよ。俺が勉強しているところを見ているだけじゃあまり勉強にならないだろ」

「見ていないよりは勉強になるさ。でもありがとう。今度からお願いするね」

「ああ」


 りっちゃんは少し笑って頷いた。

 あの旧鼠の件以来りっちゃんはぎこちないながらも普通に接してくれるようになった。ぎこちないのはまだ僕との距離を測りかねているからだろう。別にりっちゃんのすべてを僕にさらけ出してくれて構わないのに。

 雪門ゆきかどが前にりっちゃんは泣き虫で甘えん坊って言っていたし。好きなだけ僕を撫で撫でして僕に甘えて、好きなだけぎゅーと抱きしめて僕の頭を撫でながら泣けばいい。僕も撫でられて嬉しい。ウィンウィンじゃないか。

 でもその光景想像したら怖いね。


「モフフは今日は学校に行くのか?」

「もちろんだよ」


 りっちゃんは僕の内心など知らずに教科書を鞄にしまい今日の学校に持っていくものの準備をしながら聞いてきたので、僕はすぐに答えた。 


「久しぶりに友達にも会いたいし。遥香はるかにも会いたい」

「そういえば遥香はるかもモフフのことを心配していた。一応帰ってきたことは伝えてはいるけど会いに行ってあげてくれ」

「本当に?遥香はるか僕のことを心配していてくれたんだ。わあい!嬉しいねりっちゃん」

「その同意を俺に求められても困る」


 チーにも会いたかったけど、遥香はるかも微妙な別れ方になっていたからちゃんと会いたいな。まさかあの時はしばらく会えなくなるとは思わなかったし。

 最後に家に行ったとき遥香はるかの妹のひかるに号泣されちゃったけど。あの後大丈夫だったのかな。


 なにはともあれ学校楽しみだ。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ