事件簿ファイル3:お嬢様、月の咲く丘で
「あっ、待って。何処に行くの?」
ゴールデンレトリーバーを追っていくと、其処は一面が淡い黄色で彩られた花園でした。
零には犬の「ワン♪」という鳴き声が「月の咲く丘はここだよ!」と言っているように聞こえたのです。
ふと、見覚えのある顔が見えました。
「陽榊~!もう大丈夫なの~?」
「大丈夫だって!もう、何処も悪くないよ。まるで、翼が生えたみたいだ。」
彼は自慢するかように走ってみせるのです。零に大丈夫だよ、と示そうとしています。
ベルガモットの香りのする腕に、ふわりと抱きしめられれば、もう何も言えませんでした。
「零、約束の物。」
「これは………?」
差し出されたのは紅玉と金剛石をあしらった指輪。
「……結婚して。」
「……わかったわよ。一生、鈍感なあなたに付き合ってあげる!感謝なさい。」
「逝こう……」
二人は仲良く手を繋いで、ゆっくりと歩き出しました。その顔は幸せな微笑みに溢れていました。
………END………………………………
いままで小説を執筆してきましたが、初めて書きあげられたことに感動しています。
陽榊と零を登場させるにあたって、わざと文体を統一しませんでした。タブーだと思いますが。
HAPPY ENDで終らせたかったので、気楽に書いたつもりだったのですが、私の人生は辛いことばかりだったので、癖が抜けませんでした……。
さて、あの2人はとりあえず幸せそうで良かったなと。
これからもHAPPY ENDを目指して書き続けることに致しますので、お願い致しますね。
では、また小説の中で機会があるのならば、お会い致しましょう。