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私と彼氏のほのぼの事件簿  作者: 優樺
冬の章
4/6

事件簿ファイル2-2:お嬢様、晩餐会までに願いを賭けて。

 

……食べられる紅玉?

 この世にそんなモノが?


「梅干し?、薔薇、サクランボ……」


食べられるものをあげてみる。だが、答えは見えない。多分、……甘いモノ。


「バイト、ぼ~っとしていないで。さっさと手を動かす!」


「……すみません。」



店長の説教を受ける。俺は此処でアルバイトをしている。ちなみに力仕事で一月で給料が40万ぐらい。手取りは10万だけど。


(……あと少しで買える。零へのプレゼント。)


今日は深夜までバイトが入っている。色々なアルバイトを掛け持ちしているためだ。


(……晩餐会までに間に合いそうにないな。零、ごめん。)




*



「………ばか。」


零の口から汚い言葉がもれました。小さく呟いた言葉は他の客の楽しげなお喋りに掻き消され、自分と神様しか知らないのでした。


(……何で来てくれないの?)


会いたい、でも会いたくない。

会うのが怖い。好き。でも、会うと憂鬱になって…自分でも気持ちがわからない。



 ー複雑に絡まり合った心の糸。私のこころをほどいて下さい。マリア様、どうかほどいて下さい。


(……誰か助けてよ。どうしたら、彼を素直に愛せるの?)



*


此処は……病院?嘘じゃない。昨日、何をしてこうなったのか思い出せない。


「晩餐会は……?」


「終わったわ。もう、怪我するなんて!」


(もしかして……)


「……心配した、かな?」


「あ、当たり前でしょ!あなたのせいでクリスマスは病院でデートじゃないの……責任取ってよね。」


やっぱり、心配を掛けてしまった。

怒らせたし、……怒った理由がわからないのだが。


「……あの答えって『サクランボ』かな?」


「もう、違うってば!この、鈍感男。」


結果、謎は迷宮入り。全治10ヶ月の怪我で迎えたクリスマスはあっという間に過ぎて行った。

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