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事件簿ファイル1:お嬢様、ティータイムのお菓子が盗まれました。
「ねぇ、零。ティータイム用に特注の『オニオンおはぎのお城』を買っといたんだけどさ…」
申し訳なさそうに話す彼は、しばしの
沈黙のうちに口を開きました。
「………消えているんだ、消えちゃったんだ、無いんだよ…何故か。ごめんね。」
「……………」
月に1度のティータイムを誰よりも楽しみにしていた甘党派、小枝 零花は怒りが沸々と沸き上がって来るのを感じていました。
「…っもう!陽榊、出かけるわよ。」
「ま、待ってよ!何処に行くの~」
「ヒ・ミ・ツ。」
小枝 零花は月一度のティータイムを邪魔した悪~い盗人を捕まえるため、今日も陽榊を潜在意識で振り回すのでした。めでたし、めでたし。