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この作品には 〔ガールズラブ要素〕が含まれています。
苦手な方はご注意ください。

企画参加短編集

そんなあなたを愛してる

作者: 高砂イサミ


 こんにちは、ひさしぶり。

 ――会いたかった。本当に、ずっと会いたかったよ。

 ん? なぁにその顔。わたし、そんなに変わったかな?

 たしかにあれから髪も伸びたし、ずいぶん痩せたけど。

 あなたも少し痩せたみたい。だいじょうぶ? ちゃんと食べてる?

 あなた、昔から少し神経質だったもんね。


 ねえ……あの頃のこと、覚えてる?

 わたしたちは学校の寮で部屋がおとなり。お互いの気持ち、なんとなくはわかってたけど、やっぱりなかなか言い出せなかったっけ。


 女の子どうし、だもんね。


 覚えてる? 初デート、学校を抜け出して2人で観に行った映画。

 覚えてる? バレンタインに交換した手作りチョコレート。

 そしてあなたが学期の途中、急に引っ越すことになって、2人で泣いて。

 最後に、2人で過ごした夜……


 好きだよ。

 大好きだよ。


 大好き、だったよ。


 それなのにあなたったら、勝手だよね。


 1人になりたくないからって。いっしょに遠くへ行こうなんて言って。

 誰もいない廃校舎で2人で薬を飲んだのに。

 あなたは先に目を覚まして、1人でどこかに行っちゃった。

 だからねぇ……わたし、ずっとあなたをさがしてたの。

 だって約束したじゃない。

 ずっといっしょだって。


 あら、どうしたの?

 「来るな」なんて言わないでよ、照れ屋さん。

 泣き虫なところも相変わらずね。そこがかわいいんだけど。


 そんなあなたを、愛してる。


 愛してる愛してる愛してる愛してる愛してる愛してる愛してる愛してる愛してる愛してる愛してる愛してる愛してる愛してる愛してる愛してる愛してる愛してる愛してる愛してる愛してる愛してる愛してる愛してる愛してる愛してる愛してる愛してる愛してる愛してる愛してる愛してる愛してる愛してる愛してる愛してる愛してる愛してる愛してる愛してる愛してる愛してる愛してる愛してる愛してる愛してる愛してる愛してる愛してる愛してる愛してる愛してる愛してる愛してる愛してる愛してる愛してる愛してる


 さあ。


 早く、こっちに来てちょうだい。




 二度とあなたを離さない。

 だからもう、そんなに泣かないで、ね……?


                                END



短編企画「陽だまりノベルス」参加作品。お題は「泣いてしまった君」でした。

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― 新着の感想 ―
[一言] 読ませていただきましたので、感想を置かせていただきます。 一人称の語りから、どのような流れに発展していくかと思ったら、後半でまさかのですね。 語り口調ならではの手法が、終盤の言葉に生かされ…
2013/02/28 23:07 退会済み
管理
[良い点] ヤンデレ好きには堪らない作品でした。こう呪い殺さそうなとか、油断したら後ろからグサリくらいが好みなのでどストライクでした。 前半から後半への展開のシフトもお見事でした。短い文章でとても内容…
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