表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
1/13

約束

序章




 1999年12月24日



 雪が降っていた。

 息は白く、震えるほど寒い。

ぱらぱらと舞うように小さな公園へ。

 黄昏時だが、空は曇り薄暗い。

 公園にいるのはまだ幼い、少年と少女。

 少女が言った。



「ねぇ、約束しよう」



 やくそく?と少年が首を傾げた。



「そう約束。小指を出して」



 少年と少女の小指が絡まる。



「私はここに来るのは難しいの。今日あなたに会えたのもたまたまだから」



「じゃあ、次いつ会える?」



「わからない」



 だから、



「約束するんだよ。あなたにもう一度会ってみたいから。……それともあなたはもう私と会いたくな

い?」



 それは。



「……会いたい」



 その答えに少女は、



「じゃあ……何時になるかわからないけど、」



 小指に力を込め、笑ってくれた。



「いつかまたここで会おうね」



雪の降る中そう言って繋いだ小指は涙が出るくらい暖かかった








 それは、かつての記憶。

 少年と少女の始まり。

 叶わぬ再会を願った二人に残ったのは繋いだ小指だけだった。





感想、指摘などお願いします。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ