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プロローグ

主人公たちと近そうだけど他人の誰かのお話。

からんころん

真っ暗な空に軽い音が鳴り響いた。

「いらっしゃいませ。」

耳障りのいい声に導かれて月の形をしたランプの置かれているカウンター席に腰をかける。

ここは眠らぬ繁華街の大通りの、その隣の通りにある小道を5分ほど歩いたところにある、知る人ぞ知る口コミのいいお店だ。

コーヒーや軽食などよくあるものからカクテルなどのアルコールもあり、喫茶店とバーを合わせたような、そんな雰囲気のお店。

今をときめく歌手に似ている人が通っている、などと一部で噂が流れたという話も聞くが俺にはよくわからない。

「ジントニックをお願いします。」

とりあえず、いつもの1杯注文する。

なんとなくお店の中を一周見渡した。

このお店は毎日少しずつ雰囲気が違う。

今日はメインのライトが青く、小さいテーブルのライトはカラフルになっており、宇宙の中に迷い込んだみたいな、そんな雰囲気だ。

ちなみに先週来たときはオレンジ色のライトがメインで、本を読むための隠れ家のような雰囲気だった。

そんな宇宙の端っこで一際輝く星がふと目にとまった。

ライトの色を吸い込んだ紺色の髪に、これまた紺色で時折ラメがライトに照らされてキラキラと輝く長いワンピースで、まるで天の川の化身みたいな、そんな美しい女性。

きっとこの女性が例の噂の人なんだろう。

カウンター越しにオーナーの男性と談笑している彼女はグラスをいくつも空けているように見えた。

ふと、彼女が今手に持っているグラスはメニューで見たことがあっただろうか、と思った。

このお店に頻繁に来てる方ではあるが、あんなに綺麗なカクテルがあったなんて。

ジントニックを片手に、薄っすら聞こえてくる彼女とオーナーさんの会話に耳を傾ける。

鈴を転がすような、夜空で星が瞬いているような、そんな声で時折笑いながら話す彼女はきっと噂通りの有名な歌姫なのだろう。

2杯目を頼んだ流れで店員さんと少し話をする。

「すごく綺麗な色で気になったのですが、あちらの女性が飲んでいるカクテルはなんという名前なんでしょう?」

ちらりと女性の方を見た店員さんは少し苦笑いをしてこちらに向き直った。

「ああ、あちらは恐らく商品ではないでしょうね…。」

どういうことだろうか。

「…しいて言えばジンライム、みたいなものでしょうか。」

意味が分からない。

彼女が持っているカクテルにライムは入っていないし、色もジンライムとは全く違う。

「これ以上お話してしまうと、私がオーナーに怒られてしまうのでご勘弁ください。」

店員さんは困ったように笑ってカクテル作りに戻った。

そこで私はふと『カクテル言葉』というものを思い出した。

そして、ジンライムにどのような意味があるのか、も。

女性と楽しそうに話をするオーナーさんを盗み見る。

少し前にお話したことがあるけれども、その時とは全く違う表情だ。

すべての謎が繋がって解けた気がする。

コップに一口だけ残ったカクテルを飲み干し、最後に2人を盗み見る。

2人は彼女の空になったグラスを眺めながら何かを話しているようだった。


あのカクテルはどのような味だったのだろうか。

そして、あのカクテルにはどのような意味が込められていたのだろうか。


ここにもっと通っていたらすべて分かるようになるのだろうか。

ジンライムのカクテル言葉、ぜひ調べてみてくださいね。

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