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乙女要素のある死にゲーに転移してしまった件〜帰還エンドのはずが、様子がおかしい〜  作者: 勿夏七
2章 ゲムデース

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10.装備はドロップ品になりがち

 まずゲムデースにあるワープポイントを解放。

 目を瞑りたくなるほどの光を発した後、ワープポイントに付いているタッチパネルに食糧や消費アイテムなどが表示された。


「これが救世主以外にも買える物……」

「種類豊富ですねぇ。救世主さま、俺が何か買ってあげますよ」

「国から支給されているから、お前の金を使うことはない」


 私とルーパルドの間に割って入るイナト。それがすでに当たり前のようになっている。

 私とルーパルドとの温度差に私は苦笑いを浮かべた。


「とりあえず……食糧ですね。2人はどのくらい食べます?」

「人並み以上には……」

「そうそう。団長はこの見た目で結構食べるんですよ」


 「俺の2倍ぐらい」とニコニコと笑うルーパルド。

 身長が高く筋肉量も多いルーパルドが負ける量食べるのか。


「じゃあ、食糧は多めに買っておきます。装備類は……必要なさそうですね」

 

 初期装備とあまり変わらない強さだ。こう言ったゲームはドロップ品を装備していくことになるだろうし、ここでお金を使ってまで買わなくても良いだろう。

 また、自身の装備しか売っておらず、ステータス画面にも2人の装備については書いていなかった。

 私が2人の装備切り替えをすることはなさそうだ。


 必要なものを選び購入ボタンを押すと、所持金の表示が変動し、所持アイテムの場所に食糧のタブが増えている。


「購入したものがでてきませんね?」

「ルーパルドは知らないだろうが、リン様は無限に物が入るポーチをお持ちだ。きっとポーチの中に入っているのだろう」

「イナトさんの言う通り。このポーチに全て入っているからルーパルドは気にしないで」

「それは便利ですね!」


 重い荷物を持たなくても良いことや荷物によって手が塞がることがないことに感動するルーパルド。

 ありがとうと私の手を痛くない程度に強く握った。


 その様子を見ていたイナトは気に食わなかったのだろう。ルーパルドの手を私から剥がし、私の手を優しく包み込み少し寂しげにこちらを見てくる。

 

「イナトと呼んでください」

「え?」

「イナトと呼んでください。僕にも敬語は不要です」


 イナトはルーパルドに会う前からさん付けで、敬語で話していても気にしていなかったのに。

 突然のことに驚いたが、対抗心だろう。イナトは懇願するように私を見つめた。

 その様子をルーパルドは面白そうに見ている。


「……わかった。2人も私のことは気軽に接してくれると嬉しい」

「え、いいんですか!」


 食いつきが良くなったルーパルドだったが、イナトの脛蹴りをくらい黙る。イナト、意外と暴力的……。

 言い争いが治るのを待っていると、肩を軽く叩かれ振り返る。

 そこには赤ん坊を抱え少しやつれた女性。


「あの、救世主様。私達もワープポイントを利用しても良いでしょうか……?」

「もちろんです! さあ、どうぞ」


 場所を開けると、女性は深くお辞儀をした後、タッチパネルの操作を始めた。

 ここの世界では当たり前なのか、迷いはない。

 購入した後、空から光っている何かが降りてきた。

 それを受け取るように両手を出せば、そこにはパンや水、少しの肉と野菜。

 普通はこう受け取るのかと物珍しさに見ていると、女性はこちらを見て苦笑い。


「あの、よかったらこれ使ってください」


 森で倒した魔物から取れたお金。結構多めにもらったのにイナトが国からの支給をたんまり貰ったので使うタイミングがなかった。

 

「そんな、こんなにもらえません」

「いえいえ、じっと眺めててすみません。見物料だとでも思ってください」


 そう言えば少し泣きそうな顔をしながら何度も感謝の言葉をもらってしまった。


「救世主さま、次の目的地に行きましょうか」

「うん。わかった」


 お別れの言葉を告げるつもりが、少し隙を見せた途端そそくさと女性は去ってしまった。


「あまり簡単にお金は渡さないでください。また貰いにきますよ」

「いいよ。別にあげても困らな――」

「ルーパルドの言う通りです。あまり渡してはいけません。これは困る困らないの話ではないのです」

「……はい」


 人づてにお金をくれる人と認知され、毎回強請られる可能性や悪用される可能性など最悪の事態になることを長々とその場で説かれてしまった。


 立ちっぱなしで話を聞かされていたせいか、座って良いと言われた頃には足は棒のようだった。

 水を飲んでいたルーパルドの横に座る。ルーパルドはすかさず未開封の水を手渡してくれ、それを一気に飲み干した。


「な、何時間経った……?」

「1時間ですよ。まだマシな方」

「ええ……」


 横になりたいがなれる場所はなく、大きく息を吐いた。それを察してか、ルーパルドは自身の膝を指して言う。


「横になる?」

「やめとく。またイナトに怒られそう」

「それもそうですね。ちなみに団長はどこへ?」

「さあ? "ルーパルドと一緒に待ってなさい"だって」

「あっはは、似てないですね〜〜」

「似せようともしてないんですけど??」


「……随分と楽しそうですね」


 大きな紙袋を持って帰ってきたイナト。呆れ顔をしており、少し声のトーンが低い。

 

「ルーパルド来てからずっと不機嫌なんだけど……」

「俺は何もしてないです!」

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