厄介ごとのにおい3
皆様こんにちは
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ほかにも作品を執筆中でございますよろしくお願いします。
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時を遡ること1時間ほど。
華の女子大生が一人暮らしの男子大学生の部屋に来るというなかなかに性欲掻き立てられるこの状況に俺は戸惑っている、、、
大事なことなのでもう一度言う。
華の女子大生が一人暮らしの男子大学生の部屋に来る。
上の一文は事実だ。嘘はついていない。ただ全てを一文で伝えられないだけだ。
わーいやったー恋愛だー!!! これはワンチャンある!!!
いけるぞ!!! これはいけるぞっ!!!
興奮する!!!
お父さん、お母さん。僕は今日、大人になります、、、
・・・さて、明石さんが来るのだ。部屋の片づけをしておこう。
部屋に散らばった服や下着を洗濯機の中に放り込む。
あと、炭酸飲料が冷蔵庫内にある。がしかし、相手はあの明石葵。
普通の飲み物でよろこぶのだろうか?
女性が喜びそうな飲み物といえば紅茶、アイスティー。しかし相手は明石葵。
おや? 自炊で使っているニンニクが冷蔵庫内にある。
ニンニク入りの炭酸飲料、そんなもの飲ませようと思わない!!!
別の何かなら飲ませてもいいかもしれないが。
それより掃除しよう。
床に散らばった埃が掃除機の吸引口から吸い込まれていく。
吸引力の変わらない掃除機ではない。そこら辺の家電量販店で買った安物の掃除機だ。一人暮らしの大学生にはこれで十分といえる。
さて、吸引力の変わらない掃除機は吸引力は変わらないらしいが気になることがある。
こんなことを気にするのは俺ぐらいだろうか、吸引力の変わらない掃除機と使用して吸引力の衰えた掃除機。
吸引力の衰えた掃除機の吸引力は吸引力の変わらない掃除機の吸引力とどちらの吸引力の方が上なのだろう。
吸引力一つとっても疑問に思うことがある。
この世界で吸引力の変わらないただ一つの掃除機。この世界で吸引力に疑問を持つただ一人の俺。
さて俺は換気のために窓を開け掃除機で部屋中の埃という埃を吸いつくした俺は掃除を終了した。
そろそろ来る頃じゃないだろうか。
飲み物は、ただの炭酸飲料でいいか、、、
そう思いながら、時間まで読書をしておこう。暇なときに何かをする。時間の有効活用だ。
一枚一枚本のページを捲りながら時間が経つのを待つ。
そうしているとスマホから着信音が鳴る。明石葵から連絡が来た。
「もしもし阿部です」
「私メリー今あなたの後ろにいるの」
・・・・この世界はついに怪異が怪異の真似事をする時代が到来したのか。
「そんな古臭い怪談知ってる人、今の時代にいるんですか?」
「オートロック開けてくれる?」
「今開けます」
俺はオートロックを解除しようと立ち上がりオートロックの解除ボタンを押しに行く。
あ、その前にやらないといけないことがあった。
俺は飲み物を準備し、オートロックを解除した数秒後、明石さんが部屋の中に入ってきた。
「なんの面白味もない家で申し訳ない」
「男の一人暮らしなんてこんなもんじゃないかしら。それにしても本が多いわね」
部屋の中を見た彼女の感想はそんな感じのものだった。
「飲み物は炭酸飲料でいいですか? 安物の紅茶もありますけどこの季節じゃ暑いですし」
明石さんは俺が用意した炭酸飲料を見ている。
「炭酸は喉がシュワシュワしてあまり飲めないんだけとこれを飲んでみたいわ」
「そうですか」
明石さんはマットに座り、炭酸飲料に少しだけ口をつける。
「それで今回の話って、例のパートナー契約のことですよね?」
率直に聞いた。
「そう、その通りよ。見かけた怪異がいたから少し気になってね。害はないかもしれないし、あるかもしれない」
「はっきりしない言い方ですね。人を食べる怪異とか人の精神を乗っ取って何かを害になるようなことをする怪異とかじゃないんですか?」
「あなたもその怪異、多分気が付いてると思うんだけど、もしかして気が付いてない?」
気が付いている? 俺が? 出くわした怪異なんて明石葵くらいだ。
「直接観た怪異は明石さんくらいですよ」
「じゃあ、怪異の被害にあってる人に心当たりはないの?」
できればどんな怪異なのか率直に言って欲しいのだが、俺のことを試してるのだろうか?
明石さんはさらに続けて言ってきた。
「阿部君、あなたテニスサークルの見学に行ったでしょ。その時、あなたはジュースを買ったでしょう? 覚えてる?」
テニスサークル? ジュース?
「思い出した。明石さんを初めて見かけたときのことですよね」
「そう、その時のこと。ジュースを買った時にその近くに居た女子大生達の会話を覚えてない?」
そうだ。思い出した。
ジュースを買う時、女子大生達が恋愛事情に関して話していた。女子大生達の恋愛事情。
「気が付いたみたいね。そうそれよ」
明石葵に気を取られて気がつかなかった。いや気付けなかった。何せその時、目の前に、すぐ近くに最強クラスの怪異が居たのだからそちらに気を取られて気がつかなかった。
「ねぇ、インキュバスってもちろんしってるわよね?」
そう言い、彼女は美味しそうな食べ物を見るような目で俺を覗き込んできた。




