眼福のサークル見学2
そんなこんなでテニスサークルを見学した数日後、俺は水泳部を見学しに来ている。
感激である。
バシャ―ンと音を立てて水に飛び込む筋骨隆々な男性水泳部員たちの雄姿を見て感激している!!!
眼福である。
彼らが筋骨隆々にして柔らかい筋肉を持つ男性達が日本のスポーツ業界の未来を担う選手達なのかと思い心を震わせている!!!
眼福である。
俺は今、女性水泳部員より迫力あるスピード感で水の中を突き進む彼ら男性水泳部員の雄姿を目に焼き付けている!!!
俺のほかに見学に来た男性、女性の新入生たちもちらほらいる。
見学に来ている女性は皆、ファッション優先なのか入学式でもらったプラスチックの書類入れは持って来ていないようなのだが一人だけ持っている女性新入生がいる。
それにしてもこの男性部員達、これだけハードなトレーニングを毎日行っているのか。大変だ。
学業優先のため水泳部には入らないことにする。
さて、それとは別に気になることがある。
のども乾いたし。ついでに飲み物でも買いに行こう。
プールを離れて建物の中を移動する。
自動販売機のおかれている場所にはテーブルと椅子がある。
それに練習中で人気もない。
ちょうどいい。
自動販売機で炭酸飲料を購入し、椅子に座る。
次に見学に行くサークルはどこにしよう。
そう思い俺はサークルのチラシをテーブルに出す。漫画研究会あたりにしようかな。
あれ?
捨てたと思っていた世界怪異研究会の勧誘チラシが入ってる。
サークルのチラシを見ていると女性新入生が自動販売機に向かっていった。
なぜ新入生とわかるのか?
それは簡単だ。あのプラスチックの書類入れである。
彼女は自動販売機で炭酸飲料を購入すると俺の方に歩いてきた。
「もしかして、テニスサークルを見学していたかたじゃないですか?」
話しかけてくるとは思ってもいなかった。
まあいいか、それも面白い。
「そうです。よく気が付きましたね」
「視線を感じたので」
「そうですか。それでなんで僕に話しかけてきたんですか?」
「害意はないと伝えるためです」
害意はないと言っているが、戦闘能力はいかほどのものか気になる。
「お名前を伺っても?」
あまり名前を教えたくはない相手だ。
「名前教えてどうなるんですか? どうせ、学部も違うし会うこともないでしょう」
できれば吸血鬼に名前を知られたくない。
だがきっと彼女は能力を使い俺の名前くらいなら把握できるはずだ。
なにせ相手は怪異の中の怪異、怪異の中でも吸血鬼という最強クラス存在なのだから。
「あなたが持っているそのサークルのチラシに興味があるんです。世界怪異研究会と漫画研究会。変人が多くて面白そうなサークルだと思いまして」
「あぁ、それで話しかけてきたんですか。漫画研究会には行ってみようと思ってましたが、世界怪異研究会には行く予定はなかったんです」
「私はどちらのサークルも興味があります。特に漫画研究会なんて、綺麗な女性がコスプレしてて眼福になりそうじゃないですか。一緒に行ってみませんか?」
間違いない。目が紅い。俺の思考を読んでいる。
「私は葵です。明石葵。あなたは?」
葵さんか、吸血鬼ということは年齢は俺よりはるかに上。
「阿部です。阿部和久」
「そうですか。そう言えば葵さん何学部なんですか?」
「医学部です」
さすがは吸血鬼、年齢を重ねているだけあって知識も経験も桁違いなのだろう。
「そう言えば目が紅いけど大丈夫ですか? サークルの見学より眼科にでも行かれた方がいいのでは?」
「カラーコンタクトです、、、」
「なら心配ないですね」
こうして明石さんと俺は未来を担う男性作家達の雄姿を目に焼き付けるために漫画研究会へと向かった、、、
結論を言うと眼福にはならなかった。




