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31話 『本当に僕か?』

 作戦が破綻し、家族からの信頼を失った胡桃の目的は礼二との復縁にシフトチェンジしていた。

 まだ礼二の所業は家族にバレていない。昨日両親には礼二の行った悪事(浮気)は隠して、胡桃自身の非行だけを話した。

 だから両親にとっての礼二の印象は、胡桃ほど悪くはない。付き合っている彼女を妊娠させてしまっただけという意味では、むしろ胡桃に浮気された被害者とも言える。


 だから礼二には一旦前に話した作戦を忘れさせて、胡桃は改めて彼に協力を求めた。

 妊娠させてしまったことへの家族への謝罪、心身共にボロボロになった胡桃への責任……それは復縁という形で果たしてほしいと、胡桃は礼二に頼み込んだ。


「先輩……私とやり直してくれませんか?」

 

 胡桃は彼が頷くと思って疑わなかった。

 礼二の人間性はクズだが、彼は責任をとってくれると言った。それに、胡桃と礼二は元々恋人同士。互いに微小なりとも好意はあるだろうし、浮気男のレッテルを貼られ全ての相手に振られてフリーである今、同じ境遇にある胡桃との交際は受け入れてくれるだろう。そう思っていた。


「……ごめん」


 だが、礼二の様子は昨日と違った。

 

「胡桃ちゃんとは付き合えない」

「な、なんでですか!?」


 淡々と話す彼の言葉には、どこか怒りが滲んでいる気がした。


「胡桃ちゃん、ずっと……騙してたんだね」

「だ、騙す!? な、なんのことですか?」

「惚けても無駄だよ」


 礼二は全てを見透かしているような声で、胡桃に言い放った。


「妊娠させたのって、本当に僕か?」

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― 新着の感想 ―
[一言] 別に元カノがどれだけ堕ちていこうがそれはどうでもいいけど、主人公も復讐という名目でどこまでやるつもりなのか…… そもそも、主人公って浮気されたから振っただけなんですよね。 浮気自体アウトだけ…
[気になる点] >むしろ胡桃に浮気された被害者とも言える。 礼二の悪事を隠したにせよ、そういう印象に至る理屈がわかりませんでした 尻軽が二股かけてたのを礼二は知らなかった…ということにしたとしても、そ…
[一言] やっぱり全てを話ていなっかたか おまけに人殺しの委任状のサインまでさせようと騙していたとすると最悪すぎる…
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