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宝石店のウワサ

作者: 雨月翔

主人公:津田 ユウ    

 ・一人称 俺     

・趣味 読書         

・最近の悩み 親友と早く会いたい     


宝石店の店:赤石あかいし とおる

・一人称 僕

     ・趣味 宝石加

・最近の悩み お店に来る子が用心深い子が多い

 

     序章



 街の裏路地を進んで行くと、闇の中に輝くお店がある。

しかもそのお店は変わっていて、思い出を売ってくれるらしい。なんとも怪しいお店だ、確かお店の名前は…


 やあやあ、いらっしゃい。何をお求めかな? おや?ウワサを聴いて来たのか、それはそれは

だったら思い出を宝石に換えて欲しいのかな?はたまた思い出を買い取ってほしいのかな?


 え?「思い出を宝石に換えるのが怖い」って?大丈夫、失うものはないよ。

ふふ、それでも怖いのかい?しょうがないなぁ。

そんなに心配だったら君に、僕の体験した思い出から造った宝石を魅せてあげる。


 これは、いつの話だっけな?まあいいか、では僕の思い出を語ろう。


ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

  

 学校の昼休み、


「ねえねえ、聞いた?思い出を宝石に換えてくれるお店ができたんだって」


「知ってる、知ってるしかもただの宝石じゃ無いらしいね」


「ええー、まじ〜?」


っと女子達のウワサ話が俺の耳をくすぐった


いつもの歩き慣れた学校の帰り道、女子達のウワサ話がフラッシュバックした。


別に信じてる訳じゃないが、ふと気になった。確か裏路地を進んでいけば、良いんだよな….


例の裏路地に来てみると、足元に風が吹いてくる


「うぅ、なんて言うか不気味だな、あと思った以上に狭い」


少し窮屈な裏路地を進んで行くと、だんだんと暗くなっていく、やがて俺が闇に溶け込みそうなくらい、真っ暗になっていく。道間違えたか?いやでも一本道だった、そんな不安が俺の中で膨らんでいく、いやもう破裂寸前だ。


すると視界の先に、キラキラと光る物体を見つけた。


「なんだこれ、クリスタル?」


いく先々に転々と宝石やらクリスタルが置いてある、一つ一つの明かりは小さいが、真っ暗な空間にあると星空を歩いているみたいだ。


そんな神秘的な空間を進むと、一軒建物があった。しかも看板まである。“思い出の宝石店“


「名前からしてここがお目当ての宝石店か、いかにも怪しさ満点だな」


目的に着いて気が緩んで口からポロッとでた。外見は、周りの暗さに溶け込むくらい真っ黒だ。外見は特に変な所は無さそうだ、一点を除いて

屋根から巨大なクリスタルが生えている。しかも、ただでかい訳じゃない、めちゃくちゃ綺麗だ。ぱっと見、無色透明だがよくよく見ると七色に光っている、まさに息を呑むとはこの事だ。見惚れてもいいが、俺はウワサが気になってここに聞いたんだ。


好奇心が俺を引っ張って店に近づいていく、やがて店の入り口まで来た、ドワノブまでご丁寧に宝石が付いている。宝石でゴツゴツしたドワノブ回して店の中に入った。


店に入ってまず最初に思った事がある、内装の暗さだ、とは言え店の外ほど暗くはないのが救いだ、そして次に目に入って来たのは、天井から吊るしてある宝石達だ。ただ吊るしてあるわけではない、馬、イルカ、フクロウなど様々な形に加工してある。


「さすが宝石店なだけあるな」っと俺がこぼすと


「でしょう〜、造る大変だったんだよ」


どこからか声がした。

声のした方向を見ていると、暗闇からぼんやりと灯りが見えた、視線を暗闇に向けてみるとランタンを持った人物が歩いてきた。まるで水銀に漬け込んだ様に綺麗な銀髪が、特徴の男だ


「やあやあ、いらっしゃい、何をお求めかな?あぁ自己紹介がまだ、だったね、僕は、赤石 透、ここ“思い出の宝石店“の唯一の店員さんだよ」


銀髪の男は続けて言った「君の名前は?」


「ユウ、津田ユウです」


「そうか、ユウくん君はどんな宝石が欲しいのかな?」


「あの俺ウワサを聞いて来たんです。」


「あぁ、ウワサを聞いて来た子か、そうか、だったら思い出を宝石に換えて欲しいのかな?はたまた思い出を買い取って欲しいのかな?」


「え?思い出を買い取るって?」


初耳だ思い出を宝石に換えれる事は知っていたけど、思い出を買い取るってなんだ、俺が困っていると、透は言った


「思い出を買い取ると言うことは、君のいらない思い出を僕が買い取るってこと」


「えっとつまり?思い出を買い取られたら、その思い出は忘れるのか?」


「うん、そうだね」店員の透は満面の笑みで返事した。


「いや、俺は思い出を宝石に換えるのでお願いしたい」


俺がそう答えると、透は


「オッケー、んじゃ説明するね、まずユウくんの思い出から宝石にしたいモノを選ぶんだ、そうして決まったら僕が宝石に換える簡単でしょ?」


透は簡単に言うがツッコミ所がありすぎる、だがこの際どでもいい、俺の好奇心は、自らを滅ぶす毒になり止められない


「お、お願いします」


俺は二つ返事で答えた。だが俺はここで進むのではなく戻るべきだった。


「じゃあ、どの思い出にするか教えてくれる?」


透は言った


「遠く離れた親友とまた会う約束にします」


「じゃあそこの椅子に座ってね」


透の言われるがまま椅子に座った。


「リラックスしてよ、んじぁ、思い出に触れるね…本当美味しそうだ」


何か透が言ったのが聞こえた、次の瞬間ブッチと切れた、そこで俺は消えた


「…きて……お…起きて!」


なんだ誰の声だ、俺?を呼ぶのは、ぼやける視界に誰か映る


「よかった、心配したよ、ユウ君の思い出綺麗だね、僕初めてみたよ“月“の形の宝石なんて、まあここもまで綺麗な宝石を造ったんだ代償もそれなりにある様だけど、何かを得るには、得るものに釣り合う物を失うからね…」


ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー


はい!ここで僕の思い出は終わり、なんにも心配する物は無いでしょう?

え?その後ユウ君がどうなったか聞きたいって?それは野暮ってやつだよ、さてと、そろそろもういいだろ?始めようか…


あ、ちょっ!帰るってどうして? ああー久々のご飯だったのにな、まあいいか、ウワサは絶えずヒトの間で受け継がれる。すぐにでも僕のご飯…じゃなかった、お客さんはくるし。楽しみだ…





ある街の裏路地に、思い出を宝石に換えてくれるお店が有るらしい、がもし店員に気に入られたら思い出を宝石に換える代わりに何か一つ食べられてしまうらしい。


      

           その名も“思い出の宝石店“




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