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プロローグ
「こ、今度の世界は一段と暑いな……」
額を流れ落ちる汗を拭い、湿気った空気の中を歩く。
辺り一面は木々に覆われ、凡そ人の気配が無い。
「熱帯雨林……アマゾンって所に似てるかな?あの世界は辛かったなぁ、妙に多い毒性の野生動物もそうだし、原住民らしきヒューマンもやたら排他的だったなぁ……」
「今回も同じようだと商売人は大変なんだよね……」
当時を思い出し気落ちしている様に独り言を呟くが、悲嘆の表情は一切現れていない。
むしろニコニコ顔である。
「まぁでも、ここの森は生物は少ないみたいだね。たまに居る動物も基本的に穏和な性格みたいだ。」
「…… (それに、やたら神聖な魔力も感じ取れるかな?まだはるか遠くみたいだけど確実に進行方向が発生源だな)」
「さ、次の国では何が売れるかな?」
そう言って、商売人らしき彼は遠目に見える国に思いを馳せるのだ。
手ぶらで。
初投稿です
空き時間にちまちま書いていきます。