ふぁいる8 とにかく危機を乗り越えよう!!
「えっ・・・・マジで・・・・」
〜とにかく危機を乗り越えよう〜
「宇佐美、何か作戦があるのか?」
龍人は聞いた。
「・・・・作戦では無い・・が、何とかなるかもしれない・・・」
「どういう事だ?」
「話を折って悪いんだけど、ドラゴンがこっちに向かってきそうよ」
夢叶の言う通りドラゴンがこっちを向いて鼻息を荒くしていた。
「チッ・・・・一回邪魔されないところで言いたいんだが・・・」
と言いつつ夢叶をまた抱え上げた。
「ちょ・・・宇佐美くん?」
「・・・なんだ?」
「なんで抱き上げるの?」
「・・・なんでって・・・危ないからだが・・」
「霧島そのまま宇佐美に担がれといてくれ」
「うっ・・風間くんまで・・わかったわ・・・ごめんね宇佐美くん・・・」
「・・・・いや・・・」
「おい、来たぞ」
ドラゴンが来た瞬間龍人達はバラバラに逃げ出した。
龍人と颯太、焔(ちなみに夢叶も一緒)は一緒の方向に逃げていた。
「あーーーー!!」
いきなり颯太が声をあげた。
「なんだよ!!いきなり大声あげて!」
「龍人あれ見て!!」
颯太が指をさした方を見てみると白い小さな生き物がみぃみぃ鳴いていた。
「なんだあれ・・・」
「かわいぃ〜」
「確かに可愛いけど・・・・なんかあれ・・・・あの白いドラゴンに似ているような・・・」
「なぁ龍人!!俺さわりに行ってもいい?」
「なっ・・・ちょっと!!颯太」
「えっ!!颯太くん?」
颯太はドラゴンに追いかけられているのにもかかわらず白い生き物の方に走って行ってしまった。
「よしよしww」
「おい!!颯太今はそんな事している場合じゃ・・・・」
「・・・・おい・・逃げるぞ!!」
焔は二人をせかした。
「って、おい!!なんでそれまで連れて来てるんだよ!!」
「え・・・だってカワイインダモン」
颯太・・・お前がそんな口調で言っても可愛くとも何ともないぞ・・・。
「ほら、元の場所に戻して来なさい!!」
今なんか俺・・・・オカンになれそう・・・(泣)
「龍人ひどいぞ!・・・一人で鳴いていて可哀そうじゃん・・・」
「颯太・・・」
『ドォォォォォーーーーーーン』
「「「うわぁぁぁーーーーー」」」
「・・・・なんだあれは・・・?」
音のした方を見てみると天井に大きな穴があいていた。
そして先ほどまでいたドラゴンがいなくなっていた。
「あれ・・・・あのドラゴンは何処に行ったんだろう?」
「・・・・多分、あの穴から出て行ったんだな・・・」
すると逆側にいた紫苑達が走ってきた。
「龍人!!大丈夫か?」
「紫苑!そっちは?」
「こっちには全然来なかったから大丈夫だ・・・・颯太・・それはなんだ?」
響夜は颯太が抱き上げている小さな白い生き物に目をやった。
「う〜ん・・・・・・・・わかんない!!」
颯太は元気良く答えた。
「なんで、そんな良く分からない物を拾うんだ(黒笑)」
颯太の頭をぐりぐりしながら響夜は聞いた。
「ぎゃぁぁぁぁぁーーーーーー痛い痛い・・・・help meーーーーー!!」
ああ・・・デジャブ・・・。
「・・・響夜それ位にしといてやれ」
と、一先ず紫苑が鶴の一声で響夜を落ち着かせた。
「それにしても・・・かわいいわねこの子」
「かわいいね」
朱奈と夢叶が小さい白い生き物をさわっていた。
「ピギ?ピギャピギャ!!」
朱奈と夢叶にさわって貰っている事に大分満足しているようだ。
それにしても何故こんな所にこんな小さな生き物を一匹で母親(父親?)は置いて行ったんだろう?