ふぁいる1 始まりは突然に
「ここは・・・どこだ?」
〜始まりは突然に〜
キ〜ンコ〜ンカ〜ンコ〜ン
1回目の予鈴がなると同時に教室に入って来た一人の少年がいた。
「おい!紫苑なんで置いて行くんだよ」
学校についたとたん眞木 龍人 (マキ リュウト)は前の席の風間 紫苑 (カザマ シオン)に向かって言った。
「お前が寝坊するから悪い」
紫苑の言っている事はたしかに正しい。が、チョット位待つなり起こすなりしてくれればいいと龍人は思った。
「紫苑のケチ」
「なにかいったか?」
「なんにも無イデス」
あまりにも今の紫苑の目つきが怖かったため言い返せなくなってしまった。
「よっ!おはよう龍人」
いつの間にか近くに来ていた五十嵐 颯太 (イガラシ ソウタ)が話しかけてきた。
「わぁ!いつのまに・・・」
「え?いつの間にって・・・」
「龍人、颯太はさっきからいたぞ」
「え?うそー!!」
まじかよ・・・。全然きづかなかった・・・。
「うそをついてどうする」
「うわぁー俺かるく傷ついた(泣)」
颯太がシクシクと泣き真似を始めた。
「ごっごめんって颯太」
「ん?別に良いよ!」
と、ケロッと笑って答える颯太。
やっぱお前はいい奴だ・・・。
「話してる所悪いけどちょっといい?」
横を向くとそこにはクラスの女の子、久城 華鳳 (クシロ カオウ)がいた。
「おっ!久城おはよう」
「ん・・・」
と、そっけなく返されてしまった。
「で、久城はどうしたんだ?」
あっ!そういえば・・・紫苑するどい。
「実は・・・」
「あれ?朱奈じゃん!おはよう」
颯太ー!お前は空気がよめないのかー!!
と、龍人が一人心の中で突っ込みながら華鳳の後ろを見てみるとたしかに伊里 朱奈 (イザト シュナ)がいた。
「あっ・・・颯太!おはよう!眞木くんに風間くんもおはよう・・・」
と、颯太には元気良く、龍人と紫苑には消えそうな声であいさつをして来た。
「ああ、おはよう」
「おう、おはよう」
それだけを言うとなぜか、すぐに華鳳の後ろに隠れてしまった。
「それで、結局どうしたんだ?」
「ん?・・・・ああ、実は朱奈の消しゴムがあんたらの下に転がったから取らしてもらおうと思って」
おいおい、ちょっとの間、聞いてませんでしたよね。明らかに横向いてたし・・・。
「え〜っと・・・これか!」
「うん、多分それ」
「はい、伊里。これで合ってるよな?」
「(びっく!!)う・・うん、ありがとう」
えっ?・・・俺なんか・・した?
「・・・。じゃ・・」
「ごめんね・・・・。ありがとう・・。」
と、言って帰って行った二人。
「なんか俺、伊里に怖がられるようなことした・・・?」
真剣になやんでいると急に・・・
「お前が怖いんじゃなくてあいつは男がこわいんだよ」
「うおぅ!!なんだ・・・響夜か」
横にはいつの間にか潮崎 響夜 (シオザキ キョウヤ)がいた。
「お前らなんか俺に恨みでもあるのか?みんないつの間にか俺の近くにいるのって・・・」
それとも今日は厄日か??
「ん?なんの話だ?(黒笑)」
「うわぁー!!響夜お前いつの間にいたんだよ?」
「なんだ颯太おまえもきずいて無かったのか・・・。」
紫苑はあきれた顔で聞いて来た。
「えっ!紫苑はきずいてたのか?」
「当り前だろう、真っ先にしゃべりかけられたからな」
と、紫苑は何事も無かったかのように言った。
「悪いな、驚かしたようで・・・(黒笑)」
ん?今何か響夜の後ろに黒い物が見えた様な・・・?
「響夜・・お前・・紫苑にだけ話掛けたって事は絶対確信犯だろう・・・」
「ん?颯太何か言ったか?こっちで話そうな(黒笑)」
「ぎゃぁぁぁぁぁーーー」
と、なんとも黒いオーラを出した響夜に連れていかれてしまった哀れな颯太を見ていた紫苑は
「ほどほどにしておけよ」
と一応言っておいた。
「なんで男が怖いんだ?」
と、颯太の事はお構いなしに龍人は先程の考えていた。(おい!ひどいな by颯太)
「ん〜なんでだと思う?」
「おう!!!なんでみんな突然現れるんだ?」
とまたもや急に出てきた椎名 柚姫 (シイナ ユズキ)に聞いた。
「多分だけどあんたの反応が面白いからじゃな〜い?」
と、へらへら笑いながら言われてしまった。
「椎名、お前は何の用だ?」
あ!今この人俺の話きったよ・・・・。ぐれてやる・・・・ぐすん・・・。
「あのね〜今日あの宇佐美 焔 (ウサミ ホムラ)が学校に来るんだって」
「へぇーあの宇佐美が」
「えっ!宇佐美が来るの!!」
宇佐美 焔 (ウサミ ホムラ)とはこの学校一の不良で、噂では百人相手の喧嘩に無傷で勝利したとか、しないとか・・・。
「お前ぐれてたんじゃ無かったのか?」
紫苑が聞いて来た。
「ふーんだ。誰もつっ込んでくれないから自分で復活したもんねーだ」
気付いていたのなら何か言ってくれ。
「(無視)で、それをなんで俺にいいに来たんだ?」
(無視するなぁぁーーーー!! by龍人)
「あんたなら確実な情報でももってないかなぁ〜って思って」
「悪いが俺は今初めてそれを知ったからなんともいえないな」
「ん〜そっか。わかった。ありがとね〜」
と、いって去って行った。
「でだ、いいかげん鬱とうしいぞ龍人」
「いいもんね・・俺鬱陶しいもんね・・・」
俺・・・何か悲しくないか・・・・。
「あーそうだな」
「うそです。うそです。もう言いませんから〜」
「よろしい。」
なんか俺、良いようにあつかわれてないか・・・?
「ただいまー」
「死ぬかと思った・・・」
と、言いながら颯太と響夜が帰って来た。
颯太は心なしぐったりしているのに響夜はすっきりした顔つきだった。
「あ!そういえばどこに行ってたんだ?」
と、俺が疑問に思った事を口にすると。
「頼むからきかないでくれ・・・・。」
と、軽く涙目の颯太がおれに縋りついて来た。
ちょっと颯太が可哀想に見えてきた・・・。
「そういえば龍人。お前、伊里の事を聞きたかったんじゃないのか?」
「そうだっだ!」
さすが、紫苑!忘れてた・・・。
「ん?朱奈がどうかしたか?」
と訝しげに颯太が聞いて来た。
さっきまで泣きかけていたのに朱奈の事を聞くと顔つきが変わった。
「さっき響夜が[あいつは男が怖い]って言ってたから・・・どういう意味なのかなぁって思ってさ・・・」
「ああ、そのことか」
「んー・・。それは俺らが話せる事じゃ無いから・・・。ごめんな・・」
と、響夜が少し困った顔で言った。
「ううん、こっちこそ変なこと聞いてごめんな」
「俺も余計な事をきいて悪かった」
「いやいや別に・・『うわぁぁぁぁーーー』・・ってなんだ颯太いきなり」
急に喚きだした颯太を見たら・・・。
「ごめん本当にごめん・・・・。俺こういうシリアスモード無理」
と、笑顔で言われてしまった。
「(プチッ)颯太お前・・・。もう一回話をしにいこうか(黒笑)」
「ぎやぁぁぁぁっぁぁぁーーー」
颯太、俺でも響夜みたいになると思うよ・・・いまのは・・・。
「あの〜4人ともちょっといい?」
と、話しかけて来たのはクラスの委員長の霧島 夢叶 (キリシマ ユウカ)だった。
「ああ、あそこの馬鹿(颯太)は置いといていいぞ」
颯太を指さしながら言った。
「馬鹿とは何だ馬鹿とは(半泣き)」
「颯太一回黙ろうな(黒笑)」
「はいぃぃぃ」
恐るべし響夜・・・。
「あはは・・・に・・賑やかね・・。先生にプリントを配るように言われたから・・はい、これ」
響夜の黒笑をもろに見てしまった夢叶だった。
「ああ、ありがとう」
4人を代表して紫苑が言った。
「いいえ、どういたしまして」
と、言って夢叶はクラスの他の奴らの所へ言った。
「何々・・・。ゲッ!!数学のプリントだ・・・」
「うわぁ〜って事は次の時間自習か・・・」
「なんだ龍人嫌なのか?」
「嫌じゃないけどさ・・・この量はいじめだろう・・・」
なんと数学の表裏合わせてプリントが6枚もあったのだ。
「頑張れ!!」
「黙れ颯太!お前頭が良いっからって・・くぅ・・・」
「そうだぞ颯太。俺の分までやらせるぞ(黒笑)」
と、なんともいえない会話をしていたのが今となったら嘘のようだった・・・。
自習の時間。
ザワザワザワザワザワザ・・・シーン・・・・。
数学のプリントを早々諦めて居眠りしていた龍人はいきなり静まり返った教室にびっくりした。
「紫苑何があったの?」
と、紫苑に小声で聞くと、紫苑は
「学校一の不良のお出ましだ」
と、言いながら扉の方を向いていた。そして扉の方を見てみるとあの学校一の不良、宇佐美 焔 (ウサミ ホムラ)が入って来ている瞬間だった。
「椎名が言っていた噂は本当だったということか・・・」
と、紫苑が呟いていると。
「宇佐美おっはよー!!」
と、誰も喋らない中話しかけたのは颯太だった。
「あいつ・・・すげーな・・」
「・・・あいつは頭で考えるよりも先に口に出ている時が多いからな・・」
さすがは紫苑、こんな時でも数学のプリントをしながら冷静に突っ込んでくれた。
それで焔の方はと言うと・・・。
「・・・・」
「お・は・よ・う」
と、颯太に詰め寄られていた。
「・・・おはよ・・」
と、返すと
「やったぁぁ〜ついに返してくれた!」
と、響夜に報告したら。
数学が苦手な響夜は
「マジで黙ろうな(黒笑)」
と、言って颯太を黙らしたあと
「宇佐美おはよう」
と、言ってた。
それにも、焔は
「おはよ・・・」
と、返していた。
「あーずるい!響夜には一回で返したー」
颯太・・なんか突っ込む所が違うような気がするぞ。
「・・・・。」
「何がずるいだ馬鹿。本気で黙れ(黒笑)」
「はいぃぃぃぃっ」
「・・・・。」
どうしたらいいのか迷っている焔の姿があった。
それを俺と紫苑は焔がキレないかドキドキしながら(ドキドキしてたのはお前だけだ馬鹿 by紫苑)みていた。・・・・というか紫苑はもくもくとプリントをしていた。
その時だった、空からすごい量の光がふりそそいできたのは・・・。
ピカァァァァァァーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー