一つ目の試練
「グガアアアアアアアアアア」
突然静寂に包まれていた森にけたたましい声が響く。
「な、なんだ?」
突然聞こえた声によって叩き起こされた俺は、辺りをキョロキョロと見渡す。刹那、俺達がいる場所が暗くなる。頭上を見ると。
「ど、ドラゴン!?」
ゴツゴツした鱗、バサバサ音をたてながら動く羽、こちらを見下すかの様に見てくる目それだけで十分だった。
「お、おい! 起きろ!」
一秒でも早くこの場から逃げるために慌てて琴羽達を起こすが琴羽達は起きない。まるで死んだ様に。
「くそがっ! 一人で倒してみろってことかよ!」
これは女神が出した一つ目の試練。
「スキル選択! 」
『全対応最強兵器』
スキル発動のトリガーを口ずさむ。そして俺の右手に手榴弾が2つ現れる。第二次世界大戦では手榴弾は悪魔の実として恐れられていた兵器だ。両手に1つずつ手榴弾を持ち大きく振りかぶってぶん投げる。
「グギャアアアアアア!」
手榴弾は一直線にドラゴンの顎の下にある逆燐に飛んで行き爆発する。弱点に当たったおかげかドラゴンは砂埃をあげて倒れた。
「地球なめんなファンタジー」
琴羽達は手榴弾が爆発時の音で起きていた。そんなことは知らずドヤ顔をしながら琴羽達の方へ歩いていく俺は琴羽達と目があった瞬間顔を耳まで真っ赤になり顔を覆う。そんな俺の姿を見て琴羽達は耐えきれなくなり腹を抱えて笑いだす。
「ごめん、ごめんでもかっこよかったよ?」
「お前らいつから起きてた」
「えっとドラゴンに何か言ってる辺りからかな?」
全て聞かれていた。この事をずっといじられ続けられるのはまた別のお話。
「まずこのドラゴンどうする?」
「担いで行くのは無理があるし」
俺達にはこのドラゴンを運ぶ手段がまだない。
「夕、魔法使えるならなにかないか?」
「ないですね。私が知ってる魔法にも」
「雪彦のスキルは全ての能力を無限に手に入れれる能力だったよな?」
「さっき『現代兵器』を召還できるスキルを取得したから今は1つしか取得できないけどな」
ドラゴンを倒したことによって雪彦はレベルが9になっていた。
「なら物を仕舞えるようなスキルを取得したら解決しないか?」
「なるほど」
雪彦はステータス画面を呼び出し『アイテムボックス』のスキルを取得した。その際に『スキル使用枠1』とでていた。スキルによって消費する枠の数が違うみたいだ。
「ねぇ雪彦そのステータス画面はどうやったらでてくるの?」
「頭の中で『ステータス』って唱えるとでてくるよ」
琴羽達はさっそく試していた。俺からは見えないが。
「これが私のステータス」
・名前 桐島 琴羽♀
・年齢 16
・種族 人間
・職業 高校生 治癒師
・能力 不死身《終わりのない人生》
・LV 1
・HP 510
・MP 320
・防御 92
・腕力 30
・知能 160
・器用 120
・速度 30
・スキル 光魔法LV.1 治癒魔法LV,1 剣術LV.3 言語理解
不死身《終わりのない人生》はレベルをあげることで不死身になるための
スキルを取得できる。
それまでは治癒系統のスキルが手に入る
治癒魔法はレベルが上がるにつれて強力な魔法を覚える
ほかの三人は
・名前 東雲 雪彦♂
・年齢 15
・種族 人間 ???
・職業 高校生
・能力 全対応 《オールマイティー》
・LV 9
・HP 720
・MP 450
・防御 102
・腕力 120
・知能 65
・器用 80
・速度 50
・スキル 最強兵器(召還)LV.1 アイテムボックス(無限) 拳士LV.5 言語理解
全対応 《オールマイティー》はスキル枠を消費することでスキルを取得できる。
最強兵器(召還)はレベルをあげることで召還できる兵器が現代に近くなる。
大型のものは素材が必要。
第二次世界大戦までの兵器が召還可能
・名前 小鳥遊 夕♀
・年齢 16
・種族 人間 魔法師
・職業 高校生
・能力 7つの力 《セブンマジック》
・LV 1
・HP 540
・MP 980
・防御 105
・腕力 35
・知能 170
・器用 160
・速度 35
・スキル 火魔法LV.5 水魔法LV.5 風魔法LV.5 土魔法LV.5
雷魔法LV.5 光魔法LV.5 闇魔法LV.5 言語理解
7つの力 《セブンマジック》は全ての属性が使用可能。
魔法はレベルをあげることで取得。また教えてもらうなどすれば取得可能。派生魔法もレベルを上げる事で取得出来る
・名前 羽柴 優斗♂
・年齢 16
・種族 人間
・職業 高校生 騎士
・能力 ナイト
・LV 1
・HP 630
・MP 130
・防御 251
・腕力 80
・知能 90
・器用 70
・速度 120
・スキル 剣術LV.2 光魔法LV.1 言語理解
ナイトは剣術がうまくなる。
またレベルをあげることで光属性の魔法を取得可能。
「これどれぐらいすごいんだ?」
「比較対象がないとわからないね」
「なんで俺だけ能力名が普通なんだよ」
「本当に全部の魔法が使えるいえーい」
幸彦と琴葉はステータスの話。優斗は能力が普通で地面に円を書いて落ち込んで。夕は本当に魔法が使えるのか色々な属性の魔法を周りにある木々にぶつけて木をなぎ倒している。
......こいつら本当に異世界でやっていけるのだろうか。
この世界の平均値は100前後です。