第5話包帯男と吸血鬼
さて、今回はちょいと違ったバトルで行こうと思ってます。
楽しんでくださいませ
~あらすじ~
ゴリラ映画を見ようとしてるところに新たなる資格、『ミイラ男』が現れた
「お前ら、我が社の敵、だな?」
ミイラ男が問いかけてきた
「もし、そうならどうするんだ?」
そう聞く魂雅地
「お前らを・・・排除する!」
「分かりやすいね。」
すると、血溜がおずおずと言ってきた
「ぼ、僕、ミイラ男相手は初めてですけど・・・任せてください!!」
「んなもん、最初から任せるどころか協力しようじゃねぇか! 初めての・・・ってわけじゃないが、 他 の種族とは初めてだろうが、ひと暴れすっぞ!!」
そう励ます八咫
仲間の絆が少し深くなったようだ
「ミイラだから包帯だし、やっぱり火器類が有効的じゃないかな?」
確かにそうだ
布系統のものましてや包帯など焼けるか軽くてこげつくくらいなものだ
「火器類は決まったとして、どう戦うかな?」
そこである
魂雅地の言うとおりである
相手がどう打って出るかがわからない限り、油断はできないのだ
「ならよ、俺が先陣切って誘導するってのどうだ?」
八咫はそう言った
「それも考えた。でもね、もし、包囲するような全面攻撃だとしたらどうする?」
「くっ・・・とりあえず、打って出ねぇと分かんねぇってことか・・・」
「だね」
すると、突然、包帯が襲い掛かるように飛んできた
「早速かよ。」
八咫は、荒く包帯を削っていく
「お、お姉ちゃん・・・こいつらを倒せば、助かるから・・・」
ミイラ男から聞こえた微かな声
どうやら男は弟で姉弟で連れ去らわれたということだろう
「まだ理由も目的も知らされずに、モンスターにされたんだね・・・」
そういう血溜は、寂しそうに言った
そう、それは、かつて先ほどの自分がそうであったのと似たような感覚だからだ
「お姉ちゃんを助けるまで、お前らを絶対に倒す!!」
次から次へと矢継ぎ早に飛び交う包帯
地面に落とすたびに『ズシン・・・』と重みのある音を立てて落ちる
「こいつには悪ぃけど、倒さねぇとな。」
「ここは僕に任せてください。」
そう言ったのは、血溜だった
「なんだ? 無謀にも一人で挑もうというのか?」
それでも構わず歩み続ける
姿こそ徐々に吸血鬼になりつつある
「勝負だよ、白布田神君。」
「なんで、俺の名前を・・・」
すると、ようやく吸血鬼の正体が分かった
「お、お前、血溜か!」
「そうだよ、この力で君に勝つ。」
「やれるもんならやってみてよ。」
素早い包帯のホーミング攻撃
それをかわし、ぎりぎり人間の部分残して近寄ろうとする血溜。
そして、ようやく至近距離にまで来た
「今、完全な吸血鬼になって、正々堂々挑むよ。」
紫色の光に包まれていく
光が収まった瞬間、八咫と魂雅地が初めて会った時と同様の姿の吸血鬼がいた
「見た目変わっただけじゃ意味ないんだよ!」
小さい包帯を一発飛ばした
これを難なくかわした
「これならどうだ。」
一まとめになり、戦車並みのでかさになった
「おい、避けねぇと危ねぇぜ! 血溜!!」
叫ぶ八咫
「コノテイドナラゾウサモナイ。」
かわすどころかむしろ片腕で受け止めてしまったのだ
「バ、バカな・・・血溜は・・・ここまで強くなかった・・・」
「初めて仲間が出来て、それで守りたいものが見つかったとき、人であれ、モンスターであれ、どうあ れ強くなれるものさ。」
「お前さんらしい考えだぜ。」
魂雅地の一言にそう言う八咫であった
「俺は動きは速くない。だが、この自由自在にあちこち動き回る包帯があるんだ。負けるわけが ねぇ。」
「オレヨリハヤイヤツハキイタコトナイガナ。」
いくら包帯のスピードあげようが、発射するまでの時間がかかる
当然隙が出来て、懐に入られる
「クラウガイイ。『ヴァンパイア・クロー』!!」
赤黒い爪が現れ、白布の包帯を引き裂いた
「う、うわぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!」
そう叫び後方へ吹っ飛ぶ白布
包帯が白布の肌の中へと消えていった
「今回、俺たち出る幕なかったな。」
「だね、でも、彼の実力知りたかったし、いいんじゃないかな?」
「まぁ、結果的には、だがな。」
こうして、映画館内でのミイラ男との戦いも終わったのであった
どうも、見てくださいましてありがとうございました。
苦労してなおかつ楽しんで書いたものなのでどうなるかと思いましたが、無事にできてよかったです。