表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
白馬と姫  作者: カーネーション


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

PR
27/144

第27話『11日目の朝』

 11日目の朝、マリアさんがやって来る前に、わたしは日課となったレーコさんの日記を読んでいた。


 もう日記のなかのレーコさんは神子になっていて、式典に引っ張りだこ。忙しい日々への愚痴が多くなった。


 その頃から国王様をハゲと書くこともなくなっていた。レーコさんの気持ちに何か変化があったのかもしれない。


「レーコさんかあ……」


 そういえば、レーコさんは神子になったあと、どうなったのかは知らない。日記がここにあることや、わたしが新たな神子になることを考えると、答えは1つしかない。


 レーコさんはもうこの世にはいないんだ。だから、わたしが神子に選ばれたんだ。


 レーコさんのお墓があるのかと思ったら、それでも会ってみたくなった。


 彼女は、わたしと同じようにベルホルンにやってきて神子になった人だもの。元の世界に戻れなくなったわたしの気持ちがわかるのは、レーコさんだけだもの。


 会ってみたいという気持ちは、お昼になったらクラウスさんに伝えることにした。


 中庭の昼食をたいらげてから、わたしは改めてクラウスさんと向き合った。


「あの、クラウスさん。ちょっと、お願いがあるんです。その、前の神子のレーコさんに会いたいんですけど」


「レーコ様ですか?」


「同じ神子になるからあいさつをしたくて」


「レーコ様は……」


 お墓にいるのは知っているけど、どうしても会ってみたかった。あなたの日記にはげまされてますって、お礼を言いたいの。


「ダメですか?」


「あの、ダメではないのですが、レーコ様は神子の仕事をまっとうされて、現在は……」


 クラウスさんが次の言葉を言おうというとき、中庭が騒がしくなった。慌てたように鎧やかぶとの音を立てて、兵士さんが現れた。


 クラウスさんのやわらかい表情がこわばる。こんなに厳しい横顔を見たのははじめてだ。


「ほ、報告いたします。森の警備に当たっていた第3部隊が侵入者を確保いたしました」


「わかった」


 森に侵入者? 外から誰かがやってきたっていうの?


「ミヤコ様、申し訳ありませんが、レーコ様にお会いするのは、またの機会にさせていただけますか?」


「え、ええ」


「それから、私は行かなければなりません。護衛はこの男を置いていきますので。ミヤコ様、お元気で」


 クラウスさんはわたしに向けてやわらかくほほえむ。でも、次にそらしたときの横顔は、すぐに仕事モードになっていた。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ