表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
1/144

第1話『ウザイ女の子』

 何でこうなっちゃうのかな。いつもわたしってこう。口を開けばウザイって言われて、せっかくできた友達も離れていっちゃう。ちっちゃい頃からそうだった。中学にもわたしの居場所なんてなかった。


 だけど、全然平気。学校は勉強するところだし。彼氏なんかいらないし、友達も必要なし。お父さんもお母さんも忙しくて、最近、顔だって見ていないし。


 もし、今、異世界に飛ばされたって、わたしは喜んで受け入れると思う。この世界に何の未練もないから。


 そう思ってたのに――気づいちゃった。この世界を離れるとき、わたしはちゃんと未練を残すの。ああしておけばよかった。もっと、ウザイのを治して、友達を作れば良かった。彼氏……欲しかったなんて。


 目を覚ましたら異世界トリップなんて話、本当にあるんだ。


***


 教室でうたた寝していたはずのわたしがいたのは森のなかだった。スカートからのぞく足に草の先が当たってくすぐったい。わたしは草むらをベッドにして眠っていたみたいだった。


 ゆっくりと体を起こして周りを見渡す。よくできた夢。手にはちゃんと草の感触がわかるし、鳥のさえずりなんかも聞こえる。虹色のちょうちょがわたしの周りを旋回したりして、可愛らしい。


 わたしの想像力ってかなりすごいかもしれない。夢がこんなにリアルなんだから。


 乱れた長い髪を手ぐしで解かしてから、起き上がった。


 そうしたら見つけたの。森のなかに一筋に並んだ小さな光の玉が浮かんでいる。何だか、こっちだよと呼んでいるみたい。そういうことをされると気になるし、行ってみたくなる。夢だし、危険なことは何もないはず。


「よし」


 わたしは光の先へ行ってみることにした。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ