番外編『ギルガメシュ叙事詩』その②
そもそもギルガメシュとはなんぞや。という
七菜「英雄王、金持ち!金ぴかー!!慢心王」
カオル「黙れ」
ギルガメシュはウルクの町に住む勇者。ウルク王ルガルバンダと女神リマト・ニンスンの間に生まれ三分の二が神で残りが人間。東方一の勇者と恐れられ、ウルクの町の人は皆、彼のいいなりだった。彼は自分と対等に扱えるものがいないことに傲り、ただの暴君として成り果てていたのだ。
そんな彼に町の人々は耐えきれず、ついには神に祈ることになった。
そこでアルルの女神が暴君であるギルガメシュに対抗させるための力を持つ者を粘土をこねて創り、それにエンキドゥと名付けた。が、しかしこのエンキドゥ。力こそありはしたが、知性は低く獣当然であり、森にすむ獣たちと駆け回り遊んでばかりいた。
そしてそんなある日一人の狩人が獣と共に暮らすエンキドゥを発見し、ギルガメシュに知らせる。
興味を持ったギルガメシュに命じられ、女神イシュタルに仕える寺院娼婦シャムハットはエンキドゥを誘惑した。
六晩七日に及ぶ「交わり」をさせる事でエンキドゥの体内にある過剰なまでの精を吐き出させた。女の誘惑に乗ってしまったエンキドゥはその行為から野生味を失い、森の獣達から爪弾きにされることとなった。代わりに知恵と判断力を得て人間社会にも馴染めるようになったのである。
帰るところのないエンキドゥは彼女と共にウルクの町へいき、自分の使命を知る。
エンキドゥと彼女がウルクの町へ着いたのは大晦日の祭りの晩。
結婚のために神殿に入ろうとしたギルガメシュの前にエンキドゥが立ちふさがり、二人は組み合い、互角に戦い、やがてお互いを認め合い親友の契りを交わす。
暴君を改めギルガメシュは名誉を得るために、杉の森に住む半神フンババを倒すことをエンキドゥに誘う。
そして、ギルガメシュ叙事詩のフンババへと物語は続く。
主人公のギルガメシュは、紀元前2600年ごろ、シュメールの都市国家ウルクに実在したとされる王であるが、後に伝説化して物語の主人公にされたと考えられる。
蛇足だけど、アーサー王も似たような感じ。彼の場合存在していたかどうかあやふやだけど、民話で伝えられ慕われた王としては同じだろう。
――――余談
「たぶんなんだけどさ、七菜が思ってるフンババとこの銅像のフンババは違うと思うんだ」
「いやいや紀伊さん、私そんなにフンババのこと興味ないから大丈夫」
「女神あるまじきコメントだな。じゃあエンキドゥとかギルガメシュとか聞いても分からないんでしょ」
「分かるよ」
「へぇ」
「『慢心せずして、何が王か!』でしょ?」
「…………え?」
「金ぴかの……違うの?」
「エンキドゥは?」
「腹毛」
「それはギャランドゥだろ!! 言わせるな!」
「わー紀伊さんはっずかしー」
「恥ずかしいのはお前の頭だ。はぁ、もういい」
「あっれー漫才してたっけ?」
「女神様、黙ろうか」




