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現代→古代  作者: 一理
バビロニアのようで
114/142

明けましておめでとうございます『アキトゥ祭について』

「あけましておめでとうございます。今年もどうぞよろしくお願いします。紀伊カオルです」

「ロスタムだ。どうも」

 本編で新年ネタやろうと思ったけど、いろいろ理解できなかったので放棄しました

 じゃあやらなくていいじゃんという突込みはなしの方向で。

 アッシリアの新年会は『アキトゥ祭』を行うらしいのです。アキトゥ祭はもともとバビロニアの新年祭が原型です。

 アキトゥ祭は春分(麦秋)の祭りで現代アッシリア暦の正月な ん で す けど

 バビロニアの新年一月は春分の頃(現在で3月20日前後)の最初の新月の日が正月元旦となり、シュメル語で『イティ・バル』と記してアッカド語で『ニサンの月』と読む。なので、新年祭の儀式は、ニサンの月の第一日目からはじまる。byWikipedia

 いずれも、一月一月じゃないから、どうしたものかと。

 古代歴で言ったら元日なのか、それともそういう感覚ではないのか


 まあアッシリアはこのころ中小国で、バビロニアは大国

 バビロニアに対し対抗心があったのか、自分の国の神様が大好きだったからかは不明ですが、アッシリアではマルドゥクよりアッシュル推しだったみたいですね。

  

「さて、ここでバビロニア新年祭について、紹介します。まあ、深く気にしたらダメな方向で」

「雑だな」

「気にすんな」

 大神官が身を清め、国家守護祈願に関する長い祈祷を捧げる。

 そして他の神官達を呼び供物的なものを奉納した後、合唱隊が歌を奉る。

「合唱隊って聞くとキリストって思う私」

「この時代に一切関係ねえけどな」

 日の出の三時間後に大神官は指物師や金銀細工の飾り職人を召しだし、杉やタマリスク材、貴石や金銀材を渡して、二体の人形を作らせ、それに赤い衣を着せる。

「……こけしみたいなもん?」

「人形つながりで連想すんな。そんな縁起ものじゃねーし」

 一体は左手に杉製の蛇を掴み、右手はナブー神をさし示し。もう一体は左手に蠍を掴み、やはり、右手でナブー神をさしている。

「ナブー神?」

「ナブー神は知恵と書記の神。俺たちアッシリア人の主要な神でもあるぞ」

「知らなかった」

「人類の運命が記された「運命の石板」の保持者らしいぞ。まあ、俺はそんなの興味ないけど……基本繁殖の神や水の神として信仰してるな」

「へえ」

 主神マルドゥクと配偶女神ベルトゥとに祈祷を捧げた後に神殿境内に出て北面し、一群の聖なる星々の出現を見届けると「星座にも似た宮居エサギラ、天地をかたどったもの」と三度エサギラ神殿を讃えてから扉を開き、他の神官たちを呼び、同様に祈りを捧げる。もちろん合唱隊も参加。

「神社の祝詞みたいなものか」

「ちなみにこの時点で祭りは四日目だ」

「長いね」

「12日はあるからな」

「……えー」

 前回同様身を清め、捧げものをし、合唱隊が歌う。

 神殿のお潔めを行い、ティグリス、ユーフラテス河の汲み置きの水を神殿中に振り撒く。太鼓を打ち鳴らし、神殿に香炉と松明を運ばせるが、その際に神官自身は

境内に留まり主神マルドゥクの神殿内に入ってはならない。

「なんで?」

 この神殿の潔めが完了すると、次に神官はナブ神の聖所エジダ神殿に香炉と松明をもって入り、同じく両河の水で聖所を潔める。聖所の内庭で芳香を燻らせ、羊の頭を切らせる。

神官は悪魔祓いの呪文を唱えると、羊の胴体を抱えて河へと進み「西を向いて」羊の胴体をユーフラテス河に投げ込む。

「なんで?」

 この後マシュマシュ神官たちは羊の頭を抱えて城外の荒野に去り、ナブ神官がバビロンに滞在する日から第十二日まで荒野に留まっていなければならない。

「なんで?」

「お前小さい子どもか」

「答えてくれないからじゃん」

「お浄めの最中は万が一にも覗き見して不浄になっては大変だから禁じられていたんだよ。そういうもんなんだよ」

「なんで逆切れされてんの私」

 日の出の三時間二十分後に神殿の潔めがすむと、シェシュガル大神官は潜んでいた神殿から出て、全ての職人達を集めて、マルドゥク神の宝物庫から黄金の天蓋を運ばせてナブ神の神殿エジダを上から下までピカピカに覆わせ祝福の祈祷を大合唱する。

主神マルドゥクとナブ神に捧げたお供え物の皿類をすっかりきれいにした後でボルシッパ市から舟で運ばれるナブ神像の到来を待つ

「一応いっとくボルシッパ市はバビロニアにあるからな。アッシリアのどこー? なんてふざけた質問するなよ」

「しないよ(地形そもそもわかんないし)」

 ここで王様が現れ職人達は王の手を洗い潔め、主神マルドゥクの神殿エサギラへと誘う。

 職人達はここで門から退場せねばならない。王が主神マルドゥクの御前に伺候するとシェシュガル大神官は王から王笏や王剣を取り上げそれらを主神の御前に運び椅子の上に置く。

大神官は王の頬を引っ叩き耳を引っ張り、地に平伏させる。

王がこの一年間なにも悪事を働かず、祭祀をおろそかにすることなくバビロン市も傷つけることを一切なかったと宣誓すると、大神官は王のために祈りを捧げ、再び王の頬を烈しく引っ叩く

「解せぬ」

「神に許しを乞うている、ってとこかな」

「一年の反省(物理)か……王様毎年嫌すぎるな」

 それで王の眼から涙が降れば主神マルドゥクが許した証拠であるが、一滴も涙が出ないとなると、主がお怒りになって、さらに神官は出るまで叩かなくてはいけなくなる。

「神様ドS!?」

 この王位更新の儀式も無事に通過すると、日没後に境内には大きな穴が掘られそこに40本の葦を束ねて、蜜やクリームや極上の油を注ぎ、白牛を連れてきてその前で火をつけ祈祷を捧げる。

 ナブー神の舟が到来する。

 ナブー神が上陸すると第三日目にこしらえておいた二体の人形がナブー神をさして現れ斬首され、火中に投ぜられる

「日本でいう土偶ですか……」

「こけしじゃなかったろ?」

「八日目には各都市の神像が居並ぶ中で、五日目の王位更新祭(涙流れるまで叩きます)を無事通過した王は主神マルドゥクから正式に『新王』としての認可を受け、祝福される」

 聖婚の儀の準備。神殿娼婦もかかわりあったと思われる。

 エサギラ神殿で主神マルドゥクの御手を頂いた王は、神輿によって運ばれる。マルドゥク神像や諸都市から到来した各神像とともに行進して、イシュタル門を通過しユーフラテス河から舟で郊外のアキトゥ神殿へ移行。

 救済主ベル・マルドゥクの勝利を寿いて様々な儀礼、饗宴と聖婚儀礼が続く。

 第十日目に、引き続きアキトゥ神殿において主審マルドゥクと豊穣に関わる様々な神々のために盛大な饗宴が催される。主神マルドゥクの『死と再生・復活』が詠われ、実際に怪獣と戦い、倒れ復活し、勝利する様子が演じられた。

「もう何が何やらだね」

「めんどくさい行事は国民は見てるだけだから問題ない」

「飽きそうだけどね。嬉しい人は嬉しいんだろうね。私王様ぼこぼこにされてるところ見たくないけどね」

 主神マルドゥクによって、新年度の王と国土の運命が定められ、神々の祝福の祈祷などが行われて、新年祭の主要な儀式が完了する。

 ここまででも結構長かった。

 第十二日目 再び主神マルドゥクやその他の神々は舟や輿に乗ってバビロン市内へ帰還。

「なんか新年というより、盆帰りっぽいよね」

主神マルドゥクの神殿エサギラをはじめ市内の諸神殿で『お気持ちをやわらげ穏やかな心地になられよ』というマルドゥク賛歌を詠唱。

 さらに諸神像は各自の守護する都市への帰路に着く

「神有月……か」

「といった感じだ。まあアッシリアにも守護神いるしな」

「そうね」

 大体みんな似たような感じよね。

 

 ということでどうでしたか、分からないでしょう。そうでしょう。

 お祭りというものは楽しいだけでなく、先祖や神を崇め奉るものという心を、忘れてはいけません。

 今の私たちがあるのは古来の人が居るからなのだから……


「とかかっこつけてみました。ということで、みなさんどうぞ今年も健やかに」

「宜しくお願いします」

これからもどうぞ現代→古代をよろしくお願いいたします

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